横浜市が待機児童ゼロを達成したというニュースは大きく報道され、他の自治体も見習うべきとの報道が方々でなされている。しかし巨額に税金を使い保育所を乱立させれば収容人数も増えるので決して驚くべきことではない。それに、そもそも女性が子供を保育所に預けてまで働くことが妥当といえるのか。「女は家庭」という考え方も復活している昨今、家庭のあり方そのものを今一度見直す必要があるのではないか。
横浜市は、待機児童対策費を21年度の約72億円から24年度は約157億円に増額した。それが待機児童ゼロにつながった理由だが、こうした巨額な予算の割り当てがそもそも妥当といえるのか。税金というのは国民全体に恩恵を与える使われ方でなければならないはず。待機児童だけに重点を置き、老人介護に対する支援を疎かにする、更に非正規雇用などで生活苦の男性達に対する支援などは全くない。しかしこうした人達も納税の義務だけはついて回る。明らかに待機児童だけを優遇しているのではないか。
そもそも、待機児童がどんな形で発生しているのか、それは個々の事例を精査しないとわからないが、例えば生活には困らないが仕事を続けたいからという女性のためにその子供が待機児童になるというなら、それは単なる贅沢である。それよりももっと恵まれない人は沢山いる。税金の使い方として明らかに不適切である。
それに費用対効果も疑問だ。今回の横浜市の例では3年前に待機児童が全国ワーストの1552人だったという。当時の待機児童対策費は約72億円、そしてゼロになった24年度は約157億円、つまり差し引き85億円が1552人の待機児童のために使われたという計算になる。児童1人当たりにすると約550万である。だとしたらそのお金を各家庭に配付して独自で解決してもらった方が手っ取り早いではないか。しかも待機児童の母親達は550万も納税してるとでも言うのか。それこそ年収数千万級に稼がなければそれだけの納税は出来ないはずだ。結局、女性が働けば税金が増えるだけだ。
待機児童に対する税金の使い方はフェミニズムに最も都合のいい仕組みだ。保育所を増設すればそこで働く保育士の確保も必要になる。保育士は女の聖域のようなものだから、女性の雇用増加にもつながる。しかも安定した公務員という立場での雇用になる。従って待機児童は常に不足しているという口実をフェミニズムは維持したいのだ。従って一度ゼロになってしまうと本音では困った状態となる。だから今度は勘定に入らない潜在的な待機児童が存在するなどとして、依然として保育所は不足していると連中は言い続けたいのだ。更に保育所の建設はゼネコンなど公共事業頼みの業界にも恩恵を与える。従って従来の既得権益層からも文句が出ない。言うなれば都合のいい箱物作りの口実に出来るのだ。
一方、昨年末に内閣府が発表した「男女共同参画社会に関する世論調査」では「夫は外で働き、妻は家庭を守るべきだ」との考えに賛成する人が前回調査より増加に転じている。これは明らかに女性の就労を優先させて子供を保育所に預けるというフェミニズム政策を国民が支持していないことの証である。こうした事実を無視して待機児童だけに力を入れるのは明らかに国民に対する背信行為である。
しかもこの内閣府の調査も、設問の出し方などは「男は仕事、女は家庭」の回答よりも「女が働く」に賛同する回答が多くなるように巧みに工夫しているはずだ。最も判り易い点としては、「妻は家庭を守る『べき』だ」と「べき」という言葉を加えて語調を強烈にして、回答者の拒否反応を狙っていることだ。もしこれが「妻は家庭を守るのが好ましい」といった穏やかな語調であれば賛同者はもっと増えている可能性がある。更にこの調査は面接方式で行われたというのだから、調査にあたって担当者が冒頭で「女性の社会進出が進み男女平等が徐々に実現されつつありますがまだまだ不十分な点があります・・・」などと説明しようものなら、その時点で既に「男は仕事、女は家庭」の回答は心理的に選びにくくなってしまう。実際の調査の様子を見ているわけではないので断言は出来ないが、男女共同参画がフェミニズムの独断で行われていることを考えれば、あらゆる手段で国民がフェミに賛同する回答を出すように巧みに仕掛けているのは容易に想像できる。更に数字の操作などが行われている可能性も十分ある。
