子供のころから大の苦手だった、梅田地下の雑踏。
たぶん何度も迷子になったのだろう、いまだに虎馬である。
今はぶつかってこようものなら睨み返すことぐらい厭わないが、ガキの時分には怖い大人ばかりで、もっと殺伐としていた。
かつては地下鉄の回数券売りのおばはんがウロウロ立っていて商売になった。イラチの大阪の客は、券売の窓口へ並ぶ暇を惜しんで、おばはんから買った。おばはんは喫茶店のコーヒー券10枚綴りで11杯コーヒーが飲めるように、1枚の差額を微々たる儲けとして生業にしていたそうな。70年の万博をシオに消えてしまったが、あのおばはん達は一時、大阪名物であった。
これも子どもの頃からある、大阪駅前、阪神百貨店前の立ち食い串かつ「松葉総本店」。あのなんともいえぬ、ちょいと酸化したラードのような匂いが空腹に猛烈に訴えかける。逆に満腹には気持ちが悪いが。
近頃、阪神百貨店B1はすごい行列。ハリエのバウムクーヘンでも神宗の塩昆布でもなく、ラスクだぜ、ラスク。
わが辞書に、並んでまでラスクを食いたいと思ったことなどなし。
西梅田B1名物、諸国名産売り場。通称アリバイ横丁。
奥行きわずか30㎝ほどの商いももはや老舗のうち。今だに商売になっているのだろうか。
長らく、コテコテの吹き溜まりの如き印象だった「ぶらり横丁」。ずいぶんと小ぎれいになった。辺りにはだしの匂いが漂う。
立ち食いの「まねきそば」。福そば・うどんが200円、かけそば・うどんが230円。何が違うのか、試してないのでわからない。
北海道産昆布使用、無化調を謳う。
カレー丼セット 500円 うひゃひゃボリュームあり。
立ち食いで足鍛えて、デフレ時代を生き抜こう。
うどんはコシのない大阪系のふにゃふにゃうどん。だしは悪くない。でも、まだ麺のグレードを上げられる気がする。
どういう順番で食べるかが悩みどころ。
カレー悪くない。めしがちょいと柔らかめなのが難。
もう、腹パンパンになった。
カレー好きなので、たまりません。
まねきそば 大阪市北区梅田3 ぶらり横丁