今日で正月休みも終わり、また何もせずに終わってしまった感は拭えません。それでも昨日も言ったとおり例年より酒量が減ったことは、不景気の折良い傾向ではあったでしょう。(笑)
話は大きく変わりますが、昨今『携帯依存症』なる難病が世にはびこっているという事をよく耳にします。いずれ人間は何かに依存したがる者ですから、特に若者に顕著な発症を見るこの症状も、私などはとうぜんの結果のようにも思えます。
かく言う私でも、こうして毎日のように更新を続けるブログという媒体に少なからず依存しているようにも思えますしね。
手段は変わったにせよ、太古の昔から人間は己の存在を何らかの手段で相手に伝えることに努力を惜しみませんでした。そしてまたそれがあらゆる物の発展につながったことも事実でしょう、最初は言葉であり、文字であり・・・・
ですから、携帯電話の世界からベストセラー小説が生まれることも何ら不自然なことでは無いのかもしれません。
今朝の朝日新聞『天声人語』には、盲目である河野泰弘氏と彼の著書『視界良好』を題材に『伝え合う手段』について書かれておりました。
記事によれば点字を考案したフランス人、ルイ・ブライユが生まれたのが200年前の今日だったのだそうで、なるほど点字も手話も視覚や聴覚に障害のある方にとっては『伝え合う手段』として携帯など屁でもないほど画期的な発明だったに違いありません。
「メールが届くといつも、封を切って手紙を取り出すような気持ちになります。今度は誰がどんなことを・・・・」(『視界良好』より)
河野氏は普段、画面を音声で読み取るソフトを利用してパソコンを活用されているそうなのですが、メールだけは機械で点字に換えて読まれるんだそうで、一字一字を追うことで相手の胸中までが見えてくるんだとか。
そういえば、昔もらった数少ないラブレター、一字一字かみしめるように読んでいくと、しみじみと伝わってくる何か・・・・その正体は分かりませんが、何かが確実に伝わってくる気がしましたよね。
いやいや、ラブレターばかりじゃありません。娘や息子が小さい頃くれた「これ何て書いてあんだ?」てな短い手紙、あれなんかも一字一字解読していくと他には換えられない味わいがあるものです。
幼い頃から読書を重ねたという河野氏、興味を持ったのは、誰にも全容を見せない宇宙なんだそうで、記事では、そんな河野氏を「(障害がある故なおさらに)指先から知識を吸収し、鋭敏な枝を張る大樹を思い浮かべる。」と称しておりますが、まさにそのとおりなのでしょう。健常者である我々はその姿勢を見習うべきだと思います。
文字を使った『伝え合う手段』は今、数多くの媒体、道具で我々の周りに氾濫しています。あとは、それを利用する側がそれに向き合う姿勢を学ぶべき時なのかもしれません。
こんな駄ブログでも、ありがたいことに毎日多くの方々に読んでいただいています。つまり小規模ではあっても『伝え合う手段』には間違いないわけで、心せねばいけませんね。
今年はなんとかヘタでも「一字一字にもっと心を込めて綴る」そんな努力をしようと思ったのでありました。
「文才も無いのにそれは無理でしょ」
「だから、上手い下手じゃないんだって、心よ、こ・こ・ろ」
頑張ります。(笑)
さて、今日の一枚は、エリック・ドルフィーです。
ある意味、コルトレーンなみにドルフィー好きの私、所有盤はすでに全て紹介済み「我がブログにドルフィーが(もちろんリーダーとして)現れることはもう無いだろうな」と小出しにしなかったことを悔いていたのですが、今日『ERIC DOLPHY』で我がブログを再検索したところ、まだ何枚か未紹介のものがあることに気付きました。
これからは、小出しにしてもたせて行こうと思います。(笑)
そんな中、今日のアルバムは、2005年6月6日といいますから、私がブログを開始して6日目に紹介した一枚です。
未紹介盤があるならそれにした方が・・・とも思ったのが、あえて再紹介することにしたのは、この時はジャケ写真も載せずにサッと流した紹介であったから、それとこのアルバムが特に思い入れのある一枚だからです。
私がバスクラを特に意識して聴いたのは、以前もお話ししましたが、友人から中古のクラリネットを譲り受けたとき、高校2年生の時でした。
もちろん、当時すでにコルトレーン・フリークの私でしたから、ドルフィーのバスクラを聴いたことがないということは絶対になかったわけですけど、私がクラリネットを吹き出したという話を聞いた常連さん(私がアルバイトをしていたジャズ喫茶の)が、私にかけるよう指示したのがこのアルバムだったのです。(今思うと、クラリネットを吹き出したと聞いてバスクラを聴かせるというのはいかがなものかと思いますが。笑)
それまでこのアルバムを聴いたことはあっても、それほど意識しなかった私も変だったのですが、その時聴いた「GOD BLESS THE CHILD」、何故か体がブルブル震えてきて、鳥肌が立ったことを今でもよく覚えています。
その感動は今でも変わらず、B面に針を落とした瞬間から私を別世界へと誘ってくれます。
このアルバムがドルフィーの最高傑作であるとはあえて申しませんし、他に押すべき一枚が多々あると思います。それでも、私にとってはドルフィー好きの原点がここにあるのです。
音楽もまた『伝え合う手段』の一つだと思います。何十回、何百回、何千回と聴き込むうちに、さらに深く伝わってくるものがあるのかもしれません。
大好きな一枚です。
ERIC DOLPHY IN EUROPE, VOL.1 / ERIC DOLPHY
1961年9月8日録音
ERIC DOLPHY(fl,bc) BENT AXEN(p) CHUCK ISRAELS(b) ERIK MOSEHOLM(b) JORN ELNIFF(ds)
1.HI-FLY
2.GLAD TO BE UNHAPPY
3.GOD BLESS THE CHILD
4.OLEO
おまけ、
今日は日曜日、いつもどおり『料理当番、今日の一品』・・・・といきたいところですが、さすがに正月料理を作ったんだからということで、今日はお休みさせていただき、呑みに徹しました。(笑)
つまみは、先日伯母がわざわざ送ってくれた『ニシン漬け』です。
身欠きニシンを山椒等々の入った甘酒(糀の甘酒です)とご飯で漬けたもので、なれ鮨に近いかな?でもそんなに臭くはないんですよ。
これをサッと炙って、日本酒には良く合います。
いつもいつも 「さて今日の一枚は ・・・」と綴る軽快な文に魅せられっぱなしです。
今朝の朝日新聞『天声人語』 偶然ですが(読んだ人はみんなそうなのかもしれませんね)いつになく考えさせられました。久々に切り抜き手帳に貼りつけましたよ。
ドルフィンはあまり聴かなかったなぁ~~
飲めないのも寂しいですよね。でも飲み過ぎもねぇ・・昨日も馬鹿をやってきてしまいました。(笑)
そうですか、新聞記事の切り抜きをされてるんですか。その都度その都度すぐに頭から抜けていく私も見習うべきかもしれませんね。