A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

灰野敬二×田中泯@中野 Plan B 2008.6.4 (wed)

2008年06月05日 22時52分26秒 | 灰野敬二さんのこと
「つまりひとりからだから」と題された田中泯氏のデュオ・シリーズ。他には今井和雄、高橋竹山、大熊ワタル、大友良英各氏と共演する。
このシリーズがどういう意図で企画されたのか分からないが、一対一の共演の場で、田中氏の一人の身体から生まれ出るものを提示する、というものであろう。
灰野さんは田中氏とは何度も共演歴があり、お互いに気心が知れている間柄。灰野さんに言わせると、最も強靭な意志を持った舞踏家が田中氏だそうだ。
この日は3台のエアシンセによる演奏。ステージ右手、エアシンセを乗せたテーブルの前にアンプと4つのスピーカーが無造作に積み重ねてある。実は音響的に綿密に計算されているのだろう。
田中氏は浮浪者風のトレンチコートとキャップ姿で登場。酔っ払いのようなふらふらした動きを見せる。演奏は静かな微音から徐々に音量を増して行く。舞踏もゆっくりと動きが大きくなる。灰野さんが突如大音量を出しても田中氏の動きはまったく影響を受けない。自らの中から生まれる動きを続けるだけだ。しかし演奏の変化は静かに確実に田中氏の体内に沈殿し、蓄積されたパワーが放出されていく。灰野さんのマジカルな動きと田中氏の舞踏の両方から目が離せない。終盤に照明が暗転し真っ暗闇の状態が暫く続く。何も見えない中で二人の共演は続いているのだろう。朦朧として時間の感覚がなくなってきた。そこで再び明るくなり終了。二人は握手をしてステージを去る。
時間にして90分ほどだったがもっと長い時間に感じられた。言葉では表現できない何かがPlan Bの空間に満ちていた。孤高の共演だった。
Plan B HP

時を止め
瞳を閉じて
感じ取れ

例によって桃花村産直の野菜が販売されていた。

コメント
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