A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

【新旧ジャケット比較】灰野敬二『わたしだけ?』世界初アナログ再発決定!6月16日リリース

2017年05月14日 02時47分17秒 | 灰野敬二さんのこと


灰野敬二『わたしだけ?』
Keiji Haino – Watashi Dake?

Black Editions, BE-000
LP with Digital Download
2017年6月16日リリース
予約受付中

灰野敬二の伝説的デビュー・アルバムが、当時本人が意図したゴールド&シルヴァーのスペシャル・エディションで、1981年のリリース以来初めてアナログ盤で再発される。

過去50年にわたり、灰野敬二の作品と同じくらい記念碑的で妥協のない作品を作ってきたミュージシャンやパフォーマーはほとんどいない。膨大な数の録音や演奏を通して、灰野は自分自身の分野を主張し、シンプルな分類に反する比類なき強さの言葉を産み出した。このため1981年のデビュー・アルバム「わたしだけ?」は謎に包まれたままだった。伝説的な自主レーベル、ピナコテカから少数限定プレスでリリースされたこのアルバムは、日本でもほんのわずかの人にしか聴かれず、海外ではほとんど聴かれなかった。オリジナルのLPは非常にレアで、世界中で非常に探し求められていた。

『わたしだけ?』は忘れられないヴィジョンを示しているーー見事なボーカル、囁きと叫び、暗い沈黙。 複雑で鋭いギター・サウンドが絡み合い、繰り返し、伸び、恍惚のように暗い秘密の場所から浮かび上がる。その場で書かれ作曲された灰野さんのビジョンは、1920年代のブルースや中世の音楽を彼方から召喚する深遠な精神的な深みにある。黒一色のミニマルなパッケージに伝説の写真家佐藤ジンが撮影した象徴的なカヴァー写真を掲載したこのアルバムは、驚くべき芸術性の宣言である。

灰野敬二と佐藤ジンと緊密に協力して製作されたこの地下音楽の傑作を、ブラック・ エディションズは誇りを持って第一弾のリリースとする。初のアナログ盤でのリイシューであり、 当時灰野と佐藤が意図した金と銀のアートワークでの初めてのリリースでもある。アラン・カミングスによる歌詞とタイトルの英訳も掲載。アルバムには、ボーナス・トラックとして当時の長時間のライヴ演奏のデジタルダウンロードが封入されている。

このスペシャル・エディションは、Elysian Masters社のデイヴ・クーリーが細心の注意を払い丁寧にリマスタリングし、Bernie Grundman Mastering社のクリス・ベルマンがカッティングを担当した。Record Technology Inc. (RTI)社で高品質LPでプレスされ、マット加工の金と銀カヴァーと黒い紙のインサートを備えたStoughton社の特殊印刷厚紙ジャケットに収められている。

Black Editions公式サイト 

36年
時を刻んだ
写真と音楽

スペシャル・エディションのジャケットは佐藤ジンの手元で36年保管され、経年のため酸化し皹割れたゴールド&シルヴァー原版を使ったという。つまり単なる当時のアイデアの再現ではなく、正真正銘のオリジナル仕様なのである。写真は皹割れ埃がついたが、収録された音楽はどうだろう。年月が音楽の聴こえ方を変えたかどうか自分の耳で確認したい。

Original


Special Edition
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5 コメント

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とうとう! ()
2017-05-14 10:25:07
PSF RECORDS再発始まりましたね。
ここまで気合い入っているとは思いませんでした。

日本ではどこで手に入るのでしょう、気になります。
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It's Only Rock'n Roll (haragaki)
2018-10-28 21:28:58
私が人生の折々に読み返す書物のひとつに、片岡義男氏の『エルヴィスから始まった』というものがあり、そのなかに、

「45回転レコードとなったロックンロールは、アーティストがマイクの前でうたっている生の現場に比較すると、まぎれもなく複製品だった。しかし、聞く人にとっては、レコードという物体はすこしも問題ではなく、そこにきざみこまれている音、つまり、聞いた人がその音をどう受けとめたかが、唯一の最重要事だった。すぐれたロックンロールをレコードで耳にした瞬間の衝撃は、確実にオリジナルだった。(中略)・・レコードは「物」であるという考え方はできなくなり、音波としてのロックンロールは、心で知覚したとたんに、肉体と精神の両方にまたがる全体験となり、ときとしてそれは宗教的な天啓にまでたかめられた」

