折々の記

日常生活の中でのさりげない出来事、情景などを写真と五・七・五ないしは五・七・五・七・七で綴るブログ。

そして、『一生の不覚』

2007-02-21 | 青春
初デートでは、思わぬ『不覚』を取ってしまったが、プロポーズも済ませ、最後の難関、ご両親への挨拶というところで、またやってしまった。今度は『一生の不覚』である。

ご挨拶に伺う前、彼女から仕入れた情報によると、義父は大の『酒好き』で、『酒豪』とのこと。

『酒の飲めないやつなんて、男じゃない』が口癖らしい。これには、『下戸』の小生は、正直困惑した。

そこで、『見栄』を張り、『無理』をして、注がれるままに飲んでしまったのがいけなかった。

酒が入ると、『眠くなる』タイプの小生は、短時間に次々と杯を干したため、たちまち『酔いが回り』、猛烈な『眠気』に襲われた。

必死に目を開けていようとするのだが、次第、次第に瞼が重くなってきて、ついに前後不覚、肝心のお願いをする前に、だらしなくも酔いつぶれてしまった。

『はっ』と目を覚ました時は、すでに『深夜』、寝静まっている。

取り返しの付かないことをしてしまったことへの『悔恨』、居ても立ってもいられぬ『焦燥感』、身の置き所がないほどの『恥ずかしさ』、『情けなさ』、『自己嫌悪』に苛まれ、あられもなく狼狽して、布団の中で身を固くして、まんじりともせずに朝を迎えた。

幸い、ご両親の暖かい思いやりで、翌週に改めてお願いに上がり、お許しを頂くことが出来たが、今でも妻の身内では、『一度ならず、二度足を運んだお婿さん』ということで有名になっている。

あれから36年、そして、義父が鬼籍に入られて27年が過ぎた。

今でも、お膳の前にどっかりと座って、にこにこしながら、いつまでも、いつまでもお酒を飲んでいる(「のんべえ」の食事は、それこそ気が遠くなるほどに長いのだ!!)義父の姿を、あの時の『トラウマ』と共に、懐かしく思い出す。

そして、しばし過ぎ去りし時の流れを思う。

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