<Radioservis>
CR 0577 ¥1850
カプラーロヴァー:
(1)ピアノ協奏曲ニ短調Op.7
(2)3つの小品Op.9
(3)サンテティエンヌ・デュ・モンの鐘による変奏曲Op.16
(4)ソナタ・アパッショナータOp.6
アリツェ・ライノホヴァー(Pf)、
トマーシュ・ハヌス(指)ボフスラフ・マルティヌー・フィル(1)
[録音:2010年11月、2011年6月/ズリーン芸術の家(ライヴ)]
近年再評価の著しいチェコの女性作曲家ヴィチェスラヴァ・カプラーロヴァ
ー(1915-1940)。25歳の若さで夭折したことは20世紀チェコ音楽界最大の損
失と言えるでしょう。残された25作品はいずれも進歩的で明瞭な個性と天才
性を示していて驚かされます。夫君は日本でも人気の画家アルフォンス・ミュ
シャの息子、さらにあの大物作曲家マルティヌーがその美貌と才能に激しく
恋慕したことなど、話題性満点。ピアノ協奏曲は1935年の作で、カプラーロ
ヴァー最大のピアノ作品かつ、最初のオーケストラ作品でもあります。演奏
時間20分ほどの後期ロマン派作品で、ピアノのパートはヴィルトゥオーゾ風、
管弦楽法もゴージャスで、抒情性と不思議な熱気に満ちた魅力作です。「ソ
ナタ・アパッショナータ」は驚くべき完成度ながら、何と18歳の作。ありき
たりな所が全くなく、20世紀のチェコのピアノソナタの最高傑作のひとつと
言えるべき作品です。20世紀チェコ作品を本領とするピアニストでカプラー
ロヴァーのピアノ曲の研究家でもあるライノホヴァー、説得力あふれる演奏
です。
CR 0464 ¥1850
(1)モーツァルト(ウィルビー補完):
ヴァイオリンとピアノのための協奏曲ニ長調K.315f
(2)メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲ニ短調
フランティシェク・ノヴォトニー(Vn)、セルゲイ・ミルシテイン(Pf)
クリストフ・カンペストリーニ(指)ブルノ・フィル
[録音:2008年10月/ブルノ放送スタジオ]
五嶋みどりとエッシェンバッハが録音して話題となったモーツァルトの「ヴァ
イオリンとピアノのための協奏曲」。モーツァルトは1778年、この作品に着
手しながらも、120小節しかスケッチが残されていません。英国の音楽学者
フィリップ・ウィルビーは「ヴァイオリンソナタ ニ長調K.306」のフィナー
レがこの作品のために着想されたのではないかと推理し、それを素材に全曲
を復元しました。モーツァルトそのもののスタイルで、新たな作品を発見し
た幸福感を味わえます。ザハール・ブロンとヴィクトル・トレチャコフ門下
のチェコの俊英ノヴォトニーが、ロシア出身のミルシテインと息の合った共
演を聴かせてくれます。
CR 0581 ¥1850
(1)フランティシェク・クサヴァー・リヒター:フルート協奏曲ホ短調
(2)ベンダ:フルート協奏曲イ長調
(3)シュターミッツ:フルート協奏曲ハ長調
ロマン・ノヴォトニー(Fl)、プラハ室内管
[録音:2010年9、11月/シモン&ジュード教会(プラハ)]
ムラマツ・18goldフルート使用。ロマン・ノヴォトニーは1968年生まれ。チェ
コ・フィルのメンバーで、2000年からはプラハ音楽院教授として後進の指導
にもあたっています。ここに収められた協奏曲の作曲家たちはドイツ人と思
われがちながら、実はチェコ人で、いわばお国ものの演奏を堪能できます。
CR 0478 ¥1550
MONO
スメタナ:
(1)チェコ舞曲集(全2巻14曲)
(2)4つのスケッチOp.4
(3)4つのスケッチOp.5
ヴェラ・ジェプコヴァー(Pf)
[録音:1959年/チェコ放送スタジオ]
スメタナは「わが祖国」などの管弦楽曲やオペラで人気がありますが、彼の
本領はピアノ曲にあったと言ってもよいほどの量と質を示しています。スメ
タナのピアノ音楽復興に尽くしたピアニストがヴェラ・ジェプコヴァー(1910
-1990)。演奏のみならず、未知作品の発見や楽譜校訂など、スメタナに全霊
を傾けました。そのジェプコヴァー伝説のスメタナ演奏が日の目を見ました。
1959年のモノラル録音ですが、演奏の鮮やかさ、説得力はさすがのひと言に
つきます。ピアノ音楽ファン必聴の世にも貴きCDです。
CR 0432 ¥1550
ドヴォルザーク:
(1)交響曲第8番ト長調Op.88
(2)同第9番ホ短調「新世界から」Op.95
ヴラディミール・ヴァーレク(指)
プラハ放送響
[録音:2000年10月/プラハ放送第1スタジオ]
日本でもお馴染みのヴァーレクが手兵プラハ放響を振ったドヴォ8と新世界。
かつてポニーキャニオン社から出ていたものとは別ソースで、より新しい2000
年録音。さすがお国ものの巧さです。
CR 0578 ¥1550
(1)ヤン・ノヴァーク:無伴奏ヴァイオリンソナタ
(2)ヤナーチェク:ヴァイオリンソナタ
(3)スーク:バラードOp.3b
(4)スメタナ:わが故郷より
(5)コチアン:ユモレスクOp.17
(6)セヴシック(シェフチーク):青い目の少女Op.10
フランティシェク・ノヴォトニー(Vn)、ヴラディミール・ホリー(Pf)
[録音:1994、1998、2000年/チェコ・ブルノ放送ドゥクラ・スタジオ]
弦の国ならではの魅力的なヴァイオリン曲集。ヤナーチェクやスメタナの作
品は録音がありますが、他は珍しく貴重なものばかり。教則本で名高いセヴ
シックと、往年の名ヴァイオリニスト、コチアンの曲はお宝発見的な秘曲と
申せましょう。ザハール・ブロンとヴィクトル・トレチャコフ門下のチェコ
の俊英ノヴォトニー、美演です。
CR 0298 ¥1550
