孫たちが帰ってしまい、玄関には我々夫婦の履物だけがポツンと置かれていた。
玄関の 履物減りて 寂しけり 団欒の時 過去となりぬる
お正月で我が家に来ていた孫たちが、今日帰って行った。
賑やかだった家が急にひっそりとしてしまった。
彼らが帰ってしまったのだ、ということをひしひしと感じさせるのが、玄関の履物の数である。
みんなが集まって来て玄関は足の踏み場もないほどに靴が並ぶ。
ついさっきまでは、所狭しと並んでいた靴の数が激減して、我々夫婦の履物だけが、取り残されたように置かれているのを見ると、
「やつらは、帰ってしまったのだ」
と少々センチになる瞬間である。
5泊6日、長いようでもあり、あっという間でもあった孫たちとの歓談の時であった。