★ダイレクト・トランスファー CD-R DSD録音 再発売シリーズ★
2006年秋に発売を開始した当シリーズもおかげさまで約200タイトルを発売
する事ができましたが、2月よりマスター制作にDSD録音を採用する事にいた
しました。これまでより更に生々しい音質をお届けする事が出来るようにな
りましたのでご期待下さい。
今月は既発売分78CDR-1060から1069の10タイトルをDSD録音で再発売いたしま
す。商品番号は78CDR-3000番となり、下3桁は共通で使用いたします。従来の
78CDR-1000番台の商品は、当面は販売を継続いたします。
DSD録音による有料サンプラー(\300)も販売開始いたしましたので、ご注文
をお待ちしております。
■製作者からのメッセージ
DSD録音になったグッディーズ・ダイレクト・トランスファーCDR!
従来のCDを高音質化するさまざまな試みが盛んな中で、「グッディーズ・オ
リジナル企画」のダイレクト・トランスファーCDRは、2009年2月発売新譜か
らDSD録音を採用することになりました。DSD録音によって、これまでのSP
復刻からさらに飛躍し、SPレコードの直接再生と区別がつかないところに
到達したと自負しています。DSD録音は従来の方式に較べて中音から低音にか
けての音の形が明瞭になり、高音は一皮剥けた感じです。LPとは比較にな
らない強大な音響勢力を持つSPレコードをカスタムメイドの直熱真空管
フォノイコライザーを使用し、またノイズ除去と共に失われる音楽情報に最
も気を配り一切のノイズリダクションを使用していないのは従来通りです。
(新 忠篤)
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★ダイレクト・トランスファー CD-R DSD録音 再発売シリーズ★
2009年9月新譜 10タイトル
発売予定:2009年9月下旬 価格:各1枚 \1500(税込)
※セット販売ではありません。1枚づつお申し込みいただけます。
78CDR-3060
ドヴォルザーク:チェロ協奏曲ロ短調作品104
パブロ・カザルス(チェロ)
ジョージ・セル指揮
チェコ・フィルハーモニー管弦楽団
米 VICTOR 163665/9(Set DM458)
(英 HIS MASTER'S VOICE DB3288/92 と同一録音)
(1937年4月28日プラハ, ドイチェ・ハウス録音)
チェロのパブロ・カザルス(1876-1973)のボッケリーニに続くソロ協奏曲録音
第2弾にあたる。録音場所には作曲者ドヴォルザークの故郷プラハが選ばれ、
録音時カザルスは61歳だった。指揮者のジョージ・セル(1897-1970)はハンガ
リー生まれ。ウィーンとライプツィヒで学び、10歳の時ピアニストとしてウィ
ーン交響楽団演奏会でデビュー、17歳でベルリン・フィルを指揮した。リヒャ
ルト・シュトラウス(1864-1949)のベルリン・オペラ時代(1915-1917)アシスタ
ントを務めたこともある。1930年から1936年にはチェコ・フィルの音楽監督、
1942年から1946年にはニューヨークのメトロポリタン歌劇を指揮し、1946年
にアメリカ市民となった。1946から1970年までクリーヴランド管弦楽団の音楽
監督を務めた。これはセルが40歳の録音。SP時代のチェコ・フィルのHIS
MASTER'S VOICE録音はほとんどがロンドンで行われた中で、プラハでの録音
は珍しい。ちなみにセル指揮チェコ・フィルのドヴォルザーク:「新世界」
(78CDR-1104)は1937年10月30日のロンドン、アビー・ロード第1スタジオ録音
だった。カザルスはこのシリーズでJ.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲第2番&第3番
(78CDR-3004, 78CDR-1100)第4番&第5番(78CDR-1070)、ボッケリーニ:チェロ
協奏曲(78CDR-3030)、ブラームス:チェロ・ソナタ第2番(78CDR-1084)、エルガ
ー:チェロ協奏曲 78CDR-1137)が出ている。
78CDR-3061
ショパン:エチュード作品25(全12曲)
アルフレッド・コルトー(ピアノ)
英 HIS MASTER'S VOICE DB12308/10
(1934年6月18-19日ロンドン、アビー・ロード第3スタジオ録音)
20世紀最高のピアニスト、アルフレッド・コルトー(1877-1962)のショパン:エ
チュード集作品10(78CDR-3001)と対になるもので、録音は作品10の1年後のも
