A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

Theピーズ/MO'SOME TONEBENDER@渋谷CLUB QUATTRO 2013.7.15(mon)

2013年07月17日 00時25分51秒 | ロッケンロール万歳!


Shibuya CLUB QUATTRO 25th Anniversary "QUATTRO QUARTER"
~モーレツロックンロール教室~
MO'SOME TONEBENDER × Theピーズ


2013年6月28日、渋谷クラブクアトロが25周年を迎えました。
クアトロが始まった当時の“新しい街の空気を作りたい”という初心に立ち返るとともに、新たに街の音楽を刻むべく、
25周年スペシャルイベント“QUATTRO QUARTER”開催中です!



クラブクアトロが新しく出来た渋谷PARCO Part4の最上階にオープンしたのは1988年6月だという。その前に川崎クラブチッタがオープンし、当時のバンド・ブームを反映した初のオールスタンディングの大型ライヴハウスとして注目を集めていた。個人的な印象なので異論のある方もいるとは思うが、クラブチッタのイメージはビートパンクやヘビメタ、クラブクアトロはオサレなクラブ系ジャズやワールドミュージック。最初に観たのはチッタはアウトレイジかドッグス・ダムール、クアトロはスウィングアウト・シスターのようなUKソウルだった気がする。25年の間にそれぞれのイメージは変わったが、どちらも現役バリバリのライヴハウスとして日本のポップ音楽をリードしているのが素晴らしい。

最近耳にした中堅ライヴハウスの店長の話が興味深かった。今の音楽産業について巷でよく言われるのは、"CDは売れなくなったが、それは音楽ファンが減ったわけではなく、若者がモノではなく生の体験を求めるようになったから。その証拠に夏フェスをはじめライヴシーンは大盛況"、ということ。しかし実際のライヴハウス・シーンはメチャクチャ厳しいと言う。20年前バンドブームによりバンド人口が急増した頃は、ライヴハウスの数は今程多くなかった。ライヴハウス側が音楽性や人気などバンドの力量を判断しチョイスすることが出来た。出演者に動員力を求める一方で、ライヴハウスは選んだバンドを応援するというギヴ&テイクの関係があった。しかし現在、ライヴハウスの数は倍以上に増えたが、バンドの数は増えていない。今はバンド側が出演するライヴハウスを選ぶ、いわば売り手市場だと言う。となるとどうなるか。音響や環境が同レベルなら、金銭的に有利なライヴハウスを選ぶのが当然。チケットノルマのないライヴハウスに流れる。また、例えノルマを設定しても、バンドはノルマ分のお金さえ払えば出られるんだろうと言って動員の努力をしない。4~5バンドの対バン・イベントでも動員が出演者の人数より少ないという例も多い。バンドに努力を促すと「こっちは金払ってるお客だぞ」と逆ギレされることさえあるという。アイドルイベントは動員が見込めるが、アイドル自身がライブハウスを設立したり、CDショップや商業施設のイベント会場が充実したこともあり、ブッキングは難しい。ライヴハウスの儲け口は、サークル発表会や二次会などのホールレンタルしかない、と言う。

果たしてコレが真実なのか誇張なのか分からないが、夏フェスや人気バンドの現場は活況を呈している一方で、キャパの小さい街中のライヴハウスの動員が厳しいことは、経験上確かである。それをすべて出演バンドのせいにするのはお門違いだろうが、バンドと会場を巡る環境が大きく様変わりしたのは間違いない。クラブクアトロがそんな過酷なライヴハウス戦国時代を生き抜き25周年を迎えたことはたいへん目出たいし、25周年スペシャルイベントのラインナップを見れば、如何に多くのアーティストに愛されているかがよく分かる。他の日が殆ど英語なのに対し「モーレツロックンロール教室」とベタなタイトルがついているのは、結成26周年と16周年のくせ者2者のキャラに起因するのか?

●MO'SOME TONEBENDER


何故か季節の変わり目に観たくなる、四季折々のロケンローバンド、モーサム・トーンベンダーはヴォーカルの百々の活発なソロ活動に比べ、バンドとしては余り大きな話題がない。アルバムは1年間リリースしていないしツアーもない。だが夏フェスやイベントでは引っ張りだこだし、この日のフロアの激し過ぎるモッシュを観るにつけ、バンドシーン全体がイマイチ元気がない現在こそ、アッパーでハチャメチャなモーサム・パワーが必要とされていることを実感する。テン世代のロッキンルーラをヨロシク!




●Theピーズ


モーサムより10年先輩の年男バンド、Theピーズ。「モーサムはあっという間に終わっちゃったけど、オレ等はのんびりゆっくりやるわ」と語った通り、マイペースのステージ。がんがんタテノリだったモーサムに比べるとBPMはずっと低いが、おっさんロッカーが陥りがちなレイドバックの欠片もないロケンローはまさに永遠のバカロック。デビュー当時と変わらず滑舌の悪いはるのダルな歌には中年の哀愁があるが、歌詞は25年前のもの。彼らの歌は世代を超えたエバーグリーンなのである。後半に行くに連れてじわじわ激しさが増していくのが年輪の技。バカロック精神を貫くアラフィフロッカーに惚れ直した。



5かける5
四半世紀で
25歳

会場を埋めたオーディエンスの大半は半分以下の年齢と見受けられた。
コメント
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