マーベラスS

King Of Western-Swing!!
歌と食と酒、それに声のページ。

思い出す、五島列島

2007-10-24 01:13:21 | 

五島列島の魚を食わせる店と聞いた。思い出すのは20代前半に旅した福江島のこと。飛び込みで泊まった安宿だったが、一泊4千円とかでとにかく新鮮な魚をいっぱい出してくれた。島を出る時に、就職で島を離れる高校生と一緒になり、見送りに大勢の同級生が港で手を振り、涙で別れを惜しんだ。ドラの音。岸は離れてゆく。キラキラした波の反射と共に忘れられぬ情景だ。

五島出身のギタリスト、Kさんなど、ガキの時分、丼いっぱいのアワビを食ったとか夢のようなことを言ってたなぁ。キリスト教の島だ。一番いい魚は神父に届けられるとも。
北新地「びさい」主人、渡邊さんはクリスチャンに非ず。

かに身、黒枝豆、豚ピリ辛軟骨

造り  鯛、よこわ、帆立、鯵
よこわは脂が乗り、とろの如く融けた。厚切りの鯵も新鮮そのもの。

蕗と厚揚げの炊いたん。蕗の旬は4~6月。
ハウスものは年中ある。
蕗の苦みも子供の頃はダメだったなぁ・・・。


自家製鯵の天ぷら。100%鯵

五島牛の炙り  塩とすだち  ちょっといい肉過ぎて、脂切れが
今イチ。

生牡蠣 (三陸産) 大ぶりで、噛むと幸せな潮の匂い


鯖づけ丼、あおさの汁、香の物は胡瓜・茄子
田舎の朝食風。

お茶碗の鯖づけは小片といった感じでダイナミズム不足。
鯖鯵を看板にするならばもっとずんずん鯖鯵で押して欲しい。
鯖鯖鯖鯖…鯵鯵…鯖鯖ぐらいで丁度いい。

デザートはバニラアイス。ホール担当の女性は柚子のアイスとかいって持って来たが。料理人とのコミュニケーション不足を露呈。

   五島列島あじ、さば、おばんざい「びさい」 北区堂島1丁目


いいねっ、ご馳走鮨

2007-10-21 12:51:16 | 

寿司と書いてもいいが、鮨と表記するとまた美味そうだ。
鮓の字だと関西風の押し寿司を想像してしまう。
「寿司なんちうものは、ファーストフードであって、二三個つまんで
お茶飲んで帰ったものだ」なんて昔のことを言われたって、
今では安くない代金を支払うわけだし、とびきりの魚があるわけだから、
ゆっくり酒も楽しみたい。まさにご馳走だ。
日頃は地味な立ったり回ったりする寿司でいいから、
ときに、こんな寿司を味わいたい…。

ってなわけで、西天満の小さな寿司屋「嘉瑞」へ。
カウンター7席を埋めたのは食べ物関係者ばかりで、
淡路の魚屋の大将、日本橋のうどん屋、北区のディレクター、
堂島の編集者、福島のイタリアン、日本橋のワイン屋とアタシ。
鮨も美味そうだが、手前に座る客の掌も舐めまわりたいような気分。

ビールを頂いて、平目の肝巻き。
続いて、蒸し鮑、鰹(気仙沼)は胡麻醤油で。


いくらは生筋子から仕込んだ醤油漬。

酒がズラリ並んだ。埼玉で夫婦二人で作るという小さな蔵
「花菱」を所望。むちゃくちゃでござりますがな…と言っても、
今の若い奴らにゃ判るめぇ。


スキッとした辛口でいい按配だ。
初めは鮪から。

煮切り醤油を刷毛でひいて出す。見事な色。
ヘモグロビンのかすかな酸味と甘味は赤身だぁ。


続いて中トロが2貫。
鮨はやっぱ、まぐろかぁ!
初手から鮪でぐいぐい押してくるのは、師匠である
上野毛「あら輝」荒木水都弘譲り、さらにその師、
銀座「きよ田」の新津武昭氏のやり方だ。
あら輝の寿司に惚れた堀内さんは、異例の通いの弟子となった。


小肌 (愛知三谷)ほんとはもう少し網目文様の細かい、
ちょい緑がかったのが好み。


いか (鹿児島出水)小ぶりの柔らかいスミイカ
魚は9割方を築地から仕入れる。


車海老(淡路島) 甘味、香気。
艶やかさといい、鮨の女王だと思うなぁ。


頭は炙って。これがまた酒をよぶ。
神亀だったっけな、燗酒に切り替える。


客の顔を見てから切りつけて即席漬けにした、
赤身のづけ づけ汁には醤油・酒の他、まぐろ節も使うそう。

鮨飯は埼玉の奥さんの里からと聞いた。赤酢を使う。
以前は客が来てからご飯を炊いたが、師の助言で、
酢が落ち着くまでに時間がかかるので、客が来る時間に合わせて
炊くようにしたという。おくどさんで羽釜で炊く。