ヤナーチェク:
(1)霧のなかで
(2)ピアノソナタ「1905年10月1日」
(3)草陰の小径にて(全15曲)
(4)ズデンカ変奏曲
(5)思い出
ヤン・イラスキー(Pf。1876年製エアバー)
[録音:2004年7月/ヤナーチェク博物館]
ヤナーチェク遺愛の1876年製エアバー・ピアノを用いて、そのほぼ全ピアノ
曲を録音した好企画。録音場所は現在ヤナーチェク博物館となっているヤナ
ーチェク邸。非常に柔らかみと温かみのある音色で、「草陰の小径にて」な
ど気絶しそうな美しさです。演奏のイラスキーは1973年生まれ。バッハやベ
ートーヴェンも定評ありますが、何と言ってもヤナーチェクのスペシャリス
トで、他の追随を許さぬ境地を見せてくれます。作品、演奏者、楽器の三拍
子揃った決定盤と申せましょう。
CR 0190 ¥1550
(1)ヤン・ザフ(1699-1773):テ・デウム
(2)同:荘厳レクイエム
(3)コジェルフ(1738-1814):小荘厳ミサ曲
ナジェジダ・ペトレンコ(Sop)、イヴォナ・シュカヴァーロヴァー(A)、
ヴラディミール・ドレジャル(Ten)、
イジー・カレンドフスキー(Bs)、
パヴェル・キューン(指)
プラハ室内管、合唱団
チェコ古典派のふたりの作曲家ヤン・ザフ(1699-1773)とヤン・アントニーン
・コジェルフ(1738-1814)の宗教曲集。バロック的要素の濃いザフとロマン派
の萌芽が見られるコジェルフの特徴の違いも興味津々ながら、プラハ室内合
唱団の表現力の深さと美しさに酔わされます。
CR 0572 2枚組 ¥1980
ライヒャ(レイハ):
(1)交響曲変ホ長調Op.41(1797)
(2)同ハ短調(1808以前)
(3)同ヘ短調(1808以前)
(4)同ト長調(1808)
オンドジェイ・クカル(指)
プラハ放送響
[録音:2010年3、11月、2011年5月/ドモヴィナ・スタジオ(プラハ)]
管楽アンサンブルの世界では有名なライヒャはフランスで活躍したものの、
出身はチェコ。作品数は膨大で、オーケストラ曲も残しています。そのなか
から交響曲4篇をここに収録していますが、いずれも演奏に30分を要する大作
ばかりで、ハイドン、モーツァルトよりはベートーヴェンの世界への近似が
感じらる充実した内容に驚かされます。ハ短調交響曲のオルガンを思わせる
荘厳な音色もユニーク。交響曲ファン必聴の隠れた名作と申せましょう。
CR 0465 2枚組 ¥1980
フェルステル:歌劇「デボラ」(全3幕)
代官:エドゥアルト・ハケン(Bs),
その息子ヨセフ:テオドル・シュルバル(Br)、司祭:カレル・カラシュ(Br)、
その養女ハナ:ヤロスラヴァ・ヴィマザロヴァー(Sop)、
デボラ:ドラホミーラ・ティカロヴァー(Sop)、
老ユダヤ女:ヴェラ・クリロヴァー(C-A)、カレル・ナーグル(Org)、
フランティシェク・ディク(指)
チェコ放送響、合唱団
チェコ語歌唱
[録音:1959年8-9月/チェコ放送スタジオ1(プラハ)]
ヨゼフ・ボフスラフ・フェルステル(1859-1951)は長くハンブルクに住み、音
楽評論家として活躍しました。マーラーの擁護者として知られますが、自身
の作風はドヴォルザークの伝統を引き継ぐ国民楽派風のもので、シューマン
やブラームスの影響も感じられます。代表作の歌劇「デボラ」待望の全曲登
場。とは言っても最新録音ではなく、1959年、フェルステル生誕100年を記念
して行われたモノラルの歴史的名演。内容はチェコの村を舞台にユダヤ娘デ
ボラと、キリスト教徒の村人たちとの間の相互偏見と、それを克服しようと
する努力を描いています。フェルステルの音楽は雄弁で、物語の推移を見事
に示していて聴き応え満点です。オペラ・ファン必聴の1枚。
<Praga Digitals>
PRDDSD 250293(SACD-Hybrid) ¥2780
(1)ベートーヴェン:
モーツァルトの「魔笛」の「恋を知る男たちは」による変奏曲WoO.46
(2)同:モーツァルトの「魔笛」の「娘か女か」による変奏曲Op.66
(3)イジー・ゲムロト:
ルートヴィヒの挨拶(ベートーヴェンの主題による変奏曲)(2009)
(4)同:ドヴォルザークの主題による変奏曲(2011)
(5)マルティヌー:スロヴァキア民謡による変奏曲
(6)同:ロッシーニの主題による変奏曲
ジェレミー・フィンドレイ(Vc)、ペール・ルンドベリ(Pf)
[2011年8、10月/聖ヴァヴィジェニネツ教会(プラハ)]
チェロとピアノのための古今の変奏曲を集めたアルバム。タイトルはRococo
Cello Variationsですが、チャイコフスキーの同名作品は収録されていませ
ん。現代チェコの作曲家イジー・ゲムロト(1957-)の「ルートヴィヒの挨拶」
はベートーヴェンの「ヴァイオリンソナタ第1番」のロンド主題に基づく変奏
曲。ジャズ風の変奏があるのも今風。「ドヴォルザークの主題による変奏曲」
はドヴォルザークの「チェロ協奏曲イ長調」の主題に基づくもので、ドヴォ
ルザークの作風模倣が興味津々。ジェレミー・フィンドレイはトロント出身
で、かのノリントンも絶賛する若手。世界中でひっぱりだこの、今後人気者
となりそうな逸材です。
<Aurora>
ACD 5048 ¥2280
(1)オルヤン・マトレ(1979-):管弦楽のための4つのミニアチュア(2005)
(2)エヴァン・ガードナー(1978-):ライツ・アウト(2006)
(3)ヨルゲン・カールストレム(1981-):トリスタンフィルターII(2003)
(4)ヤン・エリク・ミカルセン(1979-):悪鬼と月(2004)
