JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

じっくり拝聴

2008年09月29日 | j-l

またしても台風が微妙な動きを見せております。これまでに日本に上陸した台風が無いこと自体、今年は少々気象状況がおかしいんだそうですが、台湾のような大きな被害が日本では起きないことを祈りましょう。

さぁ、昨日半日を費やし『東京JAZZ』のオンエアーを全て拝聴いたしました。お約束通り感想などを一つ
えっ?誰もあんたの感想なんて聞きたかぁないって?まぁそうおっしゃらずに。

まず、初日
FRENCH JAZZ QUARTER ALL STARSの演奏が一曲だけというのは少々NHKに不満を持ちました。(笑)
なにしろ私など普段ほとんど聴かない面子だけに、もう少し個々の演奏をじっくり聴いてみたかった感があります。

続いて日野皓正クインテット
私としては根本的に『毛嫌い』『食わず嫌い』のところがある日野テル、じっくり聴いたのは何年ぶりだったでしょうか?昔に比べ音そのものはずいぶん丸くなったように思うのですが、いかがでしょ?私はその丸みが嫌いじゃないんですねぇ、あの場にいてどうかと訊かれればなんとも言えませんけど、自宅で聴いている分にはそこそこ楽しめた演奏でした。



管無しのロン・カター・カルテット
ロン・カーターの姿勢の良さは変わってませんねぇ(笑)その姿勢の良さがカルテット全体に現れているような、それがロン・カーターの良さなんでしょうけど、私的にはもう少しヤンチャな部分があっても良いかなぁと思ってしまいます。
驚いたのは、日野皓正クインテットと比べてベース音がこれほどまでに違うものかということでしょうか。ここはやはり「ロン・カーターに一票」みたいなね。(笑)

初日最後は、デヴィッド・サンボーンのクインテット
正直に言いましょう。私としてはデヴィッド・サンボーンに過大な期待は全く持っていませんでした。
ほんと、たんに好みなんですよ。好みとして彼のサックスの音を私は良しとしません。それは今回聴いても変わりませんでした。ファンの方、申し訳ありません。

次は二日目ですか。
まずはJammin' Zeb
男性4人のコーラスは心地よいですねぇ、女性が入ったコーラスより私は好きかもしれません。まっこの程度で(だって、こちらもオンエアーは一曲だけなんですもん)

上原ひろみ & 熊谷和徳
ピアノとタップの共演・・・・・どうなんでしょ?
互いに刺激し合い盛り上がっていくさまは魅力的ではありましたが、翌日のHIROMI’S SONICBLOOMの上原ひろみとこちら、どっちを聴きに行くと訊かれれば、正直「HIROMI’S SONICBLOOMを聴きに行きたい」と私は答えると思います。

ザ・グレイト・ジャズ・トリオ by ハンク・ジョーンズ
ハンク・ジョーンズもやはり年齢には勝てないように感じてしまい、私の興味はもっぱらジョージ・ムラーツに向かってしまいました。
好きですねぇムラーツ、メロディアスで繊細で、技術的なことはよく分かりませんが、ロン・カーターと比べても、私的には「ムラーツに一票」です。(笑)

二日目最後は、ハンク・ジョーンズ & ロン・カーター with NHK交響楽団
・・・・・・・う~~ん、これってNHKのごり押し?少々企画に無理があるんじゃないでしょうか?
ごめんなさい、全く魅力を感じませんでした。

いやぁ、やっときました三日目。
私としては、この日が今回のハイライトでしたねぇ

HIROMI’S SONICBLOOM
今「上原ひろみをどう思うか」と訊かれても、私はそれほど聴き込んでもいないし、なんとも答えられませんが、彼女の演奏には『華』というか、上原ひろみスタイルといったもの、つまり個性を多いに感じます。これは私の知る範囲での日本人ピアニストには最も欠ける点なのではないでしょうか。(しいて秋吉敏子を除いては)
それ故、悪い意味ではなく、好みもハッキリするピアニストにこれからもなっていくのだろうと思いますし、私的にはひじょうに魅力的です。
「SOFTLY AS IN A MORNING SUNRISE」でも「上を向いて歩こう」でも、彼女のソロに唸ってしまいましたが、これはこの編成、スタイルが私好みかどうかとは別問題ですよ。(笑)



リシャール・ガリアーノ & ザ・タンガリア・カルテット フューチャー 寺井尚子
これは文句なし、私にとって今回のベスト(う~~ん、ミシェル・カミロも良かったからなぁ・・・・)ですね。
私の体質に最も合った演奏なんだと思います。ガリアーノのソロを挟んだ全6曲堪能しました。特にソロの「ARIA - LIBERTANGO」は・・・・この話はこの前もしましたね。ともかく「もっと小さな会場でこの演奏を聴けたら、最高だろうなぁ」なんて、つくづく思った演奏でした。
えっ?寺井尚子はどうだったかって?
これは私が昔から思っていることなのですが「弓弾きの弦楽器はずるい」ということ。ウッドベースにしてもバイオリンにしても、あるいはセロにしてもビオラにしても、弓弾きされるとスーって心が持って行かれる気分になるんです。
ですから、金鳥の夏の寺井尚子云々の前に弓弾きのバイオリンにスーっと・・・・冷静な判断を失います。(そうじゃなくても普段から冷静な判断は出来ないんですけどね)

おっと、このまま最終日まで語っていると、とんでもない長文になってしまいますね。三日目最後のミシェル・カミロ・トリオ、これも私好みの演奏であったのですが、ここからは「次回へ続く」ということで、本日は終了といたしましょう。

さて、今日の一枚は、歳を感じずにすんだ頃のハンク・ジョーンズです。
「PORGY AND BESS」を選んだのには、ハンクのこれとジョージ・ムラーツの「PORGY & BESS」を聴き比べたらどうなんだろう?という単純な思いつきです。
かたやカルテット、かたやディオと編成も違うし、曲目も4曲しか重なりませんから、聴き比べには若干無理があるかもしれませんけどね。

ジョーンズ兄弟の長男坊ハンクは、多くの傑作にサイドメンとして登場するわりには、リーダー作というとバーンってものが無い人でもあります。
それは、次男のように大所帯で手腕を振るうタイプでもなく、末っ子のようなヤンチャぶりもない、いかにも長男らしい人柄が演奏に出ているからかもしれません。

ではこのアルバムではどうか?
どうしても耳はケニー・バレルのギターと末っ子のドラムに行ってしまう感はぬぐえません。でもね、それは私がちょくちょく口にする「個性がない」とは、まるで違う理由だと思います。
それじゃあハンクの個性は何か、崩れがない安定性なんじゃないでしょうか。
ここでも、彼の個性は変わらず、手堅いベーシスト、ミルト・ヒントンとともに、しっかりとバレルと弟を支えています。
とんでもない名盤とは言いがたいかもしれませんが、「ハンクに駄盤無し」これが彼の最大の個性です。

PORGY AND BESS / HANK JONES
1958年録音
HANK JONES(p) KENNY BURREL(g) MILT HINTON(b) ELVIN JONES(ds)

1.SUMMERTIME
2.THERE'S A BOAT DAT'S LEAVIN' FOR NEW YORK
3.MY MAN'S GONE NOW
4.WOMAN IS A SOMETIME THING
5.BESS, YOU IS MY WOMAN
6.IT AIN'T NECESSARILY
7.I GOT PLENTY O 'NUTTIN'
8.OH, ICAN'T SIT DOWN
9.BESS, OH WHERE'S MY BESS
10.I AIN'T GOT NO SHAME



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