わずか数メートル先の枯れ枝の先に止まったカワセミ。ここから垂直に川に飛び込んだのだが、まさか飛び込むとは思わなかったので、あっけにとられてシャッターを押すことさえできなかった。
カワセミや 写せとばかり 止まり来ぬ
足慣らしも昨日無事終わったので、この日は久しぶりにいつもの散歩コースの黒目川遊歩道に行ってみようと家を出た。
痛みはなくなったというものの、急に歩いてまた痛くなってはもともこもないので、足慣らしの続きと思ってゆっくりゆっくりと歩く。
この日は、朝からきれいに晴れて、散歩の再スタートを歓迎するような小春日和。
天気もそうなら、黒目川の景色もしかり。
少し歩き始めると、橋の上で望遠レンズを持った人が何かを狙っている。何だろう、とふと横を見ると数メートル先にカワセミが止まっているではないか。ここで立ち止まって、カメラでも取りだして、そのせいでカワセミが逃げてしまっては件のカメラマンに悪いかな、と思ったのだが、折角のチャンスなので逃すのは惜しいとカメラを向ける。
何枚か撮り終ってもそのままじっとしていてくれたのは、幸いであった。
そして、帰り路のこと。今度は、大きな枯れ木にカワセミが止まったのが見えたので、ゆっくりと近づいて行く。
逃げられてしまったら、それまでとほぼ数メートルの距離まで近づくと、件のカワセミがパッと飛んだ。
ダメだったかと、思ったら何と目の前の一番高い枝先にふわりと止まったではないか。それは、あたかも「撮ってもいいよ」と言ってくれているような振る舞いに思えた。そして、川の中に飛び込んだり、空中でホバーリングしたりと色々な姿を目の前で見せてくれたのである。
滅多にお目にかかれないカワセミが、小生の散歩の復帰を歓迎してくれたように思えて感激した次第である。