
11/6に武道館公演を控えたきゃりーが学園祭に出演。学生企画団体AGESTOCK2012実行委員会による「学祭JACK2012」という企画のひとつ。広報・宣伝活動はTwitterとHPおよび大学内での告知中心だったので、最初は詳細がよく分からず困ったがとりあえずチケットは購入できた。昼の11時開場/12時開演、10:30集合とチケットに書いてある。時間通りに会場の記念会堂へ行くと周辺には何の告知もなくパネルを掲げた学生スタッフが立っているだけ。ブロック毎に並ぶ。当たり前だが95%が学生。コスプレ姿の外人女性二人組が目立っている。寒い中暫く待たされてやっと開場。渋谷AXや新木場Studio Coastよりも広い体育館風のホール。オールスタンディングで順番が早かったので最前ブロックの前から5列目辺りを確保。ステージは何の飾りもなく学芸会のような雰囲気。開演までSEで相対性理論が流れていたのは最近の学生の好みを反映しているのか?皆友達同士で来ているのでガヤガヤ賑やかだ。
何度か注意事項がアナウンスされるが学生がやっているので"きゃりーぱみゅぱみゅ"と上手く発音できず笑いを誘う。1時間経った頃突然BGMが大音量のテクノビートになる。キッズダンサーが登場し、耳馴染みのあるイントロできゃりーが登場。カラフルな衣装に「カワイ~!」と歓声が上がる。「CANDY CANDY」でスタート。客電が点いたままやるのか?と思い天井を見上げるとガラス張りで日光が差し込んでいた。私のブロックは割と大人しめだが隣のブロックはファンが多く最初からジャンプして盛り上がっている。「みんなのうた」「100%のじぶんに」と続き「ファッションモンスター」できゃりーがサビの振りを伝授。この曲から観客がヒートアップ、後ろからぐいぐい押し潰される。歌の途中できゃりーが「はい、ジャンプ!」と煽るものだからモッシュ状態に。若さ有り余る学生諸君のパワーは普通のコンサートとは以上のものがある。熱狂状態で「PON PON PON」「きゃりーANAN」「つけまつける」とヒット曲を続け「最後の曲です。このあと武道館の練習があるので行かなくっちゃ。バイバイ」と♪「さよなら」じゃなくて「またね」♪の「ちゃんちゃかちゃんちゃん」で終了。シングル・ヒット曲+αで40分のショート・ライヴだった。武道館の予行演習だと思えば悪くないが、凝ったセットや照明のないこのステージしか観なかった人にはきゃりーのホントの魅力は伝わらないだろうな~。
外へ出ると既に次のイベントのお客さんが並んでいる。会場が使い回しなので終了時間が決まっているのだ。学祭だから仕方ないか。運営全て大学生による手作りイベントは素人っぽいが一生懸命で好感が持てる。
そのまま北千住へ移動。

ジョン・ケージ 「ミュージサーカス」
芸術監督:足立智美
このコンサートでは、演奏者やパフォーマーが各々「同時に」「様々な場所で」「独立して」演奏を展開します。みなさんは、その周りを自由に動きながら、さまざまな音楽が交じり合っていく状態を楽しむことが出来ます。いったん、音楽という枠組みを離れてみれば、世の中には様々な音が混じりあっています。その状況に積極的に参加し、体験してみましょう。自立した人々が中心を持つことなくお互いを受け入れていく、ケージの考えた音楽による社会モデルが展開されるでしょう。(足立智美)
足立区が10/27~12/2に開催するまちなかアートプロジェクト「音まち千住の縁」のイベントのひとつ。東京都中央卸売市場 足立市場という広い会場に80組のパフォーマーが出演。灰野敬二さんも参加する。
ジョン・ケージというと小難しい現代音楽を連想するが、このイベントの本質は音楽を中心としたお祭りである。灰野さん目当のアート好きの観客もいるが、大部分は地元の普通の家族連れやご老人。振る舞いのねぎま鍋に列が出来、まぐろ解体ショーに観客が群がる。会場のあちこちの60以上の場所で出演者がそれぞれ10~20分のパフォーマンスを繰り広げ、観客は会場図とタイムチャートを頼りに自由に歩き回って見物する。言葉で説明するより写真の方が早いのでご覧いただきたい。
















[11/5追記:イベントの模様を上手くまとめた動画が公開されたので追加します]
ただのお祭りと違うのはパフォーマンスがおこなわれる場所、時間、方向が乱数による偶然で決定され、綿密に指示されていることである。実際に灰野さんのパフォーマンスは16:27~47と分刻みで規定されていた。スタッフがタイムキーパーとして同席し開始・終了時間をチェックしている。このコンセプトがケージならでは。
灰野さんの演奏時間が近づくと続々と人が集まって来る。何やらスタッフと相談していた灰野さんがいきなり凄い勢いで走り去ってしまった。どよめく群衆がそれを追う。どうやら規定時間になっても止めない演奏者に怒鳴り込みに行ったらしい。この厳格さが灰野さんらしい。
戻って来ると何事も無かったように演奏開始。シンバルやタンバリンやドラムを使ったパーカッション&ダンスだが、他の演奏者の音が聴こえる白昼の野外で老若男女が見守る中でのパフォーマンスは初めて観る。小学生が最前列に座ってじっと眺めていたりおばあちゃんが写真を撮ったりしているのが逆に非日常的で面白い。灰野さんにとって与えられた時間の中で納得いく演奏を披露する姿勢は普段のライヴと違いは無い。終わると集まった観客は思い思いに別のパフォーマーを観に散って行く。
北千住は私が就職して最初に営業で廻っていた街である。当時足繁く通っていた得意先は閉店して久しいが、そのあとが同じ名前の100円ショップになっているのを発見し感慨に耽る。当然代替わりしているだろうが同じ場所でちゃんと営業しているのが嬉しかった。
きゃりたんと
灰野さんのハシゴは
二度目です
前衛性と大衆性の融合は意識しないうちに自然に進行している。
★11/21発売予定 単行本「捧げる・・・灰野敬二の世界」表紙写真発表!
(内容については近日紹介予定)

<灰野敬二ライヴ情報>
11.05(月) 青山CAY japanoise.net presents 青山ノイズ Vol.4
11.12(月) 南青山 MANDALA <研ぎすまされた『愛している』という響き> 灰野敬二ソロライブ
11.24(土) 和歌山市OLDTIME 裸族×お還りなさいpresents 「裸に還りな祭 vol.4」
12.15(土) 新大久保EARTHDOM BIGスパゲティ企画 「雑煮音鍋セッション祭VOL.3」
12.21(金) 六本木SuperDeluxe SDLX十周年記念ワンマンLIVE 不失者
12.24(月・祝) 秋葉原CLUB GOODMAN 「静寂」 Last Live ブラック・クリスマス
12.30(月) 高円寺ShowBoat 灰野敬二 ワンマンライブ