の。コルトーは録音時57歳だった。曲順はSPレコードの順のままで収録した。
コルトーは第2次世界大戦中の1942年にパリでエチュードを再録音している。
このシリーズのコルトーはショパン:ピアノ協奏曲第2番(78CDR-3000)、サン=
サーンスピアノ協奏曲第4番(78CDR-3009)、ラヴェル:左手のためのピアノ協奏
曲(78CDR-3032)、ショパン:ピアノ・ソナタ第3番 78CDR-3051)が発売されている。
78CDR-3062
モーツァルト:弦楽四重奏曲第15番ニ短調 K.421
レナー弦楽四重奏団
イェノ・レナー(第1ヴァイオリン)
ヨーゼフ・スミロヴィッツ(第2ヴァイオリン)
シャーンドル・ロート(ヴィオラ)
イムレ・ハルトマン(チェロ)
英 COLUMBIA L1965/7
(1926年3月26日ロンドン録音)
レナー弦楽四重奏団は20世紀前半の活躍したハンガリー出身の名団体。メンバ
ーはブダペスト音楽院出身で、デビュー前の2年間は田舎の村にこもって一日
12時間の練習を重ねたと伝えられる。1922年ロンドンにデビューして絶賛され、
同時にイギリス・コロンビアの専属アーティストとなった。この録音は電気録
音最初期の1926年3月のもの。SP時時代の決定盤だった。このシリーズのレナ
ー弦楽四重奏団はモーツァルト:クラリネット五重奏曲(78CDR-3045)、モーツァ
ルト:弦楽四重奏曲第14番(78CDR-3055)、モーツァルト:弦楽五重奏曲K.516
(78CDR-1085)、モーツァルト:弦楽四重奏曲第17番「狩り」(78CDR-1097)、
モーツァルト:弦楽四重奏曲第19番「不協和音」(78CDR-3196)が出ている。
78CDR-3063
スーク:4つの小品作品17
第1曲 クワジ・バラータ
第2曲 アパショナータ
第3曲 ウン・ポコ・トリステ
第4曲 ブルレスク
ジネット・ヌヴー(ヴァイオリン)
ジャン・ヌヴー(ピアノ)
英 HIS MASTER'S VOICE DB6359/60
(1946年8月12-14日ロンドン, アビー・ロード第3スタジオ録音)
ジネット・ヌヴー(1919-1949)はアメリカへの演奏旅行に向かう航空機事故で
30歳の生涯を終えた。ジョルジュ・エネスコ(1881-1955)に手ほどきを受けた
後、11歳でパリ音楽院のジュール・ブーシュリ(1878-1962)にクラスにはいり、
8カ月後に一等賞を得た。8カ月は50年前にヴィエニャフスキ(1835-1880)が打
ち立てた記録と同じだった。その後ベルリンでカール・フレッシュ(1873-1944)
のもとで研鑽を積んだ。1935年ワルシャワで開かれたヴィエニャフスキ・ヴァ
イオリン・コンクールに16歳で参加し、180人の競争者に勝ち抜き優勝した。
その時の第2位はソ連から参加した27歳のダヴィド・オイストラフ(1908-1974)
だった。ヌヴーはこのシリーズでブラームス:ヴァイオリン協奏曲(78CDR-3003)、
シベリウス:ヴァイオリン協奏曲(78CDR-3017)、R.シュトラウス:ヴァイオリン
・ソナタ(78CDR-1076)が出ている。
78CDR-3064
ドビュッシー:フルート、ヴィオラとハープのためのソナタ
マルセル・モイーズ(フルート)
ウジェーヌ・ジノ(ヴィオラ)
リリー・ラスキーヌ(ハープ)
仏 ODEON 165.243/5
(1928年2月3日録音)
フルートのマルセル・モイーズ(1889-1984)はパリ音楽院でポール・タファネル
(1844-1908)、アドルフ・エンヌバン、フィリップ・ゴーベール(1879-1941)ら
に師事し1906年に一等賞を得、1908年にソロ・デビューした。1913年から1938
年にオペラ・コミック、1922年から33年にはストララム管弦楽団に席を置いた。
1932年から1949年にパリ音楽院の教授もつとめた。1952年にルドルフ・ゼルキ
ン(1903-1991) 、アドルフ・ブッシュ(1891-1952)と共に若い音楽家を育成する
マールボロ音楽祭の創立に加わった。SPレコードの録音も多い。ハープのリ
リー・ラスキーヌ(1893-1988)は12歳の時パリ音楽院で一等賞を得た。コンセ
ール・ラムルーのハープ奏者であったが、ソロ奏者としても活躍した。1948年
から1958年にはパリ音楽院の教授も務めた。ラスキーヌもSPレコード時代か
ら、LP時代、ステレオ時代と録音が多い。
78CDR-3065
機械式録音盤(電気録音以前)