ロルフ・グプタ(指)ノルウェー放送管弦楽団
2012年度武満徹作曲賞に3位受賞したヤン・エリク・ミカルセン作品に注目。
ノルウェー作曲界新世代の水準の高さを、実感させてくれます。
<audite>
AU 92663(SACD-Hybrid) ¥2300
J.S.バッハ(1685-1750)-ウィリアム・トーマス・ベスト(1826-1897)編:
シャコンヌ(無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番より)BWV1004/5
コラール「最愛のイエスよ、我らここに集いて」BWV731
キルンベルガー・コラールより「主イエス・キリスト、我らを顧みたまえ」
BWV709
コラール「わが心の切なる願い」BWV727
前奏曲とフーガ ホ短調 BWV533
パッサカリア ハ短調 BWV582
トッカータとフーガ ニ短調 BWV565
オルガン小曲集より「主なる神よ、いざ天の扉を開きたまえ」BWV617
シューブラーコラールより「わが魂は主をたたう」BWV648
オルガン小曲集より「天にましますわれらの父よ」BWV636
トッカータ、アダージョとフーガ ハ長調 BWV564
カルステン・ヴィーブッシュ
(org;クライス社制作オルガン(1850年製1966/2010修復))
録音:2011年5月5,6日、カールスルーエ教会
ドイツauditeの社主でプロデューサー&エンジニア、ルトガー・ベッケンホー
フ氏が満を持して送りだす、オルガン録音最新盤は、イギリスのオルガニス
トであったウィリアム・トーマス・ベスト(1826-1897)編曲によるシャコンヌ
を含むバッハオルガン傑作集です。シャコンヌ以外、通常オルガンで演奏さ
れる作品収録されていますが、ここに収録されている演奏では、テンポ、ア
ーティキュレーション、オルガンの音色を選ぶレジストレーションなど全て
ウィリアム・トーマス・ベストによる校訂の楽譜を使用しております。バッ
ハのオルガン曲は壮麗ですが、ベスト校訂版で聴くと、例えば名曲トッカー
タとフーガ ニ短調ではさらにドラマティックに、コラールではより美しく
教会に響き渡ります。オルガンを演奏しているカルステン・ヴィーブッシュ
は南西ドイツの教会音楽を主なレパートリーとし、この録音でも使用してい
るカールスルーエ教会にてオルガン・リサイタル・シリーズ続けております。
当オルガンを知り尽くしたヴィーブッシュだからこその演奏で複雑な組み合
わせをもつオルガンをコントロールし、ベストが思い描いていた音楽を見事
に再現しております。
<VDE GALLO>
GALLO 1379 ¥1880
ヴィンセンツォ・ペトラーリ(1832-1889):6つのグロリア
ギ・ボヴェ(1942-):ミサ・ディ・パスクーア
カルロ・フマガリ(1822-1907):
オルガンのためのミサ・ソレンネ
(ヴェルディ:「アイーダ」「トラヴィアータ」「シチリア島の夕べ」の場面
より)
ギ・ボヴェ(org)
録音:2010年6月9,10日、ティチーノ 聖ピエトロ教会
名手ギ・ボヴェの最新録音はボヴェの自作を含むオルガン作品集です。ボヴェ
は幅広いレパートリーをもち今もなお積極的な演奏活動をしております。日
本では東京オペラシティコンサートホールのオルガンの監修(1997年)を務め、
こけら落としの演奏会は話題となりました。このアルバムに収録しているカ
ルロ・フマガリ作曲のオルガンのためのミサ・ソレンネはヴェルディ作曲の
オペラ「アイーダ」「トラヴィアータ」「シチリア島の夕べ」の美しい場面
をモティーフにした作品で、オルガンの特性にあった非常に華やかな演奏が
印象的です。またボヴェ自身の作品「ミサ・ディ・パスクーア」ではオルガ
ニストの感性で描かれた6つのパートに分かれた素晴らしい作品です。
<Profil>
PH 10050 ¥2180
モーツァルト:
協奏交響曲イ長調K. Anh. 104( 320e) ☆
レチタティーヴォとアリア「うつくしい恋人よ、さようなら…とどまれ、
いとしき人よ」K. 528 ※
アリア「心配しないで愛する人よ」K. 505 #※
プロ・アルテ弦楽三重奏団[豊田耕児(Vn)、ステーファノ・パッサージョ(Va)、
ゲオルク・ドンデラー(Vc)]☆
ディーター・クレッカー(Cl)#
ゲルティ・ツォイマー=ペール(S)※
クラウス・テンシュテット(指揮)
ベルリン・ドイツ交響楽団(ベルリン放送交響楽団)
録音:1974年9月11日(ベルリンRIAS収録)
ハイドン:交響曲第64番イ長調Hob. I-64
クラウス・テンシュテット(指揮)
バーデン=バーデン&フライブルクSWR交響楽団(南西ドイツ放送交響楽団)
録音:1976年8月20日ハンス・ロスバウト・スタジオ(SWR収録)
1970年代の半ば、西側に出て注目を集め始めたころのテンシュテットが、当
時のベルリン放送響と南西ドイツ放送響に客演した際の貴重なライヴ音源が
ProfilよりCD化されます。モーツァルトとハイドンからなる収録曲はすべて、
これまで正規の商業録音では聴くことの出来なかったもので、得意としてい
たマーラーに典型的な落差の激しい表現とは打って変わって、持ち味の思い
きりの良さのなかにも意外なほど端正な音楽運びが印象的で、注目の内容と
いえるでしょう。
「時の移ろい」というニックネームで呼ばれることもあるハイドンの交響曲
第64番は、いわゆる「シュトルム・ウント・ドランク」時代の作品で、ラル
ゴのミステリアスな進行や、おだやかなフィナーレとみせかけて、突如、荒々
しく攻撃的なフレーズや、コントラスト鮮やかに短調に切り替わる場面が現
