A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

サン・ラ・アーケストラ@ブルーノート東京 2014.7.5(sat)+【概念論】太陽神とでんぱ組

2014年07月07日 01時00分31秒 | 素晴らしき変態音楽


サン・ラ・アーケストラ featuring マエストロ・マーシャル・アレン
THE SUN RA ARKESTRA
featuring Maestro MARSHALL ALLEN
- 100th Birth Anniversary Celebration of Sun Ra -

マーシャル・アレン Marshall Allen (sax,fl,cl,evi,kora)
ノエル・スコット Noel Scott (sax,vo,per,dance)
チャールズ・デイヴィス Charles Davis (sax)
ダニー・レイ・トンプソン Danny Ray Thompson (fl,sax)
セエイル・ブルックス Cecil Brooks (tp)
ヴィンセント・チャンシー Vincent Chancey (frh)
デイヴ・デイヴィス Dave Davis (tb)
ファリド・アブダル - バリ・バロン Farid Abdul-Bari Barron (p,Moog synthesizer)
タイラー・ミッチェル Tyler Mitchell (b)
F.D.ミドルトン F.D.Middleton (g)
ウェイン・A.スミスJr. Wayne A. Smith Jr. (ds)
エルソン・ナシメント Elson Nascimento (surdo)

真夏のクラブに鳴り響くコズミック・サウンド
“音の錬金術師” の生誕100年を祝うスペシャル公演

ジャズ、ブルース、ラテン、ファンク、ディスコ、電子音楽など多種多彩な要素を取り込み、ワン&オンリーの世界を創出した“音の錬金術師”サン・ラ。その生誕100年を記念し、稀代の音楽集団“アーケストラ”がブルーノート東京に初登場!サン・ラは’30年代からピアニスト/作編曲家/バンド・リーダーとして活動を始め、'50年代に“サン・ラ・アーケストラ”を結成。「スペース・イズ・ザ・プレイス」、「ニュークリア・ウォー」など数々の名曲を発表し、ジョン・コルトレーンからソニック・ユースまで、多くのアーティストを触発してきた。サン・ラは'93年に他界するが、その後もアーケストラはサックス奏者マーシャル・アレン('57年加入)を中心に活動を継続。永遠に輝き続けるコズミック(宇宙的)サウンドを、真夏のクラブで体感したい。



マーシャル・アレン率いるサン・ラ・アーケストラの来日は2回目。1回目は2002年9月によみうりランドで開催された「True People's CELEBRATION」という野外イベントだった。他にメデスキー,マーティン&ウッド/エルメ-ト・パスコアール/フアナ・モリナ、日本からはUA/Voredoms/レイ・ハラカミ/こだま和文/LITTLE TEMPO/山本精一&勝井祐二などが出演し、サン・ラ・アーケストラは二日目の夕刻に出演、演奏中に日が落ちて、客席を歩き回るメンバーの姿が照明に浮き上がって幻想的な雰囲気だった。通路の柵の目の前で見たマーシャル・アレンのサックスは、ブラバンから脱却して自覚的にサックスを吹きはじめるきっかけになった衝撃を追体験するだけではなく、半世紀以上頑固として異端であり続ける無法音楽戦士の強靭な魂に更なる衝撃を受けることになった。



それから12年後の来日公演が発表になった時、90歳のマーシャルが無事日本の地を踏めるかが気になったが、まったく無用の心配だった。5月から2ヶ月に亘るヨーロッパ・ツアーも大好評、来日直前の6月27日には英国イチの野外フェス、グラストンベリーフェスに出演。今回の来日メンバーは、60年代からのメンバーで1988年のライヴ・アンダー・ザ・スカイでも来日したダニー・レイ・トンプソンや、50年代から活動するベテラン、チャールズ・デイヴィスを含む精鋭部隊。



席は最前ブロック、デニー・レイ・トンプソンの目の前。開演時間になると客席後方から、ダニー・レイのバリトンサックスに先導されて、メンバーが歌いながら行進して登場。普通のジャズライヴとは異なる特別なエクスペリエンスのハジマリである。メンバーがステージに揃ったところで、マーシャル・アレンが登場。歩行に問題ないどころか、ダンスしたり指揮をしたり、12年前、否、70年代とまったく変わらない健常ぶり。サックス・プレイも正に当時の侭。アーケストラを率いて20年になるので、完全に自分の手足と同じように演奏を導く。



セットリストの多くがマーシャル作曲の楽曲で、スウィングやニューオリンズのポジティヴなメロディと、掟破りのハードコアジャズが手を取り合った、唯一無二の祝祭空間が出現する。マーシャルは勿論、メンバーが入れ替わりで客席を練り歩くパレード性、観客をパフォーマンスの一部として巻き込むサービス精神、サン・ラの朗読テープを流し、宇宙こそその場所(Space Is The Place)と詠唱する伝承性。肉体は滅びても魂は残り、継承する者が新たな命を吹き込み、サン・ラという神話(Mythology)を永遠に伝授する理想的な方法論を実践するのがサン・ラ・アーケストラなのである。



LIVE REPORT@BLUE NOTE TOKYO WEB

太陽神
土星人
日本人

ディアステージ・プロデューサーのもふくちゃん(福嶋麻衣子)は「将来、でんぱ組.incは概念になって欲しい」と語る。それは正にアーケストラ、否、ジャズに於けるサン・ラという概念と同じであり、サン・ラが宇宙思想に基づきコスモを探究した事実は、太陽繋がりであり「コスモな宇宙にコンニタソ!」と歌うえいたそ☆成瀬瑛美こそが、アキバ、否、日本に於けるサン・ラの正統な継承者であることの証なのである。

▼「太陽神」と「天照大神」
 
【えいたそ文化論】その壱『太陽』~フロイド/デッド/クリムゾン/クロマニヨンズ/TMGE/AKB/EWF/他
【えいたそ文化論】最終章『えいたそ☆成瀬瑛美とは?』


[7/7 19:19追加]
SUN RA ARKESTRA at BLUE NOTE TOKYO

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