さより (大・泉州沖)湯上りの浴衣美人みたいな気がする。
大阪で揚がるのに値段と需要のバランスが合わず、
一旦築地に出たものを逆輸入するのだとか。運賃が勿体ない。
東京の寿司屋じゃ「このサヨリ何処の?」「大阪湾です」なんて絶対に
言わないはず。淡路産とかいうんだろうな。


鯖 (宮城・石巻) 薄めに造って二枚重ねて握る。
上品なトロリとした身。


アナゴ  皮目を上に出て来るのは何故?と問うと、たちの問題で
上にした方が扱いやすいからでしょうという。原正と同じ答え。
あの皮目がどうも蛇を想像させて。身が上の方が美味そうでショ?


かんぺう  酒と醤油だけで煮る干瓢は濃い色が着いている。
これ山葵きかしたら美味い。海苔の質も重要。


玉子焼  チーズケーキのように見える。

結構なもんでした。
酢飯は今少し酢と塩が強めでもいいんぢゃないかな。
帰り、喉渇くぐらいでもかまわない。東京で古くさい寿司屋ばっか
り行ってたからかなぁ。
ここから、師匠のあら輝を超える何かをめっけて欲しいもんです。


      鮨 嘉瑞   大阪市北区西天満


ミナミの南仏バル

2007-10-19 01:49:23 | 


なんばにあるバル・マル・カタラン。南仏ラングドック・ルーション地方の
安くてうまいワインをガブ飲みできるバル。こんなバル文化が根付いたら、かなり楽しいことになりそう。

ここで無理を言って日頃は揃っていない、コート・ドュ・ローヌのワインを飲ませてもらうことに。
コート・ドュ・ローヌはブルゴーニュの南。ローヌ河に沿ってブドウ畑が広がる。北部ローヌと南部ローヌがあって、「サン・ジョセフ」は北の赤ワイン。


北部はシラーという葡萄が主流。酸が少なく、渋みも強くない。




ラタトゥイユは南仏のおふくろの味。

たこのフリッター

南部ローヌの「コート・ドュ・ローヌ」。大陸性気候の北部に対し、
地中海性気候の南部ではグルナッシュという葡萄がメーンで使われる。アルコールが多少強く、ボリューム感あり。



エスカルゴ3種盛(カタランバター・アイオリソース・トマト煮込み)
小型のエスカルゴをムール貝ぐらいの感覚で食べる。

南を代表する「ジゴンダス」。グイグイいけてしまうワイン。
酒仙に尋ねれば、お好み焼きにローヌの赤最高やで!とのこと。
熟成したソースとワイン!

カカカ・・・いかにも太りそうだが、これでワイン、たまらん美味いのだ。


   BAR MAR CATALAN    浪速区難波中1丁目  


京都・新町 幸せ昼めし

2007-10-17 19:20:58 | 

久しぶりに西下した東京の友達と、四条新町の友人宅に集まり、
お昼に最寄の「木乃婦(きのぶ)」へ行こうということになる。
界隈は京友禅の染め屋さんなどが多く、法事祝い事にはこの木乃婦
を利用する家が多いそう。
予約の電話もなし、ふらりと入り、昼のミニ懐石をたのんだ。

広いゆったりした二階の部屋に通された。のんびりとした風情の中、
おしゃべりを楽しみながら、食事をするには丁度よかった。


ビール、あと日本酒に切り替える。

造りは鯛、アオリイカ、戻りかつを


吸い物は名残の鱧



温かい飯蒸し。




かやくご飯

デザートは6種類のムニュ・デギュスタシオン風。
こういうのでオバサンのハートをわしづかみにする三代目なのであった。適当に京都の風情が満喫できる、幸せな昼ごはん。
木乃婦という屋号と、木乃伊という字はよく似てる。

     京料理 木乃婦   四条新町通り仏光寺

   


ラスクてどうなん?

2007-10-17 17:33:07 | 


これ、コーンフレークみたいに見えるかもしれんけど、
ラスク。乾燥させて揚げてあるのか、或いはフライパンの上で
転がすのか、とにかくカリカリ。

頭蓋骨に咀嚼する震動が伝わり、かすかに脳が揺れる。
これがカイカンになり、また手が伸びる。
ラスクというより、かりんとうのよう。う、うまい・・・

大体、ラスクというやつ。残ったパンのヘタみたいなヤツで
作るもので、いわば廃物利用ぐらいに考えてた。
それが、こいつは半年も待たせるという。半年だぜ、半年。
伊東美咲にプロポーズしたって、そんなには待たせるめぇ。

「もういいやん、忘れてるわ」と言ってたら、
先日電話があって、「京都のほほえみです…」
新手の宗教団体の勧誘かと思った。

        hohoemi        京都市上京区