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第5番イ長調 K.219-第3楽章
マスネ=マルシック編:タイスの瞑想曲
ジュール・ブーシュリ(ヴァイオリン)
ルイ・ディエメール(ピアノ)
仏 ZONOPHONE X77906/77913
(1906年パリ録音)
ジュール・ブーシュリ(1878-1962)はフランスのヴァイオリニスト。ジャック・
ティボー(1880-1953)の2歳年上で、1892年に15歳でパリ音楽院の一等賞を得た。
ちなみにティボーは1897年に17歳で一等賞を得た。モーツァルトの演奏を得意
としたブーシュリだったが、病弱のため早い時期にコンサート活動を停止しパ
リ音楽院のヴァイオリン科の教授として後進を育成にあたった。録音は1906年、
28歳の時に13面を残したのみで、これはその中の2面である。ブーシュリの弟子
には、後にブーシュリ夫人となったドゥニーズ・ソリアーノ(1916-2006)、ジャ
ニーヌ・アンドラード(1918-)、ジネット・ヌヴー(1919-1949)、ローラ・ボベ
スコ(1919-2003)、イヴリー・ギトリス(1922-)、ミシェール・オークレール
(1924-2005)、ドゥヴィ・エルリー(1928-)ほかがいる。ピアニストの名前はレ
ーベルに記載されていないが、ルイ・ディエメール(1843-1919)という説があ
る。ディエメールはパリ音楽院のピアノ科の教授として弟子にコルトー(1877-
1962)、リスレル(1873-1929)、カザドゥシュ(1899-1972)らがいた。ヴァイオ
リニストとしてのブーシュリは電気時代になってからは録音をしなかったが、
愛弟子ソリアーノのために指揮棒を取ったモーツァルト:ヴァイオリン協奏曲
第3番がこのシリーズ(78CDR-1031)で発売されている。
78CDR-3066
機械式録音盤(電気録音以前)
クライスラー:プロヴァンスの朝の歌-L.クープランの様式による
ダンブロジオ:セレナード作品4
ジョルジュ・エネスコ(ヴァイオリン)
エドワード・C・ハリス(ピアノ)
米 COLUMBIA 20023-D(1924年ニューヨーク録音)
ジョルジュ・エネスコ(1881-1955)はルーマニアに生まれた。ヴァイオリンは
4歳で作曲を5歳で始めた。1888年、7歳でウィーン音楽院に入学を許され、
1893年、12歳で音楽院の最高栄誉賞メダルを得た。1894年パリ音楽院に入学、
1899年までにヴァイオリンをマルシック(1848-1924)、和声法と作曲をアンドレ
・ゲダルジュ(1856-1926)、ガブリエル・フォーレ(1845-1924)、ジュール・マ
スネ(1842-1914)に師事し、1899年にヴァイオリンで一等賞を得た。1902年に
ベルリン・デビュー、1903年にはロンドンを訪問した。1910年にはピアニスト
のエドゥアール・リスレル(1873-1929)とベートーヴェンのヴァイオリン・ソナ
タの全曲演奏会を開いた。1917年には祖国のルーマニアの首都ブカレトにエネ
スコの名を冠したオーケストラを作った。1923年には初のアメリカ楽旅をし、
その後生涯に14回この地を訪れた。第2次世界大戦中は祖国に留り、ヴァイオ
リン演奏、指揮、作曲と後進の指導にあたった。この録音は1923年にアメリカ
訪問をした時にニューヨークのコロンビアで行ったものの2曲で録音時エネス
コは42歳だった。彼は1929年にもニューヨークで12面6枚の電気録音を行った。
このシリーズでショーソン:詩曲(78CDR-3018)とヘンデル:ヴァイオリン・ソナ
タ第4番(78CDR-3035)、プニャーニ:ラルゴ・エスプレッシーヴォ、クライスラ
ー:テンポ・ディ・メヌエット、コレッリ:ラ・フォリア(78CDR-1088)が出ている。
78CDR-3067
機械式録音盤(電気録音以前)
マルシック:スケルツァンド作品 6-2
J.S.バッハ:
ガヴォット-無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第3番ホ長調 BWV1006 より
ジャック・ティボー(ヴァイオリン)
ピアノ伴奏(1)
伊 FONOTIPIA 39087/39222
(1905年マルシック、1904年バッハ、パリ録音)
20世紀フランス最高のヴァイオリニスト、ジャック・ティボー(1880-1953)は
1893年14歳でパリ音楽院にはいりマルシックに師事した。1897年一等賞を得た。
卒業後生計を立てるためパリのカフェ・ルージュで演奏しているところを指揮
