マーベラスS

King Of Western-Swing!!
歌と食と酒、それに声のページ。

06.4.26   立ち呑み・よいとこ

2006-04-26 16:27:19 | 
立ち呑みの似合う男になりたいのである。
壁にもたれたり、カウンターに突っ伏して呑むのではなく、
まず姿がよくなくてはならぬ。
無遠慮に話しかけてくる客もいるが、どういう事情があって
そこに来ているか知りもしないのに、無闇に話しかけてはならぬ。
そんなヤツがいたら、僕の場合、大概は黙殺である。
誰かの受け売りだが、男ってぇ奴はだらしなくて、
一人で死ぬのが怖いし寂しいから、
今のうちに立ち呑みで馴らしているわけだ。
だから不用意に話しかけてはならんのだ。

ラヂオか古ぼけたテレビから流れているのは、
あまり熱くなりすぎないスポーツなどがよろしい。
相撲なんぞがぴったりである。
肴は取り立てて珍しいものなど必要ない。
メシを食うために来ているのではないので、皿数はせいぜい二、三皿。
豆腐やら煮抜きでもよいが、ちょっと手を加えたものだと気が利いている。

長年の嘆きや喜びが染み付いた壁や品書きを味わい、
店の空気を呼吸しつつ、ずぼッと立って虚空を見つめて呑む。
立ち呑みで何時間もいるような奴は愚劣だ。
せいぜい半時間。
呑んだらスッと勘定を置いて、暖簾を跳ね上げて外へ出る。
外は薄暮の街だったりする。

大阪駅前第2ビルB1『山長酒店』昭和52年創業。
駅前ビル自体は妙なものへとなりつつあるが、
ここはいい感じにたそがれている。
左から「貝割れ数の子花がつを」「水菜牛肉のハリハリ」「きずし」
酒呑みの食い助としては、ついつい頼みすぎてしまう。
ああ…酒呑み上級者への道は遠いワ。

  立ち呑み処「山長梅田店」 北区梅田1-2大阪駅前第2ビルB1