篠つく雨の中、重機を使って行われた家の解体作業。
その後、あっという間に原形をとどめず破壊されてしまった隣の家。
梅雨しとど 消えゆく家の 涙かや
この日は、我が家のお隣の家が取り壊される日である。
数年前に近くに家を新築し、越して行って以来ずっと空家になっていたのだが、ついにと言うか、とうとうと言うべきかその時が来たのである。
長年見慣れた家が取り壊されて消えてしまうのは、何とも寂しい限りである。
そんな気持ちもあってか、この日は朝から雨がしとどと降っていて、そのさまは、あたかも消え去る家が流す「涙雨」のように思えた次第である。