者エドゥアール・コロンヌ(1838-1910)に見出され、コロンヌの主宰するオー
ケストラに入った。ある日急病のコンサート・マスターの代役を務めていたと
き、サン=サーンスのオラトリオ「大洪水」の前奏曲のソロ・パートを弾き、
聴衆から絶賛され、以降コロンヌのソリストとしてパリの楽壇の寵児となった。
1903年にアメリカにデビュー世界的なヴァイオリニストとして名声を確立した。
この録音は1904年のティボーの初レコードで、録音時ティボーは24歳だった。
このシリーズでティボーはベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第9番「クロ
イツェル」(78CDR-3015)、ドビュッシー:ヴァイオリン・ソナタ(78CDR-3044)、
J.S.バッハ:ヴァイオリン協奏曲第2番(78CDR-1071)、モーツァルトヴァイオリ
ン協奏曲第6番 K.268(78CDR-1080)、ブラームス:ヴァイオリンとチェロのため
の複協奏曲(78CDR-1101)、モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第3番 K.216
(78CDR-1118)、モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第5番 K.219(78CDR-3209)が
出ている。
78CDR-3068
機械式録音盤(電気録音以前)
ヴィターリ:シャコンヌ ト短調
ヴァーシャ・プシホダ(ヴァイオリン)
ブルーノ・ザイトラー=ヴィンクラー(オルガン)
独 GRAMMOPHON 68074/6
(1923年録音)
ヴァーシャ・プシホダ(1900-1960)チェコのヴォズナニーに生まれたヴァイオリ
ニスト。11歳でプラハ音楽院に入った。ミラノの演奏会に居合わせた大指揮者
アルトゥーロ・トスカニーニ(1867-1957)を驚嘆させ、「新しいパガニーニ」
と称賛したのがきっかけで、ヨーロッパ諸国で認められた。1921年にアメリカ
・デビュー、1927年にはロンドン公演をした。この録音はプシホダの最初期の
もので、伴奏がシートマイヤー・フリューゲル(オルガン)である。片面盤3面
に収録されたノーカット版であることもこの時代には珍しい。ブルーノ・ザイ
トラー=ヴィンクラー(1880-1960)はベルリン生まれ。ピアノの神童と言われ
た。録音プロデューサの草分けで、作曲・編曲・オーケストラ指揮・ピアノ伴
奏のすべてをこなした多才な音楽家。19世紀末からドイツ・グラモフォンで活
躍し、ベートーヴェンの交響曲第5番「運命」や第9番「合唱」の電気以前の録
音もある。1935年から1944年はドイツ・エレクトローラの専属だった。
78CDR-3069
機械式録音盤(電気録音以前)
ドヴォルザーク=ウィルヘルミ編:ユモレスク
ヴェチェイ:奇想曲第2番「滝」
フランツ・フォン・ヴェチェイ(ヴァイオリン)
カロル・シュレター(ピアノ)
独 VOX 06294
(1925年録音)
フランツ・フォン・ヴェチェイ(1893-1935)はハンガリー生まれ。ブダペスト
音楽院でイェノ・フバイ(1858-1937)に師事した。神童で10歳の時に大ヴァイ
オリニスト、ヨーゼフ・ヨアヒム(1831-1907)の指揮でベートーヴェンのヴァ
イオリン協奏曲を弾いた。42歳で惜しまれつつ早逝した。シベリウス(1865-
1957)のヴァイオリン協奏曲はヴェチェイに献呈された。ドイツのVOX 社は機
械式録音時代の末期に存在したレコード会社。機械式録音に自信があったため
電気録音に乗り遅れ倒産した。他社が電気に切り換えた後の1927年まで旧式録
音を継続していた。
2006年秋に発売を開始した当シリーズもおかげさまで約200タイトルを発売
する事ができましたが、2月よりマスター制作にDSD録音を採用する事にいた
しました。これまでより更に生々しい音質をお届けする事が出来るようにな
りましたのでご期待下さい。
今月は既発売分78CDR-1060から1069の10タイトルをDSD録音で再発売いたしま
す。商品番号は78CDR-3000番となり、下3桁は共通で使用いたします。従来の
78CDR-1000番台の商品は、当面は販売を継続いたします。
DSD録音による有料サンプラー(\300)も販売開始いたしましたので、ご注文
をお待ちしております。
■製作者からのメッセージ
DSD録音になったグッディーズ・ダイレクト・トランスファーCDR!
