JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

酒はしづかに呑むべかり

2015年10月27日 | j-l

 天高く馬肥ゆる秋
どうしても最近のお話しは、「食に関することが多くなり過ぎているのではないか」と反省もしておりますが、肝心のジャズの話はもとより、酒の話ですら酒本来よりバカ騒ぎの話ばかり、これじゃいけやせんねぇ・・・・・

大好きな古今亭志ん朝師匠が『志ん朝のあまから暦』で、
 天高く酒ほがい
と、「馬肥ゆる秋」を「酒ほがい(「酒宴をして祝う」てな意味)」と換えて秋の酒話を語っておられます。

師匠曰く
「秋の空が晴れ渡って大気が澄み切ってきますてぇと、お酒の味がとりわけ美味くなる。」
だそうで、
たしかに、日本酒を常温でいただく私なんざぁ、夏場は日本酒比率が低下いたしまして、ここ何日かの寒さを迎えるとグ~~ンと上がってまいります。

「バブさんは、何の酒が好きなんですか?」
酒飲みにこんな愚問をする輩がとても多いんでありますけど
「あんたバカじゃないの、バブはねぇ、アルコールが入っていれば何でも好きなんだって」
と、他人に答えられるのもちとカチンときます。
まぁまぁ、ほぼ正解なので反論はしませんがね。(笑)

それでも美味い酒を飲んだときのリアクションてぇもんが私にもあるわけで
これは
「これ美味いから飲んでみな」
と、酒を勧めて下さるお方にはあまり明かしたくは無いんですが
「ク~~っと飲んだ後、思わずじっとその器を見つめる」という癖なんですねぇ
そして、その一瞬だけは誰にもあげたくない「し・あ・わ・せ」を感じるみたいな(笑)

「こいつに美味い酒を飲ませるのはもったいない。安酒ガバガハ飲ませときゃエエんよ。」
と、おっしゃる方、ごもっともでございます。
が、バブのそんな癖を確かめたければ、ぜひとも美味しい酒を飲ませてみてくんなませ。
いえいえ、日本酒に限ったことじゃござんせんよ。ウイスキーにテキーラ、ウォッカにジン、なんならワインだってかまいません。
「そうねぇ、しいて言えば、ブランデーと焼酎は・・・」
オイオイ

 白玉の歯にしみほとる秋の夜の 酒はしづかに呑むべかり (若山牧水)

そうそう、私もいい大人なんだから、肴なんざぁ何でもいい、いや無くたってイイ、美味い酒をじっくりと楽しむ余裕を心得るべきでありますな。
この晩秋は、それを目指そうかな
「いやぁ、夕べはさぁ、988円のパック入り純米酒、一本飲んじゃったよ」
って、だめだこりゃ

で、続きましてはジャズ話を・・・
「えっ?長い?そうかなぁ・・ウ~~ンしょうがない、それはまたの機会に」
なんのこっちゃ

さて、そうは言っても、今日の一枚は今日も避けられません。ビヴァリー・ケニーです。
このアルバム、おそらくはあるきっかけが無ければここで紹介することも無かったと思います。
何故なら、私の得意分野(笑)ボーカルものですし、LPはもちろんCDすら持っとりません。あるのはカセットから落とし込んだCD-Rのみという物だからです。

さて、そのあるきっかけとは、現在開催されている『東京国際映画祭』です。
実際に観に行くことは出来そうもありませんが、どうしても観てみたい映画があります。それは『FOUJITA』や『灼熱の太陽』でもなく、もちろん『ガンダム特集』や『寺山修司特集』でもなく(ガンダム以外はちと興味がありますし、寺山修司には完全に触覚が動いておりますが)、『BORN TO BE BLUE』であります。

チェット・ベイカーを『いまを生きる』のトッド(もちろんイーサン・ホークね。笑)が、どう演じているのか?
波乱に満ち、多くの浮き沈みと、ある意味謎の多い生涯を、ロバート・バドローがどう描いているのか?
ぜひ観てみたいですねぇ・・・・

おっと、話がそれた、そんでね「BORN TO BE BLUE」を曲として、我がライブラリーデーター(そんな偉そうなもんじゃありませんけど)で検索すると、ビヴァリー・ケニーの名が出てきたわけですわ。
ところがア~~タ、私ゃこれを何年も聴いちゃいない、と言うより存在すら忘れかけていたわけでして
ホコリをかぶったようなCD-Rを引っ張り出して、昨日の深夜に一杯飲みながら聴いてみましたよ。

10年?いや20年前なら、1曲目「BORN TO BE BLUE」を聴いて、おそらくは他のレコードに換えていたでしょうねぇ
ところが、チャーミングなその歌声が、夕べはなんだか魅力的で、楽しく最後まで聴いたのでありました。

ビヴァリー・ケニー:1932年1月29日NY生まれ、54年フロリダのクラブで歌っている時、ドーシー兄弟(ジミーとトミーね)にスカウトされ、数ヶ月間ドーシー・ブラザース楽団の専属となる。その後NYでソロデビューし、ルーストやデッカに録音を残す。1960年4月13日、28歳という若さで他界。

まっ、こんな感じの方です。
私にとって、この手のレコードは20年前だけで無く、現在でも興味を持つといった代物ではありません。
でも、たま~~に聴くと新鮮みがあったりして・・・CDか何か買ってみようかな。

BORN TO BE BLUE / BEVERLY KENNEY
1958年10月9,14,22日録音
BEVERLY KENNEY(vo)
Ellis Larkins(p) 他

1.BORN TO BE BLUE
2.ISN'T IT A PITY
3.FOR ALL WE KNOW
4.IT ONLY HAPPENS WEN I DANCE
5. AGAIN
6. I WALK A LITTLE FASTER
7.GO AWAY, MY LOVE!
8.BEYOND THE NEXT HILL
9.IT'S A BLUE WORLD
10.VANITY
11.SOMEWHERE ALONG THE WAY
12.WHERE CAN I GO WITHOUT YOU