れたりと、20分ほどの演奏時間のなかに多様な仕掛けが施されています。
この作品はテンシュテットが好んで取り上げていたナンバーのようで、1970
年代後半にキール歌劇場管、ボストン響、ドレスデン・フィルなどとも演奏
していて、あたかもギュンター・ヴァントにおける第76番の例を思わせます。
ちなみに、南西ドイツ放送響を指揮したマーラーの第4交響曲(PH05039)との
カップリングで、当日演奏されていたのもこの曲でした。
<KII>
KKC 2047/48 2枚組 ¥2580
STEREO
モーツァルト:
CD1
(1)ピアノ協奏曲第20番ニ短調 K.466
(2)ピアノ協奏曲第24番ハ短調 K.491
CD2
(1)ピアノ協奏曲第23番イ長調 K.488
(2)ピアノ協奏曲第27番変ロ長調 K.595
ワルター・クリーン(Pf)
ホルスト・シュタイン(20、24、23番)、若杉弘(27番)(指) NHK交響楽団
[1980年2月9日/東京文化会館(20番)、83年3月2日(24番)、
77年12月9日(23番)、89年12月1日(27番)/NHKホール]
ウィーンならではの優雅なピアニズムを日本に伝えてくれた名手ワルター・
クリーン(1928-1991)。彼がNHK交響楽団と共演したモーツァルトの協奏曲が
蘇ります。水晶のようにクリアなタッチと清潔な音楽性はモーツァルトにぴ
ったりなうえ、ホルスト・シュタインがまた絶妙な伴奏を施しています。ピ
アノ協奏曲第27番では、歌曲「春へのあこがれ」をモチーフにしたカデンツァ
も披露していて、当時非常な話題となりました。
KKC 2049/50 2枚組 ¥2580
STEREO
CD1
(1)ドヴォルザーク:交響曲第9番ホ短調Op.95 《新世界より》
(2)リムスキー=コルサコフ:スペイン奇想曲Op.34
(3)エネスコ:ルーマニア狂詩曲第1番イ長調Op.11の1
CD2
(1)チャイコフスキー:交響曲第4番ヘ短調Op.36
(2)アルヴェーン:スウェーデン狂詩曲第1番Op.19 《夏至の徹夜祭》
(3)ドヴォルザーク:スラヴ舞曲第1番ハ長調Op.46
コンスタンティン・シルヴェストリ(指)
NHK交響楽団
[1964年4月5日(CD1(1)(2))、3月21日(CD1(3))、5月2日(CD2)/東京文化会館]
ルーマニア出身の巨匠コンスタンティン・シルヴェストリ(1913-1969)は1964
年にNHK交響楽団と共演していますが、その伝説の演奏が日の目を見ました
彼得意の民族色豊かな作品が並べられていますが、期待通りの爆演。物凄い
推進力とエネルギーでラプソディックな絵巻物が描かれています。定評高い
ドヴォルザークの「新世界」も非常に感動的な演奏となっています。
KKC 2051/52 2枚組 ¥2580
STEREO
CD1
(1)スメタナ:歌劇「売られた花嫁」序曲
(2)ドヴォルザーク:交響曲第9番ホ短調Op.95 《新世界より》
CD2
(1)ヤナーチェク:シンフォニエッタ
(2)同:タラス・ブーリバ
(3)ベートーヴェン:交響曲第1番ハ長調Op.21
ヴァーツラフ・ノイマン(指)NHK交響楽団
[収録:1978年12月1日(CD1)、12月7日(CD2)/NHKホール]
日本にもたびたび客演しておなじみのチェコの巨匠ヴァーツラフ・ノイマン。
1978年の公演では母国を代表するスメタナ、ドヴォルザーク、ヤナーチェクを
採り上げ、NHK交響楽団から濃厚なボヘミア色を引き出しています。特に十八
番の「新世界交響曲」は格別で、しみじみとした味わいは感動的です。珍しい
のがベートーヴェンの交響曲第1番。ノイマン節のユニークな世界に浸れます。
KKC 2053/55 3枚組 ¥3650
STEREO
ベートーヴェン:
CD1
交響曲第3番変ホ長調Op.55「英雄」
CD2
(1)交響曲第5番ハ短調Op.67「運命」
(2)交響曲第6番ヘ長調Op.68「田園」
CD3
交響曲第7番イ長調Op.92
ホルスト・シュタイン(指)
NHK交響楽団
[1985年11月6日/NHKホール(CD1)、92年4月26日(CD2)/サントリーホール、
89年2月3日/NHKホール(CD3)]
NHK交響楽団と最も縁の深い指揮者のひとりホルスト・シュタイン。ワーグナ
ーやブラームスをはじめ、幅広いレパートリーを聴かせてくれましたが、ベ
ートーヴェンの交響曲の名演ぶりが今日でも語り草となっており、発売を希
望される声の多さに今回4曲をラインナップしました。これが予想以上の凄さ
で、さすがドイツ本流のシュタインならではの重厚さと迫力、息つく暇もな
く全曲を聴き通させてしまう充実ぶり。数あるシュタインの録音中でも白眉
と申せましょう。
KKC 2058/59 2枚組 ¥2580
STEREO
CD1
(1)モーツァルト:ピアノ協奏曲第21番ハ長調K.467
(2)同:ピアノ協奏曲第22番変ホ長調K.482
CD2
(1)ショスタコーヴィチ:交響曲第5番ニ短調Op.47
(2)同:バレエ音楽「黄金時代」-ポルカ
ウラディーミル・アシュケナージ(Pfと指)
NHK交響楽団
[1975年5月26日/東京文化会館(CD1)、2004年7月10日/ブルージュ、
コンセルトヘボウ(CD2)]
アシュケナージ、ピアニストとNHK交響楽団首席指揮者両方の顔を見ることが
出来るアルバム。ピアノ協奏曲は、当時38歳のアシュケナージが弾き振りし
たもので、若きアシュケナージならではの輝かしいモーツァルトを聴くこと
ができます。ショスタコーヴィチの交響曲第5番は、NHK交響楽団が2004年7月
に行ったベルギー、ブリュッセルでの公演で、非常な熱演のうえ、当地の聴
衆の反応も興味津々。貴重な記録の復活です。