従来のCDを高音質化するさまざまな試みが盛んな中で、「グッディーズ・オ
リジナル企画」のダイレクト・トランスファーCDRは、2009年2月発売新譜か
らDSD録音を採用することになりました。DSD録音によって、これまでのSP
復刻からさらに飛躍し、SPレコードの直接再生と区別がつかないところに
到達したと自負しています。DSD録音は従来の方式に較べて中音から低音にか
けての音の形が明瞭になり、高音は一皮剥けた感じです。LPとは比較にな
らない強大な音響勢力を持つSPレコードをカスタムメイドの直熱真空管
フォノイコライザーを使用し、またノイズ除去と共に失われる音楽情報に最
も気を配り一切のノイズリダクションを使用していないのは従来通りです。
(新 忠篤)
==================================
★ダイレクト・トランスファー CD-R DSD録音 再発売シリーズ★
2009年9月新譜 10タイトル
発売予定:2009年9月下旬 価格:各1枚 \1500(税込)
※セット販売ではありません。1枚づつお申し込みいただけます。
78CDR-3060
ドヴォルザーク:チェロ協奏曲ロ短調作品104
パブロ・カザルス(チェロ)
ジョージ・セル指揮
チェコ・フィルハーモニー管弦楽団
米 VICTOR 163665/9(Set DM458)
(英 HIS MASTER'S VOICE DB3288/92 と同一録音)
(1937年4月28日プラハ, ドイチェ・ハウス録音)
チェロのパブロ・カザルス(1876-1973)のボッケリーニに続くソロ協奏曲録音
第2弾にあたる。録音場所には作曲者ドヴォルザークの故郷プラハが選ばれ、
録音時カザルスは61歳だった。指揮者のジョージ・セル(1897-1970)はハンガ
リー生まれ。ウィーンとライプツィヒで学び、10歳の時ピアニストとしてウィ
ーン交響楽団演奏会でデビュー、17歳でベルリン・フィルを指揮した。リヒャ
ルト・シュトラウス(1864-1949)のベルリン・オペラ時代(1915-1917)アシスタ
ントを務めたこともある。1930年から1936年にはチェコ・フィルの音楽監督、
1942年から1946年にはニューヨークのメトロポリタン歌劇を指揮し、1946年
にアメリカ市民となった。1946から1970年までクリーヴランド管弦楽団の音楽
監督を務めた。これはセルが40歳の録音。SP時代のチェコ・フィルのHIS
MASTER'S VOICE録音はほとんどがロンドンで行われた中で、プラハでの録音
は珍しい。ちなみにセル指揮チェコ・フィルのドヴォルザーク:「新世界」
(78CDR-1104)は1937年10月30日のロンドン、アビー・ロード第1スタジオ録音
だった。カザルスはこのシリーズでJ.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲第2番&第3番
(78CDR-3004, 78CDR-1100)第4番&第5番(78CDR-1070)、ボッケリーニ:チェロ
協奏曲(78CDR-3030)、ブラームス:チェロ・ソナタ第2番(78CDR-1084)、エルガ
ー:チェロ協奏曲 78CDR-1137)が出ている。
78CDR-3061
ショパン:エチュード作品25(全12曲)
アルフレッド・コルトー(ピアノ)
英 HIS MASTER'S VOICE DB12308/10
(1934年6月18-19日ロンドン、アビー・ロード第3スタジオ録音)
20世紀最高のピアニスト、アルフレッド・コルトー(1877-1962)のショパン:エ
チュード集作品10(78CDR-3001)と対になるもので、録音は作品10の1年後のも
の。コルトーは録音時57歳だった。曲順はSPレコードの順のままで収録した。
コルトーは第2次世界大戦中の1942年にパリでエチュードを再録音している。
このシリーズのコルトーはショパン:ピアノ協奏曲第2番(78CDR-3000)、サン=
サーンスピアノ協奏曲第4番(78CDR-3009)、ラヴェル:左手のためのピアノ協奏
曲(78CDR-3032)、ショパン:ピアノ・ソナタ第3番 78CDR-3051)が発売されている。
