マーベラスS

King Of Western-Swing!!
歌と食と酒、それに声のページ。

私的に焼肉風焼鳥の元祖。

2018-09-05 14:19:48 | 大阪 堺&以南


 幸か不幸か、私を育ててくれた町、大阪堺。

 実家に居る頃はバイトぐらいしかしていない訳で、ろくに銭持っていないので

 ま、ろくなものを喰っていない。 そんな中、ここは思い出深い一軒。


 近所のホールでバレエを見た帰り、バレエの余韻のまま焼鳥ってのもどうかと思うけど、

 折角近くに居るので、行ってみた。

 ここには35年ほど前、音楽関係の先輩N氏に連れてきてもらった。



     

 

 

 宮園団地の前にある、「焼鳥 石樽」。

 店構えは小ぎれいになっている。

 昔はなかば倉庫みたいなところで、平生でもシャッターを半分閉めたまま営業していた。




 




 メニューはあまりにシンプル。

 昔はカウンターの中の親爺に、「固いのと軟らかいのがある。どっちにする?」と聞かれ、

 「柔らかいの!」と答えると、とたんに機嫌が悪くなった。

 嫌なら固いのだけ置けばいいのに、歯が合わない人もいるという配慮なのかな。

 かしわは卵を産まなくなったバアサン鶏で、固いが噛みしめるとうま味があった。




     


 
 大和地鶏といってたかな。 これはごまかしの効かない素材勝負!

 その新鮮さ! 胸肉、モモ肉の盛合せに、ずり、皮、せせり。 


 
     

 

  こちらは、ぼんぢり、肝、ハツ。 これらをただガス台で自分のタイミングで焼くだけ。


  ああコレコレ、このタレだ! あまから酸っぱいにゴマが入ったシンプルであり、クセになるタレ。
 
 

   



  親爺が編み出したタレが抜群に美味かった。

  この味に、35年間がヒュ~ッと逆回転しそうだ。



     



  石川県出身の親爺に勧められて、「萬歳楽」という地酒もここで覚えた。

  機嫌がいいとそういう隠し酒を出してくれるが、わけのわからん客は

  すぐに追い出していた、稀に見るへんくつ親爺だった。 



     




  二代目に聞くと、親爺さんがこだわってた固いの…は、今のお客さんには求められず、

  今や、ほぼ軟らかいのばかりになっているという。 

  無くなってみれば、あの暴力的なほど、やたら固いのが懐かしい。 

  客も時と共に、固いのが歯に合わなくなって行く。 

  親爺も亡くなって十何年…こっちもあの頃の親爺ぐらいの年かさだろう。

 

 

        




  二代目に帰り際に言われて気付いたが、目の前の宮園団地が姿を消していた。

  それでか…どうも、ふわふわとした浮遊感あり、街がしっくり来なかった。

  一種の浦島状態であった。


  



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