マーベラスS

King Of Western-Swing!!
歌と食と酒、それに声のページ。

新地のシメ

2009-11-19 10:03:23 | 




しめなくてもいいのに、何故かシメてしまう、飲んだあと。

うちでは「飲んだら食欲がバカになる…」と言われている。
ま、それも一理ある。

北の新地においては、この店の強烈な磁力に吸い寄せられる。



っつうか、カレーうどんの誘惑に。

シャブシャブのだしの多いのもあるが、ここのはしっかりと
カレーの濃度があって、そのピリッとした刺激が酒に草臥れた
胃袋に染みとおる。



全汁たいらげ状態。



          うどん香川    大阪市北区曽根崎新地 永楽町通 


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ある夜の夜回り・・・

2009-11-13 03:39:20 | 

グリルなんとか・・・という響きに弱い。
その屋号だけで、揚げ油とドミグラスソースとバターの匂いがしてきそうな気がする。ここもなんか佇まいが懐かしくて、久々に行ってみる。



昼間はサラリーマンに人気のランチが中心。夜は居酒屋メニューを出し、奥の入れ込みの席は会社帰りの男女で混み合う。
こっちは一人なんでカウンターへ。

迷ったが、Aランチを当てずっぽうでたのむ。
待つ間、新聞を2紙ほどすっと出してくれるのも、さすがはビジネス街のサービス。



熱いポタージュスープが出る。




ポークピカタとサーモンフライ。 ああ、以前もこれを頼んでしまい、またしても・・・。直球の洋食が食べたい時にこれは変化球過ぎる。大体、我が人生において「ポークピカタ食べたい」だの「サーモンフライ食いたい」なんて思ったことは皆無である。
旨い不味いでいうと、旨い。だが、ポークカツやミンチカツやハンバーグにかぶりつきたい時にこれは不味いというべきだろう。

実はこういう軽いしくじりに会うことは多々ある。次回はBランチにしてみるか。それもバクチなら、はっきりトンカツランチとかにしようっと。そんな小さな決意をここへ書くな。

グリル・アイさんに責任はない。北区豊崎にある下町洋食屋。今ではこんな店もなかなか会えなくなった。洋食には白ごはんが絶対である。

さて、夜更けて玉造へと向かった。
何年ぶりかで来た、おでんの「きくや」。醤油っぽいだしではなく、塩系のだし。大阪のトラッド系おでんなので、ボコボコ煮立てる。



ことに梅焼きが懐かしい。知ってる?梅焼き。
すり身と卵白とかの練り物で、梅の花をかたどってある。
紅くて紅梅をかたどり、うずら卵が入っているのもあるが、あれは別物。基本何にも入っていない。

二人で何種類か食べたが、おでんの画像がまるでなし。
あるのは・・・



梅きゅうとか、おばあちゃん宅で食ったような漬物。
ちゃんと魔法の粉がかかっている。



そこから西九条へと移動。
駅前の19番街トンネル横丁へ。環状線の高架下を突き抜けるように何軒かの呑み屋が肩寄せ合っている。



夜9時をまわるとこんな感じで、ちょっと覇気がない。



「ちよちゃん」でビール。
屋号は、カウンター内でもてなすお母ちゃんの亡き母親の名前。



ちよちゃん冷奴。豆腐の上にとろろとキムチ、山盛りの花かつお。ボリュームあり。



名物ねぎ焼きがでかい。 右に置いた携帯と比べてみると。



此花区の工場群が元気だった時代、この会社はこの店、と
行き先が決まっていたという。今は閑散。
でも下手な呑み屋へ行くよかよほどいい。
一回りしてきて、やはり横丁に戻り、「玉や」へ。


焼酎お湯わり。お通しは揚げ焼売。



名前忘れたが、キャベツにかけただけ。
ひねりないが旨いには旨い。


ご存じ、ショウガの天ぷらは大阪庶民の味。
あ、ここは天ぷらが売りの店。
店のおにいちゃんは後ろ向きなことをぼやいていたが。



それではいけません。言葉に出すと現実になってしまうよ。
西九条、まだまだ面白い街にしてもらわなきゃ困ります。

すじ煮込みと玉子。シチューにスクランブルエッグのようでしょ。
ご飯にかけたいぐらい。



               グリル・アイ    北区豊崎3     地下鉄中津
       おでん・きくや  東成区東小橋1 JR玉造スグ
       ちよちゃん     此花区西九条4 JR西九条スグ
       玉や           〃   トンネル横丁内


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たよりにしてまっせ・・・

2009-11-11 01:34:21 | 芸能


        

誤解を招くのは本意ではないが、森繁さんの眼は嘘つきの眼をしているように思えてならない。演じてきた役柄からだろうが、どこか狡い、計算高いものを感じて仕方がない。完全な善人ではなく、どこかうさんくさい。そう映ることをご本人も自覚していたはずだ。

だがその眼は半端でなく超一流の嘘つきの眼だった。よってアナウンサーから転身、舞台に映画にと大成することができた。「夫婦善哉」の柳吉の眼、「社長シリーズ」の社長の眼は甘い汁を吸うためなら出し抜く眼をしているのが判るだろう。