CR 0577 ¥1850
カプラーロヴァー:
(1)ピアノ協奏曲ニ短調Op.7
(2)3つの小品Op.9
(3)サンテティエンヌ・デュ・モンの鐘による変奏曲Op.16
(4)ソナタ・アパッショナータOp.6
アリツェ・ライノホヴァー(Pf)、
トマーシュ・ハヌス(指)ボフスラフ・マルティヌー・フィル(1)
[録音:2010年11月、2011年6月/ズリーン芸術の家(ライヴ)]
近年再評価の著しいチェコの女性作曲家ヴィチェスラヴァ・カプラーロヴァ
ー(1915-1940)。25歳の若さで夭折したことは20世紀チェコ音楽界最大の損
失と言えるでしょう。残された25作品はいずれも進歩的で明瞭な個性と天才
性を示していて驚かされます。夫君は日本でも人気の画家アルフォンス・ミュ
シャの息子、さらにあの大物作曲家マルティヌーがその美貌と才能に激しく
恋慕したことなど、話題性満点。ピアノ協奏曲は1935年の作で、カプラーロ
ヴァー最大のピアノ作品かつ、最初のオーケストラ作品でもあります。演奏
時間20分ほどの後期ロマン派作品で、ピアノのパートはヴィルトゥオーゾ風、
管弦楽法もゴージャスで、抒情性と不思議な熱気に満ちた魅力作です。「ソ
ナタ・アパッショナータ」は驚くべき完成度ながら、何と18歳の作。ありき
たりな所が全くなく、20世紀のチェコのピアノソナタの最高傑作のひとつと
言えるべき作品です。20世紀チェコ作品を本領とするピアニストでカプラー
ロヴァーのピアノ曲の研究家でもあるライノホヴァー、説得力あふれる演奏
です。
CR 0464 ¥1850
(1)モーツァルト(ウィルビー補完):
ヴァイオリンとピアノのための協奏曲ニ長調K.315f
(2)メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲ニ短調
フランティシェク・ノヴォトニー(Vn)、セルゲイ・ミルシテイン(Pf)
クリストフ・カンペストリーニ(指)ブルノ・フィル
[録音:2008年10月/ブルノ放送スタジオ]
五嶋みどりとエッシェンバッハが録音して話題となったモーツァルトの「ヴァ
イオリンとピアノのための協奏曲」。モーツァルトは1778年、この作品に着
手しながらも、120小節しかスケッチが残されていません。英国の音楽学者
フィリップ・ウィルビーは「ヴァイオリンソナタ ニ長調K.306」のフィナー
レがこの作品のために着想されたのではないかと推理し、それを素材に全曲
を復元しました。モーツァルトそのもののスタイルで、新たな作品を発見し
た幸福感を味わえます。ザハール・ブロンとヴィクトル・トレチャコフ門下
のチェコの俊英ノヴォトニーが、ロシア出身のミルシテインと息の合った共
演を聴かせてくれます。
CR 0581 ¥1850
(1)フランティシェク・クサヴァー・リヒター:フルート協奏曲ホ短調
(2)ベンダ:フルート協奏曲イ長調
(3)シュターミッツ:フルート協奏曲ハ長調
ロマン・ノヴォトニー(Fl)、プラハ室内管
[録音:2010年9、11月/シモン&ジュード教会(プラハ)]
ムラマツ・18goldフルート使用。ロマン・ノヴォトニーは1968年生まれ。チェ
コ・フィルのメンバーで、2000年からはプラハ音楽院教授として後進の指導
にもあたっています。ここに収められた協奏曲の作曲家たちはドイツ人と思
われがちながら、実はチェコ人で、いわばお国ものの演奏を堪能できます。
CR 0478 ¥1550
MONO
スメタナ:
(1)チェコ舞曲集(全2巻14曲)
(2)4つのスケッチOp.4
(3)4つのスケッチOp.5
ヴェラ・ジェプコヴァー(Pf)
[録音:1959年/チェコ放送スタジオ]
スメタナは「わが祖国」などの管弦楽曲やオペラで人気がありますが、彼の
本領はピアノ曲にあったと言ってもよいほどの量と質を示しています。スメ
タナのピアノ音楽復興に尽くしたピアニストがヴェラ・ジェプコヴァー(1910
-1990)。演奏のみならず、未知作品の発見や楽譜校訂など、スメタナに全霊
を傾けました。そのジェプコヴァー伝説のスメタナ演奏が日の目を見ました。
1959年のモノラル録音ですが、演奏の鮮やかさ、説得力はさすがのひと言に
つきます。ピアノ音楽ファン必聴の世にも貴きCDです。
CR 0432 ¥1550
ドヴォルザーク:
(1)交響曲第8番ト長調Op.88
(2)同第9番ホ短調「新世界から」Op.95
ヴラディミール・ヴァーレク(指)
プラハ放送響
[録音:2000年10月/プラハ放送第1スタジオ]
日本でもお馴染みのヴァーレクが手兵プラハ放響を振ったドヴォ8と新世界。
かつてポニーキャニオン社から出ていたものとは別ソースで、より新しい2000
年録音。さすがお国ものの巧さです。
CR 0578 ¥1550
(1)ヤン・ノヴァーク:無伴奏ヴァイオリンソナタ
(2)ヤナーチェク:ヴァイオリンソナタ
(3)スーク:バラードOp.3b
(4)スメタナ:わが故郷より
(5)コチアン:ユモレスクOp.17
(6)セヴシック(シェフチーク):青い目の少女Op.10
フランティシェク・ノヴォトニー(Vn)、ヴラディミール・ホリー(Pf)
[録音:1994、1998、2000年/チェコ・ブルノ放送ドゥクラ・スタジオ]
弦の国ならではの魅力的なヴァイオリン曲集。ヤナーチェクやスメタナの作
品は録音がありますが、他は珍しく貴重なものばかり。教則本で名高いセヴ
シックと、往年の名ヴァイオリニスト、コチアンの曲はお宝発見的な秘曲と
申せましょう。ザハール・ブロンとヴィクトル・トレチャコフ門下のチェコ
の俊英ノヴォトニー、美演です。
CR 0298 ¥1550
