マーベラスS

King Of Western-Swing!!
歌と食と酒、それに声のページ。

BGMは志ん生

2009-03-15 02:33:54 | 

燗酒に力を入れる店があるのはうれしいね~。
ここはちょいと寂しい松屋町通り。



まず、この三品が出てくる。



庭のうぐいす(福岡・久留米) ぬるはだ純米吟醸

店主がぴたりの燗につけてくれる。
ひと肌よりもぬるい日向燗で。



いか三年漬け  酒が進む~



羽前白梅 尾浦城 (山形鶴岡) 純米

BGMが江戸落語というのも趣味がいい。ときどき客の話声の合間に
声が届き、「あ、志ん生だ・・・」なんて気づく程度。
噺の筋は全く気にならない。



海老芋・高山真菜のあんかけ  山葵

伝統野菜を使う一品もよろし。
酒はあくまでも従、主は料理というスタンス。



京都 黒ぼく大根のステーキ 唐墨添え
大根の甘味、唐墨がいい頃合いに塩気を補う。



竹鶴 秘傳 (広島・竹原)
ニッカの実家がこの造り酒屋。熟成香があって、ちょい熱めの燗でも
よろしゅござんすよ。



ごっこの卵  ごっことはよく知らんけど、深海魚関係らしい

魚の顔がわからん卵ってのは、ちょいと薄気味悪い思いもしつつ。



太ごぼうの唐揚 アピオス添え



竹鶴 雄町純米にごり  精米65%  これは酔う。

「ん~~、え~~、酒はけっこうなもんっすなぁ」
ぬらりくらりと、志ん生みたいに喋ってると、本気で酔っちゃう。
何言ってやがんでぇ、百万年前のトカゲみてぇな顔しやがって!
な~んて言いながら、ここのカウンターの隅でじくじく呑んでみたい。

店主は一度見たら忘れない風貌の持ち主。
一言でいうと、大宮デン助風とでも言いましょうか。




岩手短角牛 アボカドのハンバーグ
アボカドのソースを乗せるもんだで、肉がちょっと冷たくなってまった。
なんで名古屋弁だ。やっぱりハンバーグはアツアツを食いたいわけで。


「蔵朱」と書いて、くらっしゅと読ませる。
いやぁ~結構な上等居酒屋。
この辺で呑んでたら、何処の街にいるのか分からんようになる。


          居酒屋 蔵朱    大阪市中央区南新町2




きみ知るや、A欠

2009-03-13 15:56:31 | 


牛肉のことを語らせると、ここまで熱い人物が他にいるだろうか。
しかも畜産業者でなく、町場のステーキ屋の主人である。


  

コースはホクホクのじゃがいもから始まる。33年、このスタイル。
まったくの空腹よりも、少しでんぷんと脂肪を補っておく方が、より肉の味を分かるということか。


  

サザエのブルギニオン

  

タルタルステーキ  
近江牛のカワラという部分(リブロースの上)。
玉葱、ピクルス、玉子黄身、白身

  

タンのタタキ
貴重になってしまった但馬牛のタン 
タン元、タン先はカットし、贅沢に真ん中だけしか使わない。

  

ホホ肉のワイン煮
国産レモンのピールと一緒に食べると、とたんに軽やかに。

  

「本物の牛肉は小豆色をしている」これが山中さんの象徴的な主張。
たしかに。これは3年育てられた特選近江牛。

よく見るのはもっと細かい霜降りが入り、もっと紅からピンク色だ。
見事なサシ!という肉が世の中にはなんぼもある。
その多くは業界で「A-欠」と呼ばれる。ある時期、餌の中からわざとビタミンAを欠乏させることで、赤身にサシが入りやすくなる。畜産協会までが奨励している。

サシの入った上等の肉はちょっとあればいい、もたれるから・・・と思っていた。いい肉=脂っぽい。当分牛肉の顔は見たくなる。
それこそが実はA-欠肉の特徴なのだ。
だからといってその辺の店で「すいません!A欠肉でないのを下さい!」と言っても、「・・・は?」と言われるのがオチ。念のため。

  

コンソメスープ
こういうクラシックな仕事をきちんとする人も少なくなった。
ブイヨンにブイヨンを掛け合わせるような仕事。徹底的に脂を抜き、
アクを取り去る。ゼラチン質が溶けだし、とろみのある濃厚なうま味。

  

特選近江牛サーロインステーキ

高温の鉄板でニンニクを炒め、味付けは塩胡椒、醤油をひとたらし。
ブランデーで油を飛ばす。

たしかに軽い。
油っこくなくて、肉自体のうま味を感じる。変に柔らかすぎない。
適度なジューがあり、噛むたびに肉の香りが口から鼻へと抜ける。

もたれない。明日もまた食べたくなる。これこそが本来の牛肉。


  
野菜サラダ 自家製ドレッシング



  

ビーフカツ
ステーキと同じサーロインをビーフカツに。
衣一枚隔てることで香ばしさが増し、ステーキとは別の味わい。
デミグラスソースは全然油を感じさせない。サクッとしてジューシー!
これをカツサンドにして、ウイスキーでやってみたい。


  

名代のハンバーグステーキ
近江牛100% 刺身で食べられる肩ロース肉をミンチに。
ドーナツ状にしてオーブンへ。途中で真ん中の穴に卵を割り入れる。

  

ハンバーグの堤防が決壊し、黄身がデミグラスソースと混じり合う。
奥さん、ここ、ここが見どころデス! 
デミグラスは時間をかければいいというものではなく、
結局は肉の量なんや、と店主。
バカうま!ああ、ご飯が欲しい!

