今日は、ひじょうに愉快な一日でした。
9時頃だったでしょうか、友人が採れたばかりの野菜をもってきてくれるとの連絡、10時頃、次男を連れてやってきました。
コーヒーを出して、いっしょに来た次男坊に
「○×くんは、つまんないよなあ」
親とその友人の会話など面白くもないだろうと思い、そう訊くと友人が
「○×、おじちゃんになんか頼みがあんだろ」
友人の話によると、○×君は荷物持ちだけのために来たわけではなく、私にあいにきてくれたとのこと
「レコード聴かせてほしかったんだけど」と小さな声でぼそぼそっと
今年、中学に入学した○×君、昨年、映画「スイング・ガールズ」を観てブラス・バンド部に入部したのだそうで、トランペットを始めたとか。友人が「おじちゃんとこには、ジャズのレコードいっぱいあるぞ」と言ったらしく、それでついて来たみたいです。
「いくらでも聴かせてやるけど、ピッグ・バンドのレコードはそんなにないんだよなあ、それでもいいかい?」
「はい」
ビッグ・バンドのアルバムというと、エリントン、グレン・ミラー、グッドマンは、いいとこ集めのアルバムみたいなものしかないし、ベイシー楽団は幾つか、それにサド~メル、クインシー・ジョーンズ、トシコ~タバキン、ギル・エバンス、たぶんそんなもんしか無かったような。
それでも、趣味部屋に彼を招き入れ、一枚ずつかけてやると、真剣に聴き入っています。
「そんな固くなって聴かなくてもいいよ、疲れちゃうよ」
「はい」
おぅ!なんてかわいげのある、我が息子に爪の垢でも飲ませてやりたい、サックスをやっている娘ですらこんな真剣に聴くことなどないのに
「おじちゃん、後で送ってってやるから、ゆっくり聴いてきな」
友人を帰し、昼食、おやつを食べながらも、夕方まで飽きもせず聴いていました。
最後にクリフォード・ブラウンをかけ、家まで送っていきました。車の中で
「また、聴きに来ていいよ」というと
「はい、ありがとうございます。」
いいですねえ、私も丸一日聴いても飽きない時期がありました、あんなに目を輝かせて聴いている中学生がいるかと思うと、なんだかとても嬉しくて、むちゃくちゃ愉快です。
「おじさん、これもビック・バンド?」と彼が訊いてきたクインシー・ジョーンズのアルバムを今日は紹介します。
THE QUINTESSENCE / QUINCY JONES
1961年11月29日~12月22日録音
ERIC DIXON , FRANK WESS , PHIL WOODS , OLIVER NELSON , JEROME RICHARDSON 他(sax)
FREDDIE HUBBARD , THAD JONES 他(tp) BOBBY SCOT , PATRICIA BOWN(p) その他
1.QUINTESSENCE
2.ROBOT PORTRAIT
3.LITTLE KAREN
4.STRAIGHT, NO CHASER
5.FOR LENA AND LENNIE
6.HARD SOCK DANCE
7.INVITATION
8.THE TWITCH
なんだか見えるような気がしました。
いつまでも聴いていても飽きない頃。
音楽だけで生きていられた頃。
ちょっと郷愁を感じるような記事でした。
懐かしいです。
レコードに聴き入る彼は、なんとも新鮮でした。
きっと、私のレコードたちも、彼に聴いてもらえて幸せだったろうと思います。
彼が素敵なプレーヤーになったら
今度は私が素敵な演奏を聴かせてもらおうと思っています。