ヤナーチェク:
(1)霧のなかで
(2)ピアノソナタ「1905年10月1日」
(3)草陰の小径にて(全15曲)
(4)ズデンカ変奏曲
(5)思い出
ヤン・イラスキー(Pf。1876年製エアバー)
[録音:2004年7月/ヤナーチェク博物館]
ヤナーチェク遺愛の1876年製エアバー・ピアノを用いて、そのほぼ全ピアノ
曲を録音した好企画。録音場所は現在ヤナーチェク博物館となっているヤナ
ーチェク邸。非常に柔らかみと温かみのある音色で、「草陰の小径にて」な
ど気絶しそうな美しさです。演奏のイラスキーは1973年生まれ。バッハやベ
ートーヴェンも定評ありますが、何と言ってもヤナーチェクのスペシャリス
トで、他の追随を許さぬ境地を見せてくれます。作品、演奏者、楽器の三拍
子揃った決定盤と申せましょう。
CR 0190 ¥1550
(1)ヤン・ザフ(1699-1773):テ・デウム
(2)同:荘厳レクイエム
(3)コジェルフ(1738-1814):小荘厳ミサ曲
ナジェジダ・ペトレンコ(Sop)、イヴォナ・シュカヴァーロヴァー(A)、
ヴラディミール・ドレジャル(Ten)、
イジー・カレンドフスキー(Bs)、
パヴェル・キューン(指)
プラハ室内管、合唱団
チェコ古典派のふたりの作曲家ヤン・ザフ(1699-1773)とヤン・アントニーン
・コジェルフ(1738-1814)の宗教曲集。バロック的要素の濃いザフとロマン派
の萌芽が見られるコジェルフの特徴の違いも興味津々ながら、プラハ室内合
唱団の表現力の深さと美しさに酔わされます。
CR 0572 2枚組 ¥1980
ライヒャ(レイハ):
(1)交響曲変ホ長調Op.41(1797)
(2)同ハ短調(1808以前)
(3)同ヘ短調(1808以前)
(4)同ト長調(1808)
オンドジェイ・クカル(指)
プラハ放送響
[録音:2010年3、11月、2011年5月/ドモヴィナ・スタジオ(プラハ)]
管楽アンサンブルの世界では有名なライヒャはフランスで活躍したものの、
出身はチェコ。作品数は膨大で、オーケストラ曲も残しています。そのなか
から交響曲4篇をここに収録していますが、いずれも演奏に30分を要する大作
ばかりで、ハイドン、モーツァルトよりはベートーヴェンの世界への近似が
感じらる充実した内容に驚かされます。ハ短調交響曲のオルガンを思わせる
荘厳な音色もユニーク。交響曲ファン必聴の隠れた名作と申せましょう。
CR 0465 2枚組 ¥1980
フェルステル:歌劇「デボラ」(全3幕)
代官:エドゥアルト・ハケン(Bs),
その息子ヨセフ:テオドル・シュルバル(Br)、司祭:カレル・カラシュ(Br)、
その養女ハナ:ヤロスラヴァ・ヴィマザロヴァー(Sop)、
デボラ:ドラホミーラ・ティカロヴァー(Sop)、
老ユダヤ女:ヴェラ・クリロヴァー(C-A)、カレル・ナーグル(Org)、
フランティシェク・ディク(指)
チェコ放送響、合唱団
チェコ語歌唱
[録音:1959年8-9月/チェコ放送スタジオ1(プラハ)]
ヨゼフ・ボフスラフ・フェルステル(1859-1951)は長くハンブルクに住み、音
楽評論家として活躍しました。マーラーの擁護者として知られますが、自身
の作風はドヴォルザークの伝統を引き継ぐ国民楽派風のもので、シューマン
やブラームスの影響も感じられます。代表作の歌劇「デボラ」待望の全曲登
場。とは言っても最新録音ではなく、1959年、フェルステル生誕100年を記念
して行われたモノラルの歴史的名演。内容はチェコの村を舞台にユダヤ娘デ
ボラと、キリスト教徒の村人たちとの間の相互偏見と、それを克服しようと
する努力を描いています。フェルステルの音楽は雄弁で、物語の推移を見事
に示していて聴き応え満点です。オペラ・ファン必聴の1枚。
<Praga Digitals>
PRDDSD 250293(SACD-Hybrid) ¥2780
(1)ベートーヴェン:
モーツァルトの「魔笛」の「恋を知る男たちは」による変奏曲WoO.46
(2)同:モーツァルトの「魔笛」の「娘か女か」による変奏曲Op.66
(3)イジー・ゲムロト:
ルートヴィヒの挨拶(ベートーヴェンの主題による変奏曲)(2009)
(4)同:ドヴォルザークの主題による変奏曲(2011)
(5)マルティヌー:スロヴァキア民謡による変奏曲
(6)同:ロッシーニの主題による変奏曲
ジェレミー・フィンドレイ(Vc)、ペール・ルンドベリ(Pf)
[2011年8、10月/聖ヴァヴィジェニネツ教会(プラハ)]
チェロとピアノのための古今の変奏曲を集めたアルバム。タイトルはRococo
Cello Variationsですが、チャイコフスキーの同名作品は収録されていませ
ん。現代チェコの作曲家イジー・ゲムロト(1957-)の「ルートヴィヒの挨拶」
はベートーヴェンの「ヴァイオリンソナタ第1番」のロンド主題に基づく変奏
曲。ジャズ風の変奏があるのも今風。「ドヴォルザークの主題による変奏曲」
はドヴォルザークの「チェロ協奏曲イ長調」の主題に基づくもので、ドヴォ
ルザークの作風模倣が興味津々。ジェレミー・フィンドレイはトロント出身
で、かのノリントンも絶賛する若手。世界中でひっぱりだこの、今後人気者
となりそうな逸材です。
<Aurora>
ACD 5048 ¥2280
(1)オルヤン・マトレ(1979-):管弦楽のための4つのミニアチュア(2005)
(2)エヴァン・ガードナー(1978-):ライツ・アウト(2006)
(3)ヨルゲン・カールストレム(1981-):トリスタンフィルターII(2003)
(4)ヤン・エリク・ミカルセン(1979-):悪鬼と月(2004)
ロルフ・グプタ(指)ノルウェー放送管弦楽団