という一節があるのですが、おそらく、フレッド・フリスの手に渡ったピナコテカ盤の『わたしだけ?』がNYのインプロヴァイザーたちに与えたショックはこのようなものだったはずであり、さらにいえば、灰野さん自身が初めて「When the Music's Over」を聴いたときに抱いた感覚も、このようなものだったと思います。
そして、この一節を含む章における片岡氏の筆は、

「レコードがオリジナルだから、歌手が生ま身であらわれる公演は、逆に複製だった。レコードは電気的な助けをかりてつくられるが、公演ではそれがない。聞く人それぞれがレコードによってつくりあげたその音のイメージに勝つためには、歌手は、エルヴィス・プレスリーやリトル・リチャードのような、すさまじいステージ・プレゼンスを持っていなければならなかった」

と続くのですが、21世紀のいま、この「エルヴィス・プレスリーやリトル・リチャードのような、すさまじいステージ・プレゼンス」を表現できるミュージシャンは、世界で灰野敬二ただひとりと断言できます。
このきわめて示唆に富んだ書物の一章を、片岡氏はこう締め括っています。

「すぐれたロックンロールは、ビートによって切迫感をあたえられた日常生活のリアリズムが、聞き手の心にトータルな衝撃をあたえる音楽だった。心のなかにつくりあげられるその衝撃は、聞き手の全存在にかかわりを持ってくるだけに、スピリチュアルな体験であると同時に、日常的でリアルだった。ロックは、基本的には、現実との対決だった。たとえば、夕食後の一時間をロックを聞いてすごすというような、そんな部分的なつまらないことではなかった。ロックは、生き方だった」(「ロックンロールは<生き方>だ」)

さて、私が今週最も感銘を受けたツイートは、マヒトゥ・ザ・ピーポー氏のこのツイートでした。

https://twitter.com/gezan_official/status/1055388008378130433

謹んで、阿木譲氏のご冥福をお祈りいたします。
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haragaki様 ()
2018-11-03 11:30:09
片岡義男氏の『エルヴィスから始まった』!!!

この本、いま探しているんですよ!

もう絶版なんですかね。。。。

返信する
Elvis Is Back (haragaki)
2018-11-03 20:25:55
辺さん、お久しぶりです!
僕が持ってるのは94年のちくま文庫版ですが、amazonなどを見るかぎりでは中古しか扱ってないので、どうやら絶版のようですね。それにしても文庫が2000円は高いなあ・・。

この書物は71年に『ぼくはプレスリーが大好き』というタイトルで三一書房から、その文庫版が74年に角川書店から、91年に『音楽風景』というタイトルでシンコー・ミュージックからそれぞれ刊行されており、

https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/e302281316

https://www.amazon.co.jp/gp/offer-listing/4401613457/ref=tmm_hrd_used_olp_sr?ie=UTF8&condition=used&qid=&sr=

文庫を2000円とか9000円で買うくらいなら、こちらのオリジナル版を購入してしまったほうがよいかもしれません。

まだインターネットなど存在してなかった90年代初頭、エルヴィスに生まれてまもなく死んだ双子の兄がいたことや、エルヴィスとリーバー=ストーラーの運命を決定的に変えた「ハウンド・ドッグ」がビッグ・ママ・ソーントンのカヴァーであることなど、すべてこの本から学びました。
<自称ロック好き>を名乗る人間でこれを読んでない輩はすべてモグリであり、<必読>というより<未読の者は論外>の書物です。これを読んだおかげで、あれほど好きだったハンター・デヴィスの『ビートルズ』のページを開かなくなりました。

もし書物という形態にこだわらないのであれば、片岡義男氏本人が電子書籍を無償公開してますので、

横書ヴァージョン
https://kataokayoshio.com/essay/elvis1-01

縦書ヴァージョン
https://r.binb.jp/epm/e1_39856_01012017161758/

こちらを読んでみてはいかがでしょうか?
なお、こうした試みを<真の民主主義>というのであり、どこかの肉饅頭みたいな顔をした薄汚い政治屋にはできない芸当です。ではまた。
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haragaki様 ()
2018-11-03 20:52:14
ありがとうございます!!!

実はharagaki様がリンク貼っています、電子書籍版を見てこの著作を知りました。
やはり書籍は手に取りたいので!
音楽風景―ロックというアメリカの出来事 (単行本)、買ってみようかな!

そうだ!前に勧められた中原昌也氏の対談集、買いました。
松尾様との対談の中でR&Bは脈々と引き継がれるものがあると書いてあってグっときました。


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