晩年、多くの年下の俳優たちを見送りながらも、何処まで本気なのかトボけたことを言っては記者を煙に巻き、何処吹く風みたいな顔してボクの同僚の女性ディレクターの手を握り、尻を撫でまわした。ボクには小狡く老いてボケた老人を演じているようにしか思えなかった。

一流の嘘つき森繁さんは喜劇の後輩たちに、最初はドタバタを演じていても、長じてシリアスな演技者にならねばならない、と説いた。伴淳も三木のり平も渥美清もある年代から、喜劇的なものを排した演技をするようになり、中原弓彦(小林信彦)が「森繁病」と名付け悔しがったように、日本の喜劇に乾いたスラップスティックコメディが育たぬ土壌を作るのに寄与した。森繁さんと対極的な存在がエノケン、榎本健一であり、若き日ムーランルージュで一緒だった由利徹である。シリアスな演技に転じた森繁さんが文化勲章をもらい、エノケンはともかく由利は無冠に終わっている。


森繁さんの「知床旅情」には元歌がある。
もうひとつの知床旅情のことを記した、4年前の久世光彦氏の週刊新潮の連載の切り抜きが手元にある。偶然、昨日の夜引っ張り出していた。虫の知らせか。

それは昭和35年、森繁プロダクションを設立し映画製作に臨んだ「地の涯に生きるもの」(監督:久松静児)の主題歌に森繁さん自身が書いたものだ。メロディは知床…と同じ。ここに再録させていただき、巨大な俳優の追悼とさせてもらう。


オホーツクの海原  ただ白く凍て果て
生命あるものは  暗い雲の下
春を待つ心  ペチカに燃やそ
あはれ東に  オーロラ哀し


さいはての番屋に  生命の火ちろちろ
トドの啼く夜は  いとし娘の瞼に
誰に語らん  この寂しさ
ランプのほかげに  海鳴りばかり


オレオレ オオシコイ  沖の声 舟歌
秋アジ(鮭)だ  エリヤンサ  揚げる網ゃ 大漁


かすむ国後  我がふるさと
いつの日か詣でん  御親の墓に   

ねむれ 静かに



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一瞬にして掌の上で熟らす

2009-11-07 23:27:37 | 

 

数か月に一度のラッキー会。ラッキーミリンダー(ジャンプブルース)でもラッキールチアーノ(マフィアの大親分)でもない。参加者の一人が非常にめでたい名前なのでこの名があるのだが、なに、たまに会って単に寿司をむさぼり食おうという会なのだ。

今回の舞台は苦楽園。約束の時間に店に赴くと、まだ先の客がいるとかで、仕方なく斜め前のカフェへ。Cafe Rootsという店。



寿司の前にコーヒーも何なので、所在なくビール。
ついでに腹減っていたので、大人げないと思いつつも、塩ハンバーガーを注文し、みんなで分けて食べる。バンズも自家製。
思わず弾みがつきそうだった。



頃合いを見計らって寿司屋へ戻ると、先客は帰った後。
堂々の貸し切り状態となった。



造りはヒラメから。一つは肝をくるんである。



戻りガツオのづけ  中トロのごとき脂の乗り。


蒸鮑 肝・貝柱の塩辛

煮アワビが多い中、ここでは3時間蒸す。
清浄な濃い磯の匂いが口腔から鼻へと抜ける。
いつまでも噛んでいたい、消えて無くなるのが残念至極。


鱈白子 茶碗蒸し風

ほんの僅か。これでも多量に使ってあり、これ以上多いと
気持ち悪くなる、と店主。



巻物。贅沢なうに使い。
まな板は客席のカウンターと同じ高さで、一部始終が見える。
自信がないとこれはできない。



酒の肴にこういうのはちょっと嬉しい。
秋かます、うに、芽ネギ、茗荷梅酢づけ



酒は宮城の「掌(たなごころ)」。すきっとした辛口。
種類がそれほどなかったので、もう少し燗でイケるガツンとコクのあるタイプなど研究するといいだろう。



鮪 中トロ  周囲はさっと湯引きにしてある。



ネタケース。こういうスタイルも食べ歩いて学んだのであろう。
まだ若い主人、父親は箱寿司など関西系の寿司を握っていた人。どうせ継ぐなら江戸前でと独学でやってきたという。


鯛と剣先いか  
いかに細かく包丁を入れてあるのは面白い。歯がいらない。
プリッとした食感が好きな人には物足りぬかもしれぬが。



鮭児  証明書付き
北海道厚岸町、浜中沖で獲れるシロザケの幼魚。1万匹に1匹という希少価値なので、証明書までついている。

どうもこのシャケというやつ、握り寿司には合わないのではないだろうか。元来、寿司飯と合うのか。鮭のにぎりばかりを食べたいというアッキーナみたいなタレントとは付き合えない。(妄想か!)明治の頃書かれた、江戸時代の安宅か松の寿司の絵には鱒の握りが描かれていて、うへ~っと思ったが。



