JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

我が青春の悶々?

2008年05月10日 | p-r

昨日の続きになりますが、けっきょく昨夜は発掘されたカセット・テープを聴きながら一杯飲んでおりまして、
発掘テープの中に山崎ハコのテープがあったことは昨日も言いましたよね。全部で3本あったのですが、題名だけの選別でいくと「飛・び・ま・す」はLPが残っておりますので破棄、「綱渡り」はLPが無いのでまず保留、
「あれ?これ山崎ハコとしか書いてねぇじゃん」
タイトル不明ではしかたありません。早速聴いてみると

♪ 青い空 白い雲
  菜の花の小径を かけまわり ちょうちょとり
   遊んだふるさと ・・・・・・ ♪

「望郷」が聞こえてきました。
「あ~あ、「飛・び・ま・す」かぁ?」すると二曲目

♪ さり気なく手をふる ふり向きはしない・・・・ ♪

「今日からは」です。・・・・ということは、アルバム「軌跡」?

私はべつに山崎ハコを熱心に聴いていたハコ・フリーク(笑)ではありませんが、この「軌跡」というアルバムにはちょっとした思い出がありまして、特に最後の方に収録されている「織江の唄」が肝心なのであります。

香春岳(かわらだけ)は異様な山である。
けっして高い山ではないが、そのあたえる印象が異様なのだ。
            <五木寛之著『青春の門 筑豊編』プロローグより>

始めて『青春の門』が映画化されたのは1975年の信介が田中健、織江が大竹しのぶ、母親タエが吉永小百合のものだったのでしょうか?
なにしろその頃は「邦画がなんぼのもんじゃ!俺は洋画しか見ないぞ!」てな頃だったもので、私にとって『青春の門』は小説だけの世界でした。
その後、菅原文太や松坂慶子、佐藤浩市、杉田かおる、てな面々でリメイクされたシリーズがありましたよね。友人に見に行かないかと誘われたのですが、これも断りました。

話は大きく飛びますが
私が勤めだして間もないある日、学生時代のアルバイト先の先輩に横浜駅前でばったり会いまして、
「バブ君、久しぶりだねぇ・・・(なんたらかんたら)・・・せっかくだから飲み行こうか」
じつは、彼女(あっ、言い忘れましたが、大学は違ったのですが一年先輩の女性です。)は、私のバイト先での最大の汚点・・・いや、そう言っては失礼になりますね。え~~~酔った勢いってやつですか、そんなことがあった方だったわけです。(彼女も割り切った方で大きな問題にもならなかったのですが)
いちおう当時私にはお付き合いしている女性がおりましたし、そんな彼女とまた二人で飲みに行くというのはどうかとも思ったのですが・・・(「おいおい、行ったのかい」)
案の定、酒は進み
「バブ君、今日はとことん飲むよ」
と誘われるままに彼女のアパートへ(でへへへへへ、私の節操の無さは、今も昔も変わりなしというか・・・・申し訳ありません。)
そこで彼女が話し始めたのが『青春の門』のことだったのです。
「あたしはね、あの小倉の丸屋旅館での信介と織江、あの場面、あの場面が好きなんよ。」
とかけた音楽が、山崎ハコの「織江の唄」だったわけで、映画『青春の門』リメイク版の主題歌です。

 ♪ 遠賀川 土手の向こうにボタ山の
   三つ並んで見えとらす
    信ちゃん 信介しゃん 
    うちはあんたに会いとうて 烏峠ば 超えてきた
    そうやけん 会うてくれんね 信介しゃん 
    すぐに田川へ帰るけん
    織江も大人になりました

    月見草 いいえそげんな花じゃなか
   あれはセイタカアワダチソウ
    信ちゃん 信介しゃん 
    うちは一人になりました 明日は小倉の夜の蝶
    そうやけん 抱いてくれんね 信介しゃん 
    どうせ汚れてしまうけん
    織江も大人になりました ・・・・・ ♪

その晩、それからどうなったかは、良く覚えてません。(「うそつけ!」)
だけどこれだけは思い出したんです。このカセットテープはその時にもらって帰ってきたものだったってことを・・・・
ひぇ~~~~~!このテープは捨てるべきでしょうか?とっておくべきでしょうか?

「今夜、信介さんがしてくれんじゃったら、うち、いつかきっとほかの男にされてしまう。どげん嫌いでも、こげな商売しとると逃げられんときがくるわ。いままで運がよかったとよ。もうこれ以上は、そげなふうにはいかん。だから、信介さん、して。そうしてうちの彼氏になって。そうすれば、うち、なんとか自分を守っていける。ね、信介さん」
                       <五木寛之著『青春の門 筑豊編』より、織江の台詞>
 ♪ 香春岳 バスの窓から 中学の
    屋根も 涙でぼやけとる
    信ちゃん 信介しゃん 
    うちはあんたが好きやった
    ばってん お金にゃ勝てんもん
    そうやけん 手紙くれんね 信介しゃん 
    何時か何処かで会えるけん
    織江も大人になりました ♪

あは、酔っぱらいそう。

さて、今日の一枚は、セシル・ペインです。
バリトン奏者というと、ジェリー・マリガン、サージ・チャロフあたりを押さえとけばいいか、ってなところがありますが、セシル・ペインもどうしてどうして、なかなかのものであります。とか言いつつ、じつは私も彼のリーダー盤は二枚しか所有していないんですよね。(笑)
サブでの盤では、以前紹介した ♪ダバ・ダバ・ダバ・ダバ・ダバダバダ、ダッダーダ、ダッダーダ・・・・・♪ の「TRIO & QUINTET / DUKE JORDAN」あたりが私には印象的です。

今日のアルバムも「TRIO & QUINTET」同様、オリジナルは『幻のレーベル』シグナルから発売になりました。(もちろん、私のはオリジナルじゃありませんし、オリジナルはジャケ・デザインも違うはずです。)
シグナルのハウス・ピアニスト的存在でもあり(といってもシグナルは一年余りの短命レーベルですけど)、ペインの親友でもあったデューク・ジョーダンがこのアルバムにも参加しています。
ペインのリーダー作としては代表作といって良い一枚だと思いますし、マリガンやサージとはまた違ったバリトンの表現を楽しめる一枚であるとも思いますよ。聴いて損はありません。

余談ですが、クインテット部に加わっているケニー・ドーハムがじつにいいんでありまして、ペインだけでなくドーハムにも注目すべき一枚であると思います。

PATTERNS OF JAZZ / CECIL PAYNE
1956年5月19,22日録音
CECIL PAYNE(bs) DUKE JORDAN(p) TOMMY POTTER(b) ART TAYLOR(ds) KENNY DORHAM(tp)

1.THIS TIME THE DREAMS ON ME
2.HOW DEEP IS THE OCEAN
3.CHESSMAN'S DELIGHT
4.ARNETTA
5.SAUCER EYES
6.MAN OF MOODS
7.BRINGING UP FATHER
8.GROOVIN' HIGH

おまけ、



今日の寒さはなんざんしょ、散歩でまわった近くの小学校では運動会をやっていました。暑すぎるのも困りますが、見ている父兄のみなさんは何だか寒そうな様子で、ちょっとだけかわいそうでもありました。

庭に咲いた花たちも、この気温差にはビックリしているようです。



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