78CDR-3062
モーツァルト:弦楽四重奏曲第15番ニ短調 K.421
レナー弦楽四重奏団
イェノ・レナー(第1ヴァイオリン)
ヨーゼフ・スミロヴィッツ(第2ヴァイオリン)
シャーンドル・ロート(ヴィオラ)
イムレ・ハルトマン(チェロ)
英 COLUMBIA L1965/7
(1926年3月26日ロンドン録音)
レナー弦楽四重奏団は20世紀前半の活躍したハンガリー出身の名団体。メンバ
ーはブダペスト音楽院出身で、デビュー前の2年間は田舎の村にこもって一日
12時間の練習を重ねたと伝えられる。1922年ロンドンにデビューして絶賛され、
同時にイギリス・コロンビアの専属アーティストとなった。この録音は電気録
音最初期の1926年3月のもの。SP時時代の決定盤だった。このシリーズのレナ
ー弦楽四重奏団はモーツァルト:クラリネット五重奏曲(78CDR-3045)、モーツァ
ルト:弦楽四重奏曲第14番(78CDR-3055)、モーツァルト:弦楽五重奏曲K.516
(78CDR-1085)、モーツァルト:弦楽四重奏曲第17番「狩り」(78CDR-1097)、
モーツァルト:弦楽四重奏曲第19番「不協和音」(78CDR-3196)が出ている。
78CDR-3063
スーク:4つの小品作品17
第1曲 クワジ・バラータ
第2曲 アパショナータ
第3曲 ウン・ポコ・トリステ
第4曲 ブルレスク
ジネット・ヌヴー(ヴァイオリン)
ジャン・ヌヴー(ピアノ)
英 HIS MASTER'S VOICE DB6359/60
(1946年8月12-14日ロンドン, アビー・ロード第3スタジオ録音)
ジネット・ヌヴー(1919-1949)はアメリカへの演奏旅行に向かう航空機事故で
30歳の生涯を終えた。ジョルジュ・エネスコ(1881-1955)に手ほどきを受けた
後、11歳でパリ音楽院のジュール・ブーシュリ(1878-1962)にクラスにはいり、
8カ月後に一等賞を得た。8カ月は50年前にヴィエニャフスキ(1835-1880)が打
ち立てた記録と同じだった。その後ベルリンでカール・フレッシュ(1873-1944)
のもとで研鑽を積んだ。1935年ワルシャワで開かれたヴィエニャフスキ・ヴァ
イオリン・コンクールに16歳で参加し、180人の競争者に勝ち抜き優勝した。
その時の第2位はソ連から参加した27歳のダヴィド・オイストラフ(1908-1974)
だった。ヌヴーはこのシリーズでブラームス:ヴァイオリン協奏曲(78CDR-3003)、
シベリウス:ヴァイオリン協奏曲(78CDR-3017)、R.シュトラウス:ヴァイオリン
・ソナタ(78CDR-1076)が出ている。
78CDR-3064
ドビュッシー:フルート、ヴィオラとハープのためのソナタ
マルセル・モイーズ(フルート)
ウジェーヌ・ジノ(ヴィオラ)
リリー・ラスキーヌ(ハープ)
仏 ODEON 165.243/5
(1928年2月3日録音)
フルートのマルセル・モイーズ(1889-1984)はパリ音楽院でポール・タファネル
(1844-1908)、アドルフ・エンヌバン、フィリップ・ゴーベール(1879-1941)ら
に師事し1906年に一等賞を得、1908年にソロ・デビューした。1913年から1938
年にオペラ・コミック、1922年から33年にはストララム管弦楽団に席を置いた。
1932年から1949年にパリ音楽院の教授もつとめた。1952年にルドルフ・ゼルキ
ン(1903-1991) 、アドルフ・ブッシュ(1891-1952)と共に若い音楽家を育成する
マールボロ音楽祭の創立に加わった。SPレコードの録音も多い。ハープのリ
リー・ラスキーヌ(1893-1988)は12歳の時パリ音楽院で一等賞を得た。コンセ
ール・ラムルーのハープ奏者であったが、ソロ奏者としても活躍した。1948年
から1958年にはパリ音楽院の教授も務めた。ラスキーヌもSPレコード時代か
ら、LP時代、ステレオ時代と録音が多い。
78CDR-3065
機械式録音盤(電気録音以前)