秋刀魚 (厚岸)  鮪赤身(10日熟成させたもの)


   

やっぱり寿司には鮪、天ぷらには海老がなくては絵にならない。

寿司とは飯と魚を合わせ、乳酸発酵によって双方の熟成が進み、うまみを倍加させた食べ物だった。それが待てない江戸の気の短い職人たちによって生まれたのが握り鮨。一瞬飯と魚を握ることによって、熟れ味に仕上げる。そのために寿司飯にも肴にもあらかじめ味を付けておいた。それが今日“仕事”といわれる下ごしらえなのだ。江戸前鮨の醍醐味はこの一瞬にして両者を一体化させる技術にあった。・・・なんてな、好きなものなんでついつい熱くなる。


   

一個なら小肌。山口瞳の色紙が、下北沢の小笹寿司にかかっていた。元来、握りはこの小肌鮨売りからスタートしたといわれる。吉原なんぞの遊里を、すし箱担いで流すいなせな鮨売りがいたそうである。いなせ…も鯔背と書く。鯔や小肌の背中のピカッとしたこういう光沢に江戸っ子はどうも一入思い入れがあったということだろうか。



車海老も見事。プリリとした食感。甘みと香り。



鰆づけ たたきの燻香心地よし   
キンメダイ 駿河湾 地付き

ここいらが冒険であるが、成功してるかどうか意見が分かれるところ。両者とも水分を内包していて、魚自体が淡泊なだけにピントがなかなか合わせにくいのではないか。
  



しめ鯖  〆具合はぴたり。
    
ムラサキウニ(淡路)、イクラ醤油づけ、アカウニ(壱岐) 小丼
淡路が甘みで勝っていた。美味すぎる、足の指がキリリとしそうな…




穴子(泉州) 
小ぶりで身も薄く、淡泊なのが泉州。薄めのだしで白っぽく上げている。浜煮という手法だともっと色を付けず、そこへ濃いツメをつけるのだが、これはこのまま。青柚子を少しふってもいい。

巻物二種 
芽ねぎ・かつおぶし、かんぺう。濃いかんぺうも江戸前の仕事だなぁ。これも軽視できず、シメとしてかなり重要な位置にある。




デザートにほうずきトマト

実に結構、若いのに素晴らしい鮨でした。
再訪の価値ある店であるのは間違いない。


            鮨 まつ本   西宮市樋之池町2


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とりどりな一夜 2

2009-11-04 11:56:39 | 

続き~ここは単なる鶏料理屋にあらず。
養鶏・処理・直売まで一貫して行う“活地鶏専門店”である。
ここの淡海地鶏をスープに使うラーメン屋Kさんが全幅の信頼を寄せるのが主人、川中さん。
よって我々は何の心配もなく、旨い旨いと食っていられる訳。
有難いことです。


造り
右からメスの肝臓、心臓、砂ズリ、紅白のはヒゾウと白子。
不思議なくらいクセがない。新鮮そのものだからだろう。


さらに右から左へ、ササミ(3年物の天然もろみで)。
モモのつけ根、脂ののった胸肉。
ねっとりした食感、繊細なうまみ。


手羽焼き 
魚醤を吹き付けながら焼いたもの。
そこへ粉末のソイソルトを。山葵漬けがアクセントになる。



唐揚げ  
お代わりしたいところを、ぐっと我慢。大人だもの。


高島市の山廃純米酒「不老泉」(上原酒造)
3年熟成原酒。これ、燗にしたんぢゃなかったっけな。



サラダ、ドレッシングがめちゃうま。


モモだったっけな。


味の記憶曖昧。


ピエモンテ州 モッシオ・ドルチェット・ダルバ・
ブリッコ・カラメッリ‛01


東京シャモだったかのタタキ。
鶏に精通してる人だから出来る繊細なる火の通し方。
野趣あふれる味とコクのあるワインのバランスはお見事でした!


これ、なんだか・・・


キノコいろいろ


背脂 これも素晴らしい火の通し方


旨い鶏肉は目にも美しい・・・


目の前で川中さんがすべてサービスしてくださる。



脂のうまさ、軽さ。
だけど、この頃にはもはや、お腹いっぱい。


いいタイミングで、土鍋のご飯が炊き上がる。
こうなったら食べないわけにはいかない。


有精卵を頂いて、玉子かけごはん。
た、たまりません・・・!


鍋の最後は東京ちゃぶ屋の中華めん。

グルグル回してスープを吸わせて出てきた。


大団円を飾るのは雑炊。
終いまで川中さんの美味しいもてなしは続いた。
フルーツを頂いて、のんびりと贅沢な時間を送らせていただいたのに、値段はかなりリーズナブルだった。



鶏料理の深さを垣間見て、すごみさえ感じました。
今度は鶏すき焼きも食ってみたい。

もちろん食べすぎて、帰りの湖西線は大男が息たえだえ・・・。



          じどりや隠座    滋賀県大津市真野4


 

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