A Challenge To Fate

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バイクの日記念:私の愛するバイカージャケ〜アリス・スチュアート/チープ・トリック/フラワー・トラヴェリン・バンド/ザ・フー

2017年08月20日 09時43分16秒 | 音楽ちょっといい話


8月19日はバイクの日 | 日本二輪車普及安全協会

1989年、政府総務庁(現在、内閣府)交通安全対策本部は交通事故撲滅を目的に、8月19日をバイクの日に制定しました。
全国自治体の交通安全対策室や地元警察は、この8月19日を中心に、二輪車の安全運転講習会等を展開しています。
さらに、二輪車の楽しさ、利便性、有用性などバイクライフの素晴らしさを、より多くの皆様にご理解していただくために、毎年7~9月の3ヶ月間をバイク月間として、 2000年7月にスタートしました。以来、全国各地で数多くの活動を展開しています。


筆者の少年時代「仮面ライダー」や「超人バロムワン」などヒーローは必ず改造バイクに乗って颯爽と現れ、悪の怪人を倒すとバイクに股がって何処かへ去って行った。そんな刷り込みは自動二輪業界の策略だったのかもしれない。免許が取れる高校生になったら、子供の頃憧れたヒーローになりたくて男子の大半がバイクを購入するだろうと目論んだのだろう。しかしながら、その目論みは成功したとは思えない。なぜなら僕等が十代半ばに差し掛かる頃、バイクと言えば悪名を馳せていた暴走族のイメージだったから。60年代にエレキや長髪=不良と決めつけられた大人の掟とは異なり、バイク=暴走族は大人だけでなく少年少女にとっても怖かった。

青春映画『実録・暴走族 ブラックエンペラー』予告 岡崎 礼 オールインエンタテインメント


勿論仮面ライダーの影響からバイク経由で暴走族に憧れる不良予備軍もいただろうが、平均的な少年少女にとっては反抗といってもせいぜい校内暴力の真似かパンクバンドをやるかが関の山で(筆者は後者)、「族(ゾク)」と関わりを持つものは少なくとも筆者の回りにはいなかった。かと言ってバイクに乗る友人がいなかった訳ではないが。何が言いたいかというと、半世紀強生きてきた中でバイクとの関係は筆者にはまったくと言っていいほどないという事実を主張したかったのである。つまり「バイクの日なんかどうでもいい」というのが筆者の本音なのである。.......とはいうもののバイクとロックの関係は仮面ライダーよりも長くて深い。リスペクトを籠めて筆者の愛するバイカージャケを紹介しよう。

●アリス・スチュアート Alice Stuart


「バイクの日」聴いて真っ先に思い出すのがアメリカの女性シンガー、アリス・スチュアートのジャケット。映画『イージー・ライダー』を思わせるモンキーハンドルのバイクに跨がったブラックレザーのカーリーヘアにどんな激しいハードロックが飛出すのか、と身構えたらカントリータッチのフォークロックで拍子抜け。でもクリスタルクリアなフィメールボイスは大好物。ポストサイケデリックのレイドバック路線としては筆者的に珠玉の1枚。
アリスは1942年ワシントン州チェラン生まれのブルース/カントリー・シンガーソングライター。5歳でピアノ、18歳でギター、バンジョー、ドラムなどを習得。バークレーに移り1964年にデビューアルバム『All The Good Times』をリリース。その頃フランク・ザッパと出会い、最初期のマザーズ・オブ・インヴェンションのメンバーになるが、『ルイ・ルイ』を歌えない、という理由で脱退。70年にファンタジー・レコードと契約し『Full Time Woman』(70)、『Believing』(72)をリリース。後者はAlice Stuart And Snake名義。ヴァン・モリソンやジェリー・ガルシア、ジョーン・バエズなどと共演する。70年代後半にシーンから姿を消すが、96年に復帰し、シアトルをベースにカントリー・ブルース歌手として70歳を過ぎた現在も活動している。

Alice Stuart and Snake - Full Concert - 02/02/74 - Winterland (OFFICIAL)




●フラワー・トラヴェリン・バンド Flower Travellin' Band


アリス・スチュアートと同じ頃に日本でも『イージー・ライダー』の影響でバイカージャケが登場した。内田裕也のプロデュースで70年にリリースされたフラワー・トラヴェリン・バンドのデビューアルバム『Anywhere』は全裸でバイクを飛ばすメンバーの勇姿が印象的。前身グループの内田裕也とザ・フラワーズのアルバム『Challenge!』も全裸ジャケだったので、内田のヒッピーのユートピア思想への憧れも大きい。イントロとアウトロ以外は洋楽ナンバーのカヴァーだが侮るなかれ。コピーではなく彼ら独自のアレンジが溢れていて、単なる洋楽の猿真似ではなく、自分自身のロックを作ろうとする気概に溢れている。特に石間秀樹のギターは、同時代の英米のギタリストに勝るオリジナリティを発揮している。当時の日本のロックの「英語」対「日本語」論争は、今は「コピー」対「オリジナル」と解釈されがちだが、FTBのサウンドを聴けば、「英語」派のほうが当時は断然オリジナリティを持っていたことは明らかだ。歴史の再認識が必要だろう。

The Flower Travellin' Band - Anywhere (Full Album) (1970)



●チープ・トリック Cheap Trick


77年にデビューするもアメリカでは成功せず日本で大ヒット、78年の日本公演を収めた『チープ・トリックat武道館』がアメリカに逆輸入され全米ヒットに繋がったという「Big in Japan」を象徴するバンド。日本ではアイドル的な人気を誇り、辛口のロックファンからはミーハーバンドの烙印を押されたことも確か。高校生の時、雑誌『ZOO』のメンバー募集で知り合ったベースの女の子(ちょっとムードのあるパンク少女)に「リチャード・ヘルに似てる」と言われて有頂天になったが、彼女がロビン・ザンダー(チープ・トリックのVo.)好きと知って「パンクパンクと言っても女はミーハーでしょうがないな」と思った。その娘とは数回会って一緒にライヴにも行ったが、バンドもロマンスもないまま終わった。ちょっと後悔。それは兎も角、チープ・トリックは今ではパワーポップの代表バンドとして正当な評価を得ている。バイカージャケは77年の2ndアルバム『蒼ざめたハイウェイ In Color』。

Cheap Trick - I Want You to Want Me




●ザ・フー The Who 


パンク以降のポストパンク時代の79年に『さらば青春の光』が公開されネオ・モッズ・ブームが起きた。日本では80年に公開され『ZOO』や『Player』誌の記事で憧れて、何故か八王子の映画館まで観に行った。情緒不安定な主人公ジミーに自分を重ね合わせ、曾てないシンパシーを得ると同時に、モッズコートとスクーターに憧れた。ベスパに乗りたいと思ったが当時で数十万円の価格は高校生じゃなくても高嶺の花だった。父親のカーキ色の釣り用アノラックをモッズコートに見立て、ちょっと身体を後ろに反らし気味に自転車通学するのが関の山だった。当時4000円の大枚をはたいて購入した『四重人格 Quadrophenia』(74)は今も筆者のザ・フー最愛聴盤のひとつである。

The Real Me (Quadrophenia: The Movie)


バイカーに
バイバイジョニー
バイアグラ



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