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第5番イ長調 K.219-第3楽章
マスネ=マルシック編:タイスの瞑想曲
ジュール・ブーシュリ(ヴァイオリン)
ルイ・ディエメール(ピアノ)
仏 ZONOPHONE X77906/77913
(1906年パリ録音)
ジュール・ブーシュリ(1878-1962)はフランスのヴァイオリニスト。ジャック・
ティボー(1880-1953)の2歳年上で、1892年に15歳でパリ音楽院の一等賞を得た。
ちなみにティボーは1897年に17歳で一等賞を得た。モーツァルトの演奏を得意
としたブーシュリだったが、病弱のため早い時期にコンサート活動を停止しパ
リ音楽院のヴァイオリン科の教授として後進を育成にあたった。録音は1906年、
28歳の時に13面を残したのみで、これはその中の2面である。ブーシュリの弟子
には、後にブーシュリ夫人となったドゥニーズ・ソリアーノ(1916-2006)、ジャ
ニーヌ・アンドラード(1918-)、ジネット・ヌヴー(1919-1949)、ローラ・ボベ
スコ(1919-2003)、イヴリー・ギトリス(1922-)、ミシェール・オークレール
(1924-2005)、ドゥヴィ・エルリー(1928-)ほかがいる。ピアニストの名前はレ
ーベルに記載されていないが、ルイ・ディエメール(1843-1919)という説があ
る。ディエメールはパリ音楽院のピアノ科の教授として弟子にコルトー(1877-
1962)、リスレル(1873-1929)、カザドゥシュ(1899-1972)らがいた。ヴァイオ
リニストとしてのブーシュリは電気時代になってからは録音をしなかったが、
愛弟子ソリアーノのために指揮棒を取ったモーツァルト:ヴァイオリン協奏曲
第3番がこのシリーズ(78CDR-1031)で発売されている。
78CDR-3066
機械式録音盤(電気録音以前)
クライスラー:プロヴァンスの朝の歌-L.クープランの様式による
ダンブロジオ:セレナード作品4
ジョルジュ・エネスコ(ヴァイオリン)
エドワード・C・ハリス(ピアノ)
米 COLUMBIA 20023-D(1924年ニューヨーク録音)
ジョルジュ・エネスコ(1881-1955)はルーマニアに生まれた。ヴァイオリンは
4歳で作曲を5歳で始めた。1888年、7歳でウィーン音楽院に入学を許され、
1893年、12歳で音楽院の最高栄誉賞メダルを得た。1894年パリ音楽院に入学、
1899年までにヴァイオリンをマルシック(1848-1924)、和声法と作曲をアンドレ
・ゲダルジュ(1856-1926)、ガブリエル・フォーレ(1845-1924)、ジュール・マ
スネ(1842-1914)に師事し、1899年にヴァイオリンで一等賞を得た。1902年に
ベルリン・デビュー、1903年にはロンドンを訪問した。1910年にはピアニスト
のエドゥアール・リスレル(1873-1929)とベートーヴェンのヴァイオリン・ソナ
タの全曲演奏会を開いた。1917年には祖国のルーマニアの首都ブカレトにエネ
スコの名を冠したオーケストラを作った。1923年には初のアメリカ楽旅をし、
その後生涯に14回この地を訪れた。第2次世界大戦中は祖国に留り、ヴァイオ
リン演奏、指揮、作曲と後進の指導にあたった。この録音は1923年にアメリカ
訪問をした時にニューヨークのコロンビアで行ったものの2曲で録音時エネス
コは42歳だった。彼は1929年にもニューヨークで12面6枚の電気録音を行った。
このシリーズでショーソン:詩曲(78CDR-3018)とヘンデル:ヴァイオリン・ソナ
タ第4番(78CDR-3035)、プニャーニ:ラルゴ・エスプレッシーヴォ、クライスラ
ー:テンポ・ディ・メヌエット、コレッリ:ラ・フォリア(78CDR-1088)が出ている。
78CDR-3067
機械式録音盤(電気録音以前)
マルシック:スケルツァンド作品 6-2
J.S.バッハ:
ガヴォット-無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第3番ホ長調 BWV1006 より
ジャック・ティボー(ヴァイオリン)
ピアノ伴奏(1)