2012年度武満徹作曲賞に3位受賞したヤン・エリク・ミカルセン作品に注目。
ノルウェー作曲界新世代の水準の高さを、実感させてくれます。
<audite>
AU 92663(SACD-Hybrid) ¥2300
J.S.バッハ(1685-1750)-ウィリアム・トーマス・ベスト(1826-1897)編:
シャコンヌ(無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番より)BWV1004/5
コラール「最愛のイエスよ、我らここに集いて」BWV731
キルンベルガー・コラールより「主イエス・キリスト、我らを顧みたまえ」
BWV709
コラール「わが心の切なる願い」BWV727
前奏曲とフーガ ホ短調 BWV533
パッサカリア ハ短調 BWV582
トッカータとフーガ ニ短調 BWV565
オルガン小曲集より「主なる神よ、いざ天の扉を開きたまえ」BWV617
シューブラーコラールより「わが魂は主をたたう」BWV648
オルガン小曲集より「天にましますわれらの父よ」BWV636
トッカータ、アダージョとフーガ ハ長調 BWV564
カルステン・ヴィーブッシュ
(org;クライス社制作オルガン(1850年製1966/2010修復))
録音:2011年5月5,6日、カールスルーエ教会
ドイツauditeの社主でプロデューサー&エンジニア、ルトガー・ベッケンホー
フ氏が満を持して送りだす、オルガン録音最新盤は、イギリスのオルガニス
トであったウィリアム・トーマス・ベスト(1826-1897)編曲によるシャコンヌ
を含むバッハオルガン傑作集です。シャコンヌ以外、通常オルガンで演奏さ
れる作品収録されていますが、ここに収録されている演奏では、テンポ、ア
ーティキュレーション、オルガンの音色を選ぶレジストレーションなど全て
ウィリアム・トーマス・ベストによる校訂の楽譜を使用しております。バッ
ハのオルガン曲は壮麗ですが、ベスト校訂版で聴くと、例えば名曲トッカー
タとフーガ ニ短調ではさらにドラマティックに、コラールではより美しく
教会に響き渡ります。オルガンを演奏しているカルステン・ヴィーブッシュ
は南西ドイツの教会音楽を主なレパートリーとし、この録音でも使用してい
るカールスルーエ教会にてオルガン・リサイタル・シリーズ続けております。
当オルガンを知り尽くしたヴィーブッシュだからこその演奏で複雑な組み合
わせをもつオルガンをコントロールし、ベストが思い描いていた音楽を見事
に再現しております。
<VDE GALLO>
GALLO 1379 ¥1880
ヴィンセンツォ・ペトラーリ(1832-1889):6つのグロリア
ギ・ボヴェ(1942-):ミサ・ディ・パスクーア
カルロ・フマガリ(1822-1907):
オルガンのためのミサ・ソレンネ
(ヴェルディ:「アイーダ」「トラヴィアータ」「シチリア島の夕べ」の場面
より)
ギ・ボヴェ(org)
録音:2010年6月9,10日、ティチーノ 聖ピエトロ教会
名手ギ・ボヴェの最新録音はボヴェの自作を含むオルガン作品集です。ボヴェ
は幅広いレパートリーをもち今もなお積極的な演奏活動をしております。日
本では東京オペラシティコンサートホールのオルガンの監修(1997年)を務め、
こけら落としの演奏会は話題となりました。このアルバムに収録しているカ
ルロ・フマガリ作曲のオルガンのためのミサ・ソレンネはヴェルディ作曲の
オペラ「アイーダ」「トラヴィアータ」「シチリア島の夕べ」の美しい場面
をモティーフにした作品で、オルガンの特性にあった非常に華やかな演奏が
印象的です。またボヴェ自身の作品「ミサ・ディ・パスクーア」ではオルガ
ニストの感性で描かれた6つのパートに分かれた素晴らしい作品です。
<Profil>
PH 10050 ¥2180
モーツァルト:
協奏交響曲イ長調K. Anh. 104( 320e) ☆
レチタティーヴォとアリア「うつくしい恋人よ、さようなら…とどまれ、
いとしき人よ」K. 528 ※
アリア「心配しないで愛する人よ」K. 505 #※
プロ・アルテ弦楽三重奏団[豊田耕児(Vn)、ステーファノ・パッサージョ(Va)、
ゲオルク・ドンデラー(Vc)]☆
ディーター・クレッカー(Cl)#
ゲルティ・ツォイマー=ペール(S)※
クラウス・テンシュテット(指揮)
ベルリン・ドイツ交響楽団(ベルリン放送交響楽団)
録音:1974年9月11日(ベルリンRIAS収録)
ハイドン:交響曲第64番イ長調Hob. I-64
クラウス・テンシュテット(指揮)
バーデン=バーデン&フライブルクSWR交響楽団(南西ドイツ放送交響楽団)
録音:1976年8月20日ハンス・ロスバウト・スタジオ(SWR収録)
1970年代の半ば、西側に出て注目を集め始めたころのテンシュテットが、当
時のベルリン放送響と南西ドイツ放送響に客演した際の貴重なライヴ音源が
ProfilよりCD化されます。モーツァルトとハイドンからなる収録曲はすべて、
これまで正規の商業録音では聴くことの出来なかったもので、得意としてい
たマーラーに典型的な落差の激しい表現とは打って変わって、持ち味の思い
きりの良さのなかにも意外なほど端正な音楽運びが印象的で、注目の内容と
いえるでしょう。
「時の移ろい」というニックネームで呼ばれることもあるハイドンの交響曲
第64番は、いわゆる「シュトルム・ウント・ドランク」時代の作品で、ラル
ゴのミステリアスな進行や、おだやかなフィナーレとみせかけて、突如、荒々
しく攻撃的なフレーズや、コントラスト鮮やかに短調に切り替わる場面が現
れたりと、20分ほどの演奏時間のなかに多様な仕掛けが施されています。