国民を無視したフェミニズムの政治が行き詰まりを見せているにもかかわらず、平然と行われそれが報道でも賛美される状況、これが果たして正義といえるのだろうか。
・【主張】待機児童ゼロ 横浜方式に学び知恵絞れ 2013/05/22 03:04
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/656363/
まさに「なせば成る」である。横浜市が、3年前には全国ワーストの1552人もいた待機児童をゼロ(今年4月1日時点)にした。
林文子市長の大号令の下、国の支援を効果的に活用するだけでなく、民間参入促進や市独自の認可外保育施設の整備など先駆的手法を推し進めたことが奏功した。
女性の活用は成長戦略の大きな柱であり、待機児童解消は国家の急務だ。安倍晋三首相は目標を2年前倒しして平成29年度までに待機児童をゼロにする方針を明言している。各自治体も「横浜方式」を参考にして、地域の実情に応じた知恵を絞ってもらいたい。
注目したいのは、市民の声を丁寧に拾い上げたことだ。担当職員が自らの足で情報収集して、ニーズに先回りして整備計画を進めた。区役所ごとに専門相談員「保育コンシェルジュ」を配置し、保護者の要望に応じた施設の紹介もした。企業経営に携わってきた林市長の経験がうまく生かされた形だ。少子高齢時代の自治体運営の大きなヒントになろう。
だが、「横浜方式」は成功モデルの一つであって、「切り札」ではない。安倍首相は全国に広げる意向だが、財政規模の大きな横浜市だからこそ可能であった。各自治体が単純にまねても、うまくいかないだろう。
横浜市は、待機児童対策費を、21年度の約72億円から24年度は約157億円に増額したが、こうした予算の重点配分は、財源と首長の強いリーダーシップがあってこそできることだ。
課題も多い。施設数は増えたが、すべてが希望通り入所できたわけではない。最初から申請を諦めた場合などは待機児童とカウントされず、認可保育所への入所待ちも相当数いるとみられる。
施設が増えれば潜在需要も掘り起こされるが、施設整備をさらに進めれば維持費もかさむ。保育士も不足している。質の低下を招いたのでは本末転倒となる。
民間参入は保育産業の活性化にもなるが、撤退時のルール作りや営利優先が行き過ぎないよう歯止めも必要だ。コンシェルジュも、紹介できる施設が十分にあればこそ成り立つことだ。
待機児童は大都市部共通の課題である。各自治体は「横浜方式」に学びながら、独自の解決策を見いだすことが求められる。
・「妻は家庭守って」51% 初めて上昇、震災影響か 内閣府調査 2012/12/15 21:39
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG1502G_V11C12A2CR8000/
内閣府が15日発表した「男女共同参画社会に関する世論調査」で「夫は外で働き、妻は家庭を守るべきだ」との考えに賛成する人が51.6%と2009年の前回調査から10.3ポイント増えたことが分かった。1992年の調査で60.1%を記録して以来、毎回減少していたが、初めて増加に転じた。
内閣府の担当者は「東日本大震災後の家族の絆をより重視する傾向の表れとみられる」と分析している。
反対は前回比10.0ポイント減の45.1%。賛成を性別で見ると、女性は48.4%(前回比11.1ポイント増)、男性は55.1%(9.2ポイント増)だった。賛成は各年代でいずれも前回より増加しており、中でも20代は19.3ポイントの大幅増となっている。
社会全体の平等感については「男性が優遇されている」が前回からやや減少して69.8%。「平等」は24.6%でわずかに増え、「女性が優遇されている」は3.8%と横ばいだった。
女性が増えた方がよい職業を聞いた質問(複数回答)では「国会議員、都道府県議、市区町村議」が54.5%で前回に続いてトップ。「企業の管理職」(46.0%)、「都道府県、市区町村の首長」(42.4%)が続いた。
調査は10月に全国の成人5千人を対象に面接で実施。回収率は60.7%。〔共同〕