伊 FONOTIPIA 39087/39222
(1905年マルシック、1904年バッハ、パリ録音)
20世紀フランス最高のヴァイオリニスト、ジャック・ティボー(1880-1953)は
1893年14歳でパリ音楽院にはいりマルシックに師事した。1897年一等賞を得た。
卒業後生計を立てるためパリのカフェ・ルージュで演奏しているところを指揮
者エドゥアール・コロンヌ(1838-1910)に見出され、コロンヌの主宰するオー
ケストラに入った。ある日急病のコンサート・マスターの代役を務めていたと
き、サン=サーンスのオラトリオ「大洪水」の前奏曲のソロ・パートを弾き、
聴衆から絶賛され、以降コロンヌのソリストとしてパリの楽壇の寵児となった。
1903年にアメリカにデビュー世界的なヴァイオリニストとして名声を確立した。
この録音は1904年のティボーの初レコードで、録音時ティボーは24歳だった。
このシリーズでティボーはベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第9番「クロ
イツェル」(78CDR-3015)、ドビュッシー:ヴァイオリン・ソナタ(78CDR-3044)、
J.S.バッハ:ヴァイオリン協奏曲第2番(78CDR-1071)、モーツァルトヴァイオリ
ン協奏曲第6番 K.268(78CDR-1080)、ブラームス:ヴァイオリンとチェロのため
の複協奏曲(78CDR-1101)、モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第3番 K.216
(78CDR-1118)、モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第5番 K.219(78CDR-3209)が
出ている。
78CDR-3068
機械式録音盤(電気録音以前)
ヴィターリ:シャコンヌ ト短調
ヴァーシャ・プシホダ(ヴァイオリン)
ブルーノ・ザイトラー=ヴィンクラー(オルガン)
独 GRAMMOPHON 68074/6
(1923年録音)
ヴァーシャ・プシホダ(1900-1960)チェコのヴォズナニーに生まれたヴァイオリ
ニスト。11歳でプラハ音楽院に入った。ミラノの演奏会に居合わせた大指揮者
アルトゥーロ・トスカニーニ(1867-1957)を驚嘆させ、「新しいパガニーニ」
と称賛したのがきっかけで、ヨーロッパ諸国で認められた。1921年にアメリカ
・デビュー、1927年にはロンドン公演をした。この録音はプシホダの最初期の
もので、伴奏がシートマイヤー・フリューゲル(オルガン)である。片面盤3面
に収録されたノーカット版であることもこの時代には珍しい。ブルーノ・ザイ
トラー=ヴィンクラー(1880-1960)はベルリン生まれ。ピアノの神童と言われ
た。録音プロデューサの草分けで、作曲・編曲・オーケストラ指揮・ピアノ伴
奏のすべてをこなした多才な音楽家。19世紀末からドイツ・グラモフォンで活
躍し、ベートーヴェンの交響曲第5番「運命」や第9番「合唱」の電気以前の録
音もある。1935年から1944年はドイツ・エレクトローラの専属だった。
78CDR-3069
機械式録音盤(電気録音以前)
ドヴォルザーク=ウィルヘルミ編:ユモレスク
ヴェチェイ:奇想曲第2番「滝」
フランツ・フォン・ヴェチェイ(ヴァイオリン)
カロル・シュレター(ピアノ)
独 VOX 06294
(1925年録音)
フランツ・フォン・ヴェチェイ(1893-1935)はハンガリー生まれ。ブダペスト
音楽院でイェノ・フバイ(1858-1937)に師事した。神童で10歳の時に大ヴァイ
オリニスト、ヨーゼフ・ヨアヒム(1831-1907)の指揮でベートーヴェンのヴァ
イオリン協奏曲を弾いた。42歳で惜しまれつつ早逝した。シベリウス(1865-
1957)のヴァイオリン協奏曲はヴェチェイに献呈された。ドイツのVOX 社は機
械式録音時代の末期に存在したレコード会社。機械式録音に自信があったため
電気録音に乗り遅れ倒産した。他社が電気に切り換えた後の1927年まで旧式録
音を継続していた。