JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

雨の幻惑

2007年06月29日 | s-u

昨日までの真夏の日差しは一転、朝から梅雨空が戻ってきました。
「まぁ、暑くないだけ良しとしようか」
私が田舎に戻ってきて、何年たったか数えるのも面倒なほど月日は流れました。気が付けばいいオッサンの歳になっていたわけですが、そんなことはさておき、田舎に引っ込んで大きく変わったことに傘の扱いがあるように思います。

雨の季節を迎え、新しいデザインの傘に心弾ます女性もいるでしょう。
「あなた、今年も結局傘を買うはめになったんだから、今度こそは置き忘れしないようにしてよ。そうじゃなくても、会社に何本寄付したかわからないんだから」
なんて言われながら、新調した傘をビジネスバックに潜ませる、そんな同年代諸氏もきっといますよね。

ところが・・・・

このあたりは公共交通網が都会ほど進んでおりませんから(正確には衰退の一途をたどっていますけど)、当然、自家用車が生活の必須アイテムとなっています。
女性の場合は、そんなこともないのかもしれませんが、男性諸氏には、車から屋内への移動時に「傘を差すのは面倒」との心理が多いに働くわけで、傘の利用率は都会に比べ格段に低いように思うのです。
げんに私も、ここで暮らすようになってから、ビニール傘以外買ったことが無いような・・・。
いや、へたをすれば「骨が折れていたり、曲がっている傘でも充分対応できる」と言った方が正しいでしょうか。(笑)

ビルの窓から眼下を見下ろすと、色とりどりの傘の花が路上を埋め尽くす、私にとってそんな風景は「今は昔」の世界なのであります。



♪ 赤い蛇の目の 傘をさして
   それは まるで 絵のように
   あの女(ひと)が 私にふりむく

思い出すのは ひとつの傘で
  あの女の 髪のにおい
   雨宿り 恋の雨

 (中略)

   こんな夕暮れ 恋をした
   あなたの 傘の中
  こんな雨の日 恋をした
   あなたの 傘の中 ♪
         (ふきのとう『赤い傘』)

靄がかった雨の中の女性・・・・・・なんだか数段美しく思えるのは、男のエゴでしょうか?
まして、古都を蛇の目で歩く姿など、ビーチで水着姿の女性を盗撮するような馬鹿たれに、教えてあげたいほどの色気を感じますよねぇ~~~って、これもちょっと危ないか?

五月雨に 沢辺のまこも水こえて いづれあやめと引きぞ煩(わずら)う

源三位頼政(げんざんみよりまさ)は、手柄のほうびに菖蒲前という美女をお上より頂くことに、ところが、源三位の前に連れてこられたのは「いづれアヤメかカキツバタ」よろしく美女がずらり、そこから菖蒲前を選び出せという無理難題。
そこで、詠んだのがこの歌だそうで
ここにも、『雨の中の美女』という、男を惑わす幻惑が隠されていたようにも思う私でした。

え~い、アヤメだろうがカキツバタだろうが、いやいや、ドクダミだろうが、
蛇の目だろうが、デザイナーズ傘だろうが、ビニール傘だろうが、
中年オヤジも恋がしたい!!・・・・お後がよろしいようで(笑)
                             
さて、今日の一枚は、ズート・シムズですが、正直、私的にはジャズというイメージのとても薄いアルバムです。ストリングスとの共演にどうにも抵抗があるというのは、このアルバムに限ったことではありません。
ただ、今日のテーマのような『雨』を思うと、こんなアルバムも「たまには良いかなぁ」みたいな(笑)

とある喫茶店の片隅で、さっきまで読書を続けていたはずの見知らぬ彼女が、今は窓越しに雨の路地を眺めている。そこに何を見ているのか、そんなことはどうでもいい、彼女のその瞳に私は魅入られ、しばし時を忘れてしまったのだ。
「珈琲、もう一杯どう?」
という、マスターの声で我に返った私は、彼に悟られたかと照れ気味に
「OVER THE RAINBOWかぁ、雨ももうすぐやむかな?」
なんて、言いながらその場をごまかそうとするんだ。

そんなシチュエーションなら、このアルバムはBGMとして、違和感がないはずなのですよ。
はははははは、やっぱり恋がしたいということか?『雨の幻惑』がオヤジをも惑わせます。

WAITING GAME / ZOOT SIMS
1966年11月28,30日録音
ZOOT SIMS(ts) with Orchestra Include Strings

1.OLD FOLKS
2.I WISH I KNEW
3.ONCE WE LOVED
4.IT'S A BLUE WORLD
5.SEPTEMBER SONG
6.OVER THE RAINBOW
7.STELLA BY STARLIGHT
8.ONE I COULD HAVE LOVED (THEME FROM "13")
9.YOU GO TO MY HEAD
10.DOES THE SUN REALLY SHINE ON THE MOON ?

おまけ、

♪ あの日の君は 傘さして 
   青山通り 歩いてた ・・・・ ♪

おっと、これはかぐや姫の『アビーロード』でありましたね。・・・・・・
そういえば、たしか今日は41年前、かのビートルズが来日した日ではありませんか?
(『傘』→『かぐや姫のアビーロード』→『ビートルズ』っていうのは、かなり強引な連想ではありますけど 笑)
もちろん、私はハナタレ小僧でしたから、記憶も定かではありませんが、我が姉など地方にいながらも心躍らされた時であったと聞いております。



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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
バブさんのお気持ち・・・ (ウフフマン)
2007-06-29 23:44:39
痛いほど分かります

中年オヤジも恋がしたい!!
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ウフフマンさん (バブ)
2007-06-30 21:39:38
わかっていただけますか?
ありがとうございます。
ウフフマンだけですよ、
そう言っていただけるのは

お互い、頑張りましょう!
加齢臭に負けずに、恋をするぞう!!!!!
返信する
私も~! (あずき)
2007-07-01 09:44:29
中年おばさんも恋がしたい。
仲間に入れて~!(笑)
返信する
あずきさん (バブ)
2007-07-01 22:33:09
どうぞどうぞ、
恋に憧れる中年男女のみなさん
どなたでも大歓迎ですよ!

って、こんな事書いてると
変なところからTBされたりするんで、気をつけないと。

このサイトは、けしていかがわしいサークルを作る目的で、公開しているものではありません。(笑)
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