折々の記

日常生活の中でのさりげない出来事、情景などを写真と五・七・五ないしは五・七・五・七・七で綴るブログ。

聴き慣れない曲に耳を傾ける~新日本フィルコンサート

2014-06-18 | 音楽
先日、梅雨の晴れ間の1日、愚弟とクラシックコンサートに行って来た。

以下はいつものように会話風による感想である。

― モーツアルトの交響曲第38番「プラハ」、シューマンの交響曲第3番「ライン」も普段は余り聴かないよね。

― そうだね、いつもはポピュラーな名曲を取り上げているこのコンサートにしては、今回のプログラムはちょっと地味だったよね。

― だから今回は、いつも一緒に聴く幼なじみたちには、声をかけなかったんだ。

― 確かに聴き慣れない曲って、どうしても音楽の流れの中に入っていけないものがあるもんね。

― それに「プラハ」は3楽章、「ライン」は5楽章構成と変則的な構成もちょっとなじみにくいよね。

― しかもオーケストラの配置も、いつもと違ってコントラバスなどの低弦群が左というのも聴く方からすれば違和感があった。

― そんな、こんなで音楽の流れに中々乗って行けなかった。

― いつもは、すんなり音楽の世界に入っていけるのに、今回はちょっと努力を要した。その分、疲れたね。

― そういうことも影響したのかね、いつもは満席の盛況なのに今回は空席が目立った。

― 聴衆の反応も、いつものような「ブラボー」の声は聞こえず、拍手も控えめだった。

― アンコール(ドボルザーク「交響曲第3番第3楽章」)を演奏している時の指揮者、オーケストラの表情が実に伸び伸び、生き生きしていたのが印象的だった。

― こう言う聴き慣れた曲を聴くと、正直ほっとするよね。

― 音楽は「慣れ」だということを、つくずく実感するよね。

― 拍手もこの時が一番大きかった。

― 「聴き慣れない曲を聴くのは、辛抱がいる」ということを、改めて思いしらされたコンサートだった。



「新クラシックへの扉」プログラム

モーツアルト
歌劇「フィガロの結婚」K492序曲
交響曲第38番ニ長調「プラハ」K504
シューマン
交響曲第3番変ホ長調「ライン」OP・97

指揮:ドミンゴ・インドヤン
演奏:新日本フィルハーモニー交響楽団