マーベラスS

King Of Western-Swing!!
歌と食と酒、それに声のページ。

いいねっ、ご馳走鮨

2007-10-21 12:51:16 | 

寿司と書いてもいいが、鮨と表記するとまた美味そうだ。
鮓の字だと関西風の押し寿司を想像してしまう。
「寿司なんちうものは、ファーストフードであって、二三個つまんで
お茶飲んで帰ったものだ」なんて昔のことを言われたって、
今では安くない代金を支払うわけだし、とびきりの魚があるわけだから、
ゆっくり酒も楽しみたい。まさにご馳走だ。
日頃は地味な立ったり回ったりする寿司でいいから、
ときに、こんな寿司を味わいたい…。

ってなわけで、西天満の小さな寿司屋「嘉瑞」へ。
カウンター7席を埋めたのは食べ物関係者ばかりで、
淡路の魚屋の大将、日本橋のうどん屋、北区のディレクター、
堂島の編集者、福島のイタリアン、日本橋のワイン屋とアタシ。
鮨も美味そうだが、手前に座る客の掌も舐めまわりたいような気分。

ビールを頂いて、平目の肝巻き。
続いて、蒸し鮑、鰹(気仙沼)は胡麻醤油で。


いくらは生筋子から仕込んだ醤油漬。

酒がズラリ並んだ。埼玉で夫婦二人で作るという小さな蔵
「花菱」を所望。むちゃくちゃでござりますがな…と言っても、
今の若い奴らにゃ判るめぇ。


スキッとした辛口でいい按配だ。
初めは鮪から。

煮切り醤油を刷毛でひいて出す。見事な色。
ヘモグロビンのかすかな酸味と甘味は赤身だぁ。


続いて中トロが2貫。
鮨はやっぱ、まぐろかぁ!
初手から鮪でぐいぐい押してくるのは、師匠である
上野毛「あら輝」荒木水都弘譲り、さらにその師、
銀座「きよ田」の新津武昭氏のやり方だ。
あら輝の寿司に惚れた堀内さんは、異例の通いの弟子となった。


小肌 (愛知三谷)ほんとはもう少し網目文様の細かい、
ちょい緑がかったのが好み。


いか (鹿児島出水)小ぶりの柔らかいスミイカ
魚は9割方を築地から仕入れる。


車海老(淡路島) 甘味、香気。
艶やかさといい、鮨の女王だと思うなぁ。


頭は炙って。これがまた酒をよぶ。
神亀だったっけな、燗酒に切り替える。


客の顔を見てから切りつけて即席漬けにした、
赤身のづけ づけ汁には醤油・酒の他、まぐろ節も使うそう。

鮨飯は埼玉の奥さんの里からと聞いた。赤酢を使う。
以前は客が来てからご飯を炊いたが、師の助言で、
酢が落ち着くまでに時間がかかるので、客が来る時間に合わせて
炊くようにしたという。おくどさんで羽釜で炊く。


さより (大・泉州沖)湯上りの浴衣美人みたいな気がする。
大阪で揚がるのに値段と需要のバランスが合わず、
一旦築地に出たものを逆輸入するのだとか。運賃が勿体ない。
東京の寿司屋じゃ「このサヨリ何処の?」「大阪湾です」なんて絶対に
言わないはず。淡路産とかいうんだろうな。


鯖 (宮城・石巻) 薄めに造って二枚重ねて握る。
上品なトロリとした身。


アナゴ  皮目を上に出て来るのは何故?と問うと、たちの問題で
上にした方が扱いやすいからでしょうという。原正と同じ答え。
あの皮目がどうも蛇を想像させて。身が上の方が美味そうでショ?


かんぺう  酒と醤油だけで煮る干瓢は濃い色が着いている。
これ山葵きかしたら美味い。海苔の質も重要。


玉子焼  チーズケーキのように見える。

結構なもんでした。
酢飯は今少し酢と塩が強めでもいいんぢゃないかな。
帰り、喉渇くぐらいでもかまわない。東京で古くさい寿司屋ばっか
り行ってたからかなぁ。
ここから、師匠のあら輝を超える何かをめっけて欲しいもんです。


      鮨 嘉瑞   大阪市北区西天満



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