Shibuya CLUB QUATTRO 25th Anniversary "QUATTRO QUARTER"
~All Through The City~
浅井健一 & Bad Teacher Kill Club × ドレスコーズ
月曜日に続きQUATTRO QUARTER。毛皮のマリーズの志磨遼平が昨年結成したドレスコーズと我らがベンジー率いる悪徳教師殺し隊という一回り以上歳の離れた新旧ロケンローラーの邂逅。25年の歴史を象徴するように世代の異なるアーティストの対バンが多いシリーズイベントの中でも最も歳の差が大きいペアだが、今まで対バンしていないのが不思議でもあり興味を惹かれる組み合わせである。
●ドレスコーズ
毛皮のマリーズが突然大ブレイクしたので、ハイプ的なイメージがあるかもしれないが、志磨はブレイクまで7年間地下カルト活動を過ごした筋の通ったロック野郎である。バンド名を寺山修司の戯曲からとっただけあり、漫画・文学に精通するサブカル・アイコンでもある。2011年大晦日、人気絶頂の時にマリーズはあっさり解散。翌日2012年1月1日にUFO CLUBに出現したのがドレスコーズだった。人心を攪乱する示威行動ともいえるが、そのまま生き急ぐようにメジャー・デビュー。フリーキーなギターロックにスリージーなヴォーカルが暴れるスタイルは、ローリング・ストーンズやストゥージズへの憧れの具現化と言える。特に、破天荒な言論とステージングで「伝説」「まぼろし」の形容詞で語られる村八分のチャー坊への敬意が伺える志磨の歌と歯に衣着せぬMCは、ステージ前に詰めかけた若いファンにとっては生きるカリスマと言えるだろう。本能のままに生きたチャー坊に比べたら可哀想だが、30そこそこでこれだけのオーラを持つロック・アーティストはあまりいない。今更地下生活には戻るのは難しいだろうが、逆にメジャー・シーンにアングラ旋風を吹かせてほしい。
●浅井健一&Bad Teacher Kill Club
タンバリン好き、イチゴ好き、カレー好きなベンジーが何より好きなものはロケンローであり、ライヴパフォーマンスであることは間違いない。20数年にわたりロックの最前線で活動してきて、その間に様々なバンド、ユニットを組みローリングしてきたベンジーのスタイルはデビュー当時からほとんど変わっていない。20年前の曲を今ステージで歌っても全く違和感がないどころか、星霜を重ねるにつれ魅力が増している。この日は「赤いタンバリン」「ガソリンの揺れ方」「Sweet Days」といったブランキーのレパートリーが披露され、そのたびに満員のオーディエンスの怒号に似た歓声が沸きあがる。渋谷AXでのPOCKY IN THE LEATHERBOOTSツアー・ファイナルを収録したDVD『FRIED RICE』がリリースされた直後のライヴ。ドレスコーズの時は腕組して品定めしていた大勢の観客の激しい盛り上がりと随所で泣かせるベンジーの歌のマジックを身体の芯で受け止めた。
クアトロの
ロケンローは
ハンパない
オープン当時から不評だったフロア左の柱は今ではクアトロ名物になってしまった。