ガリバー通信

「自然・いのち・元気」をモットーに「ガリバー」が綴る、出逢い・自然・子ども・音楽・旅・料理・野球・政治・京田辺など。

何故か「一口」

2009年08月27日 | 感じたこと
 全国各地に珍しい地名や難解な地名が日本には存在している。

 私の現在住まう京都南部周辺にも、たくさんの難解な地名や関西人なら読めるが、関東地方やその他の地方の人には読めない、または難読の地名が多い。

 大阪府枚方市は、全国ニュースでもアナウンサーが時折「まいかた」などと読んでしまう地名の代表的なものだが、私自身は大阪出身なので、同じJR片町線、現在は学研都市線とよばれる沿線に「放出」という駅があり、これも「はなてん」とは読みがたい地名で、駅前にあるパチンコ屋は、「放出会館」、まるで出玉のいいパチンコ屋のイメージである。

 他にも「交野」を「かたの」と呼ぶし、「私市」を「きさいち」と読ますなど、他の地方から来られた方には、難読というより覚えるしかない独特の地名である。

 そんな中で、多くの人がビックリするのが「一口」と記されている地名であり、どう転んでも「いもあらい」とは読めないものである。

 東京で活躍するメタボの芸人さんの中でも、特別変わった芸名の「芋洗係長」などという太っちょでメガネをかけて蝶ネクタイの踊りの上手なおじさんがいるが、この「芋洗い」は、たぶん「芋洗い坂」から来ているのだろうと思われるが、京都府久御山町の「いもあらい」の所以は何だろうか。

 昔、この地域には京都で一番大きな淡水池である「巨椋池」という池があって、全体的に湿地帯だったといわれている。

 その湿地帯のはずれで、現在の宇治川に面した集落が「東一口」、すなわち「ひがしいもあらい」と言われる地域であり、ここが唯一の水のはけ口、「一口」だったのだろうと思われる。

 昔、この地域に疫病が流行って、それを洗い流すためにも、この一口を利用して、撲滅したとの言い伝えもあるみたいだが、私の推測では「醤油や調味料」を小さな出口のついた小皿に入れて注ぐ様に似た「いもを洗うやり方」が存在していて、そのような形態の地域だったために「いもあらい」という地名になったのではないかと思っている。

大阪府には、他にも「吹田」(すいた)や和泉(いずみ)などの関西の人でないと読めない地名がたくさんあるが、京都の南部には実はもっと読めない地名があった。

 その名は「祝園」なのだが、これは「ほうぞの」と読むが、実はその所以はアイヌ語であり、古代に木津川のこの辺りは「人を葬るところ」だったそうで、葬儀場のことをアイヌ語では「ほうその」と称し、縁起のいい名ではないので、当て字として「祝う園」をあてて、「祝園」としたそうなのである。

 現在は、京都府精華町祝園として、京都府南部の唯一の自衛隊の「弾薬庫」がある地域であり、京田辺市にもまたがる「祝園弾薬庫」は、精華町と京田辺市に国からの特別助成金が交付されている地域で、「祝いの園」となっている。

 

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