ガリバー通信

「自然・いのち・元気」をモットーに「ガリバー」が綴る、出逢い・自然・子ども・音楽・旅・料理・野球・政治・京田辺など。

黒部ダム!!

2009年08月21日 | ガリバー旅行記
 雨と風が激しく降り注ぐ中、長野県大町市側の扇沢から、関西電力のトロリーバスに乗って、黒部第四発電所に向かった。

十数年前からチャンスがあれば一度は実際に見てみたいと思ってた、関西電力最大の黒部峡谷の黒四ダムに今朝初めて行くことが出来たのである。

何故行きたかったかというと、ひとつは我々の関西地方の電力を全て担っている関西電力最大の水力発電所であり、あの「黒部の太陽」など映画作品としても紹介された「世紀の大工事」の末、多くの犠牲者を出した現場だったからである。

 その上に、全く私的なことなのだが、私の40年前に亡くなった父が、若き時代に登ったという、この「黒部峡谷」から見上げると凛々しく男らしく聳え立っている「立山」の姿を見上げてみたかったからである。

 父が私が幼い頃も山が好きで、いろんな登山した話を聞かせてくれたのだが、ある年の冬に「立山」に職場の仲間と共に登山したらしいのだが、北側の傾斜面で滑落し、なんと200m以上滑り落ち、転落死していたかもしれないところが、先を行っていた先輩の「三浦さん」という方が、持参していた「ステッキ」、つまり木製の杖を雪上に突き刺してくれて、滑落がとまって、膝の傷だけで命に別状なく生還できたのだと言うことであった。

 それ以来、私の大阪の実家にあった大きな「雪の立山」の雪渓の写真がいやに気になっていたのだが、親父の死後、心の中では「いつか行ってみたい」と思っていただけで、富山、長野両県に行くことがあっても、黒部峡谷や立山に足を向けるチャンスはなかった。

 今夏の思いつきで、見つけた「バス旅行」に、黒部ダムへ行く信州の旅があったので、妻を誘って行くことにしたのであった。

 あいにくの風雨激しい中、扇沢を出たトロリーバスは順調に黒四ダムの停留所まで運んでくれたが、展望台やアーチ型のダム上の観光道路を歩く頃には、激しさを増していて、帽子も飛びそうだし傘も差してはおれない状態の中、辛うじて「観光放水」を続ける巨大な「黒四ダム」を見学し、頂上は雲に隠れた「奥立山」を見ることができたのである。

 いたるところに、「黒四ダム」の出来るまでの関西電力関係者の努力と、延べ1000万人もの労働者、作業員の必死の努力の甲斐あって、七年余の難工事が完成し、昭和38年に初めての発電を開始したという「黒四の歴史」を学び、200人近い作業員が殉職したという、恐ろしく危険な工事の過程も紹介されていた。

 あの有名な『黒部の太陽』として完成した石原裕次郎主演の「黒四ダム建設」のドラマは、実際の工事から50年近く経った今も、綿々と歴史と男たちの戦いを物語っていて、リニューアルされたドラマも放映されて、再び注目を集めたみたいであった。

 こんな険しい黒部の渓谷に巨大なダム建設を計画した「夢とロマン」は、現実的には死闘の難工事となったのだが、現在の我々の生活を支える大きな基礎ともなっていることを改めて知った。
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