この作品はテンシュテットが好んで取り上げていたナンバーのようで、1970
年代後半にキール歌劇場管、ボストン響、ドレスデン・フィルなどとも演奏
していて、あたかもギュンター・ヴァントにおける第76番の例を思わせます。
ちなみに、南西ドイツ放送響を指揮したマーラーの第4交響曲(PH05039)との
カップリングで、当日演奏されていたのもこの曲でした。
<KII>
KKC 2047/48 2枚組 ¥2580
STEREO
モーツァルト:
CD1
(1)ピアノ協奏曲第20番ニ短調 K.466
(2)ピアノ協奏曲第24番ハ短調 K.491
CD2
(1)ピアノ協奏曲第23番イ長調 K.488
(2)ピアノ協奏曲第27番変ロ長調 K.595
ワルター・クリーン(Pf)
ホルスト・シュタイン(20、24、23番)、若杉弘(27番)(指) NHK交響楽団
[1980年2月9日/東京文化会館(20番)、83年3月2日(24番)、
77年12月9日(23番)、89年12月1日(27番)/NHKホール]
ウィーンならではの優雅なピアニズムを日本に伝えてくれた名手ワルター・
クリーン(1928-1991)。彼がNHK交響楽団と共演したモーツァルトの協奏曲が
蘇ります。水晶のようにクリアなタッチと清潔な音楽性はモーツァルトにぴ
ったりなうえ、ホルスト・シュタインがまた絶妙な伴奏を施しています。ピ
アノ協奏曲第27番では、歌曲「春へのあこがれ」をモチーフにしたカデンツァ
も披露していて、当時非常な話題となりました。
KKC 2049/50 2枚組 ¥2580
STEREO
CD1
(1)ドヴォルザーク:交響曲第9番ホ短調Op.95 《新世界より》
(2)リムスキー=コルサコフ:スペイン奇想曲Op.34
(3)エネスコ:ルーマニア狂詩曲第1番イ長調Op.11の1
CD2
(1)チャイコフスキー:交響曲第4番ヘ短調Op.36
(2)アルヴェーン:スウェーデン狂詩曲第1番Op.19 《夏至の徹夜祭》
(3)ドヴォルザーク:スラヴ舞曲第1番ハ長調Op.46
コンスタンティン・シルヴェストリ(指)
NHK交響楽団
[1964年4月5日(CD1(1)(2))、3月21日(CD1(3))、5月2日(CD2)/東京文化会館]
ルーマニア出身の巨匠コンスタンティン・シルヴェストリ(1913-1969)は1964
年にNHK交響楽団と共演していますが、その伝説の演奏が日の目を見ました
彼得意の民族色豊かな作品が並べられていますが、期待通りの爆演。物凄い
推進力とエネルギーでラプソディックな絵巻物が描かれています。定評高い
ドヴォルザークの「新世界」も非常に感動的な演奏となっています。
KKC 2051/52 2枚組 ¥2580
STEREO
CD1
(1)スメタナ:歌劇「売られた花嫁」序曲
(2)ドヴォルザーク:交響曲第9番ホ短調Op.95 《新世界より》
CD2
(1)ヤナーチェク:シンフォニエッタ
(2)同:タラス・ブーリバ
(3)ベートーヴェン:交響曲第1番ハ長調Op.21
ヴァーツラフ・ノイマン(指)NHK交響楽団
[収録:1978年12月1日(CD1)、12月7日(CD2)/NHKホール]
日本にもたびたび客演しておなじみのチェコの巨匠ヴァーツラフ・ノイマン。
1978年の公演では母国を代表するスメタナ、ドヴォルザーク、ヤナーチェクを
採り上げ、NHK交響楽団から濃厚なボヘミア色を引き出しています。特に十八
番の「新世界交響曲」は格別で、しみじみとした味わいは感動的です。珍しい
のがベートーヴェンの交響曲第1番。ノイマン節のユニークな世界に浸れます。
KKC 2053/55 3枚組 ¥3650
STEREO
ベートーヴェン:
CD1
交響曲第3番変ホ長調Op.55「英雄」
CD2
(1)交響曲第5番ハ短調Op.67「運命」
(2)交響曲第6番ヘ長調Op.68「田園」
CD3
交響曲第7番イ長調Op.92
ホルスト・シュタイン(指)
NHK交響楽団
[1985年11月6日/NHKホール(CD1)、92年4月26日(CD2)/サントリーホール、
89年2月3日/NHKホール(CD3)]
NHK交響楽団と最も縁の深い指揮者のひとりホルスト・シュタイン。ワーグナ
ーやブラームスをはじめ、幅広いレパートリーを聴かせてくれましたが、ベ
ートーヴェンの交響曲の名演ぶりが今日でも語り草となっており、発売を希
望される声の多さに今回4曲をラインナップしました。これが予想以上の凄さ
で、さすがドイツ本流のシュタインならではの重厚さと迫力、息つく暇もな
く全曲を聴き通させてしまう充実ぶり。数あるシュタインの録音中でも白眉
と申せましょう。
KKC 2058/59 2枚組 ¥2580
STEREO
CD1
(1)モーツァルト:ピアノ協奏曲第21番ハ長調K.467
(2)同:ピアノ協奏曲第22番変ホ長調K.482
CD2
(1)ショスタコーヴィチ:交響曲第5番ニ短調Op.47
(2)同:バレエ音楽「黄金時代」-ポルカ
ウラディーミル・アシュケナージ(Pfと指)
NHK交響楽団
[1975年5月26日/東京文化会館(CD1)、2004年7月10日/ブルージュ、
コンセルトヘボウ(CD2)]
アシュケナージ、ピアニストとNHK交響楽団首席指揮者両方の顔を見ることが
出来るアルバム。ピアノ協奏曲は、当時38歳のアシュケナージが弾き振りし
たもので、若きアシュケナージならではの輝かしいモーツァルトを聴くこと
ができます。ショスタコーヴィチの交響曲第5番は、NHK交響楽団が2004年7月
に行ったベルギー、ブリュッセルでの公演で、非常な熱演のうえ、当地の聴
衆の反応も興味津々。貴重な記録の復活です。