JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

ド変態?

2012年07月19日 | a-c

今日はまさに晴天、「こりゃ暑くていられない」てなところなんでしょうが、風があるのでそうでもありません。ただ難を言えばその風が少し強すぎるかな?

さても、今年も7月17日は巡って来たわけでありまして、そう一昨日は我が最大の『心のよりどころ』ジョン・コルトレーンの命日でありました。
まっ『7月17日のマイ儀式』は毎年のことであらためて取り上げる事もありますまい。
彼と私の出会い(あはは、本人に会ったわけじゃありませんよ。)の話も、耳タコなお話しですので語るまでもないでしょう。
では、何をお話ししましょうか・・・と

人生ウン十年も生きていれば、いかに脳天気な私とはいえ幾度かの苦難にぶち当たったこともあるわけでして(「えっ?うそ?信じられない!」って、古い)
というか、今もまさにその苦難の最中かもしれませんが・・・・・
そんな時、毎度私はコルトレーンに助けられているような気がします。

まぁ、言い方を変えれば「都度逃げている」とも言えなくもありませんけど、「私には彼がいるじゃないか」と思わせてもらうというか。
人間どん詰まりになると「逃げ場」もまた必要なものなのですよ。
これを持っているか持っていないかで、苦境を乗り越えるエネルギーに差が出るように思ったりして・・・これって私の勘違い?

ともかく、私みたいにウジウジ考えやすい人間は、一瞬でも頭の中を空っぽにすることが、そんな時は必要だったりします。
その点、私は一発コルトレーンを聴くとスコーンっと頭の中が空っぽになる(笑)、根が単純なんでしょうね。

「バブさん、そんなにコルトレーンが好きだ好きだって・・・・毎日聴いてるんですか?」
なんて方がいますが、それは大きな間違いであります。
もちろん一昨日の晩はヘッドフォンでコルトレーンのみを聴きましたが、そんなんは年に一回だけ、年間回数で言えば、トップテンに入るかどうか(高校の頃は、ほぼ毎日聴いてましたよ)・・・そうですねぇ一番回数を聴いているといえばフィニアス・ニューボーンJr.の「HARLEM BLUES」かもしれない、なんてったって私の「目覚めの曲」ですから(笑)

でも、コルトレーンをどうしても聴きたい時や聴かなくちゃいけない時が私にはあるんです。
なんだかよく分かりませんよね、口では説明しにくいというか、文章にもおこせないというか、私にとって「ジョン・コルトレーンとは・・・・・・」てな単純かつ明瞭に語れる存在では無いのです。(ほぼ変態?)

過去二人ほどコルトレーンに嫉妬してくれる女性がいました。
べつに「私がコルトレーンを聴いて発情する」てな事はないのですが、あまりに自分の世界に入り込む姿に、嫉妬するか、変態と思うか、どちらかなんでしょうねぇ
いろんな女性が私の前から姿を消しましたけど、コルトレーンだけは近くにいてくれる・・・・・あれ?「それは、アンタ、おかしいだろう」(笑)

ともかく、命日を迎えるたびに、心からの感謝と敬意を持って祈るのであります。
「やっぱ、ド変態かなぁ?」

さて、今日の一枚は、もちろんコルトレーンです。
でもねぇ、もう何が紹介済みか分からないほど取り上げていますからねぇ・・・・あれ?ひょっとし、このアルバムは未紹介?

1965年のコルトレーンというと、いわゆる一つの分岐点に立っていたわけで、これ以降を俗に後期コルトレーンと呼ぶんでありましょうか?
そして、この後期コルトレーンを毛嫌いする皆様も非常に多いのであります。

話を戻しましょ、「私の頭の中が空っぽになる」この現象を生み出す神秘的作用は、全てが後期に集中しているとは申しませんが、多くがこの1965年以降のコルトレーンだったりもします?いや違うな、「空っぽにしないと聴けない」が正しいかもしれません。(だからしょっちゅう聴かないって話もありますけど。笑)
もちろん、エルビン、マッコイ、ギャリソンという、私にとっては「後にも先にもそれ以上はないメンバー」でのコルトレーンを第一とする根本に変わりは無いのですよ、無いのですが、マッコイが、エルビンが、コルトレーンのもとを離れようとした、あるいは離れた後にもまた、「彼の訴えかける叫びが我が心を揺さぶる」(ちょっち、カッコイイ言い方でしょ、笑)のであります。

以前お話ししましたが「『至上の愛』を収録した後、「今なら、もっと明確化出来るかもしれない」と実験的再録を行った(詳しくはこちらを)」てな想像を膨らませると、ある意味最先端にいたはずのコルトレーンが、じつはどうしても答えのでない超難問に苦しめられていて、「とにもかくにもあらゆる手段、方法をめいっぱい試すしかない」といった時点に1965年という年は立っていたのだろう・・・なんちゃってね。

そんな事を考えながら今日のこのアルバムを聴くと、3ヶ月前の「ASCENSION」とはもちろん、「SUN SHIP」とも「FIRST MEDITATIONS FOR QUARTET」とも、同メンバーの「OM」(二日後録音)とも、また何処か違う演奏のように感じてしまいます。

ともあれ、後期へと向かうコルトレーンを、なんやかや理屈立てて聴くのはいけませんやね、無になって無になって聴こうじゃござんせんか。

今回は、レコード未収録曲が入ったCDでの紹介です。
それにしても、「AFRO-BLUE」のあの後、あの後のテナーが聴いてみたかった。

LIVE IN SEATTLE / JOHN COLTRANE
1965年9月30日録音
JOHN COLTRANE(ss,ts) PHAROAH SANDERS(ts) McCOY TYNER(p) DONALD RAFAEL GARRETT(b-cl) JIMMY GARRISON(b) ELVIN JONES(ds)

DISK 1
1.COSMOS
2.OUT OF WORLD
3.BODY AND SOUL
4.TAPESTRY IN SOUND
DISK 2
1.EVOLUTION
2.AFRO-BLUE