  

ガーリックライス
けっこうな量のニンニクが炒められ、断ち落し肉が贅沢に入った
焼き飯。これも美味っ!


  
香の物

  
赤だしも結構

  

デザートは甘王のタルト &コーヒー
山中さんが1個々々イチゴを並べて手作りにする。


各地にざっと200ものブランド牛があるが、多くは高く売るための方便に過ぎず、「A-欠」「去勢牛」「交雑牛」あいまみれて言うたもん勝ちかい!の世界。消費者はA-欠のおかげで目の見えない牛、関節炎で立てない牛、尿毒症になる牛、脂肪肝で内臓廃棄が多いことも知っておかなければいけないだろう。

我々もふぬけた性善説に乗っ取って、「A-5が最高!」「一等買い!」「希少部位!」「熟成肉!」と、片棒担ぎ踊らされる一方ではいけない。

昔の牛肉はやはり美味かったという。合理化、拝金主義、消費者の方を見ていない農政・・・肉はおろか食の現状たるや震撼とするばかり。

きちんとしたルーツを持ち、手間ヒマかけて肥育され、人為的ではなく牛自身の能力で入ったサシの牛肉を食べたいもんだ。そうするには今やそれなりに財布に痛手は被るだろうけど。ほんとにたまには・・・。

「サシ神話」を崩壊させて、もう一度体にいい牛肉を取り返さなければならない時代に来ているかもしれない。


        ステーキ  くいしんぼー山中   京都市西京区御陵溝浦町


なごりの牡蠣シリーズ

2009-03-13 02:19:42 | 

ご近所さんの家へ上がりこむと・・・
こんなふうに迎えてくれた。



なまこ酢、おばけ酢味噌、海老と菜の花、長いもと青海苔、独活・・・
こいつは呑まずにいらりょうぞ。

以前、隣にご近所一問題の家族が住んでいた時には正直ブルーになった。
挨拶しても一切返ってこず、フン…とそっぽ向く人だった。他にもいろいろ生活の妨害が入ったが、向こうが越して行ってくれた。
千歳船橋のアパートにいる時にゃ、朝5時からピアノを弾くイカれたじいさんがいた。
隣人にゃ恵まれている・・・。




今回はこの牡蠣でよんでもらった。
以前ウチのブログに載ってたよと生産者に伝えた人がいて、それなら著者にもと、おすそわけが届いたというわけ。うれしいねぇ~。
見事に粒がそろったぷっくりと大粒の牡蠣。広島・西明水産のもの。



土手鍋  味噌は白と田舎味噌の合わせ。焼きねぎ、セリがいい。

レモンを絞った生ガキも好きだが、そう沢山いただけない。
やはり火を通した方が体にはやさしい。

どて鍋はうちから持って行った。どれだけ近いかわかろうというもの。
這ってでも行ける。ひじや膝は擦りむけるだろうけど。



かきおこ
今年も行けなかった岡山県日生名物。彼の地はかきおこ(牡蠣のお好み焼き)で町おこしをしている。牡蠣がいっぱい入ったお好み焼き、まずいはずはない。



熱が入っても小さく縮んだりしない。ぷりぷりで存在感あり。



翌日、朝からかきフライである。朝から食うか?食うのだ。

ウスターかけるのだ。


ヨッ!ご両人

2009-03-13 00:50:00 | 芸能

たまにゃ、こういう写真もよかろうて。

左の方とはほぼ二週間に一度お会いしている。

右の方は本当に久しぶり。かつて左の方の家で呑んだっきり。


      


右の方が現役バリバリだった頃、左の人の番組企画で武道館の試合を観に行き、終わって、西麻布の徐々苑で打ち上げし、そのまんまバスに乗って
大阪へ戻った一行は、朝方、多賀SAで車がガクンと動き目を覚ました。
その朝、関西は阪神淡路大震災に見舞われたのだ。


かつて番組で野球をしたこともある。元神戸製鋼の大西一平も加わり
相手は春團治一門チーム。愉快だった。

まともに酒席を共にしたら、とてもぢゃないが木端みじんにされる猛者たちだ。豪快な酒での話はなんぼでもある。
一度はその拳で天下に君臨したアスリートたち、スカッとしている。



上六の大衆寿司

2009-03-12 00:26:14 | 

生玉神社への参道にある寿司屋へ。

屋台の寿司屋というと江戸時代みたいな気がするが、
屋台から店を起こしたあるじ、まだ54歳。



ブリ、ちりにぎり

大衆店の敵は回転寿司である。回転しか行ってない今の客は、
こんな一般店のことを固定寿司というらしい。なんだよ、そりゃ。
固定が普通なの!



ぼたん海老 
卵の色は芸術的だ。

目の前に冷蔵ケースがあるような大衆的な店だが、
泉佐野から魚を引っ張り、小肌を長崎の釣りものだったり、
玉子も2種類作ったり、煮切り醤油もきちんとこしらえたり、
その辺の寿司屋にあらず。

常連だけが集まってウダウダ言いながら一杯飲む店にしたくない、
と黙々と握る寿司で勝負する店にした。



負けるな、回転なんかに。
寿司は職人の体温を感じる店でないといけない。
くりくり坊主の追いまわしが甲斐甲斐しく働くのも、
昔っぽくて気持ちいい。激安ではないが、お値打ち店。

   おっと、写真は東店の方。

        ほてい寿司本店   大阪市天王寺区上汐3