ガリバー通信

「自然・いのち・元気」をモットーに「ガリバー」が綴る、出逢い・自然・子ども・音楽・旅・料理・野球・政治・京田辺など。

真剣だと知恵が出る。

2009年08月26日 | とんでもない!
 今年の夏は「冷夏」と言われていて、稲作をはじめとする農作物の「生り」がよくないらしい。

 そこで急遽、農林水産省をはじめとするお役所が「規格外商品」の排出を奨励しだし、スーパーや八百屋さんにも、曲がったキュウリや溝の入ったトマトなど、日頃は店頭に並ぶことなく処分されたり、家畜のえさとなっていた野菜たちを、商品として取引し、消費者に安価で提供するという試みをしだした。

 今までは、農協を中心とする農作物を集荷し、卸売業者たちや市場に納品する側が、消費者のニーズに合わせてという名目で「規格品」としての大きさ、長さ、重さ、色や形態を一定の枠内で決めているために「出荷できない」農作物がたくさんあったのである。

 私の町の特産のひとつに「茄子」があるのだが、もうずいぶん昔にはなったが、住宅街から少し緑の多い散策路や池や谷のある憩いの場所の道路の脇から少し入ったところに、大量の「大きな茄子」が捨てられていたことがあった。

 まだ十分食べられる鮮度もあり、軽トラック一杯分ぐらいあったので、全部ではないが遺棄されていたので、集めて持ってきて、子どもたちの「遊びや工作の材料」として活用したことがあったことを思い出した。

 ほんとうに「もったいない」ことで、大きさや形や色の違いや曲がりなどがあっても、ほとんど味や食材としての栄養分などに変わりはないのに、商品価値がないとの理由で破棄されていた農産物が、今まではどんなに多かったことだろうか。

 消費者の多くは決して「形や大きさ、曲がり」などの有り無しで選択しているとは思わないのだが、いつのまにか生産者を取り巻く商売人である卸業者や仲買人が「品定め」することで、一定の規格標準を決めてしまっていたのである。

 それは、特に生産地から遠隔地の消費地までの流通にリスクが少なくするために、規定のケースや箱を用意して、そこに収納できる大きさや形を「良し」とするといった、いつのまにか『工場生産物』と同様の規格が出来上がっていたのである。

 春、夏、秋、冬と、日本の四季に応じた「旬」の時期に大量の消費や売り上げを期待して、まだ成熟していない内の農産物を収穫して、流通のために必要な日時の間に「食べごろ」の時期を迎えるようにと計算された出荷も多くなっているようである。

 いずれにせよ、天候異変や収穫不足を補うための「知恵」としての「規格外農産物」の出荷に終わらせないで、今後の食糧問題としての「国内自給率の向上」や「もったいない」精神を活かすためにも、農産物の不ぞろいや形の違ったものなど、規格外商品としてではなく、自然な農産物の「生り物」を買って食する習慣をできるだけ心がけて、消費者が選ぶ自由と少しでも、安全性を優先した「農作物」の流通を目指してほしいものである。

 「真剣だと知恵が出る。中途半端だと愚痴が出る。いい加減だと言い訳ばかり。」という、名ことわざを胸に、経済危機も食糧危機も乗り越えようではありませんか。
コメント (1)
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