バイオリンの生演奏に魅せられる
高校時代、わがクラスは一部の悪がきが、我が物顔にのさばり、荒れていた。授業によっては、完全に「学級崩壊」状況を呈していた。
女の先生、外部講師がそのターゲットになりやすかった。
音楽のO先生も、そのターゲットになった一人であった。
先生は、大学でバイオリンを専攻し、将来を嘱望される若い芸術家であった。
小柄であったが、顔の彫が深く、日本人離れしたルックスをした、いかにも芸術家と言った雰囲気を濃厚に漂わせていた。
そんな雰囲気が悪がきの、癇に障ったらしく、ワイワイ、ガヤガヤと騒ぎたて、授業にならない日が続いていた。
そんなある日、先生がピアノを弾く友人を伴って、「今日は生演奏をするから、生の楽器の音がどんなものか聴いてみて」と急遽、音楽の時間が、演奏会の時間になった。
その時の演奏曲目の一つに、ドルドラの「思い出(スーベニール)」と言う曲があった。
バイオリンが奏でる、甘美な調べに陶然となった。
さすがの、悪がきどもも、この時ばかりは、神妙に聴いていた。
そして、演奏が終ると、何と彼らが一斉に拍手しているではないか!
小生も、彼らに負けないように大きな拍手を送ったのは勿論である。
これが、生の演奏に接した初めての体験であり、生で聴く楽器の音色の素晴らしさにすっかり、虜になってしまった。
そんなことがあったので、その後の授業は少しは、まじめに受けるのかな、と見ていたところ、何のことはない、それは、あの時だけのことで、相変わらず、学級崩壊のような授業が、その後も続いたのである。
まったく、どうしょうもない悪がき同級生であったが、今も、ドルドラの「思い出」を聴くと、その当時を懐かしく思い出す。(以前、クラス会で久しぶりに悪がきどもが集まったが、言うまでもなく、みんなまじめなおじさんたちだった。)
<今日の1枚>
ヨゼフ・スーク/珠玉のヴァイオリン名曲集から、
ドルドラ 思い出 OP134
高校時代、わがクラスは一部の悪がきが、我が物顔にのさばり、荒れていた。授業によっては、完全に「学級崩壊」状況を呈していた。
女の先生、外部講師がそのターゲットになりやすかった。
音楽のO先生も、そのターゲットになった一人であった。
先生は、大学でバイオリンを専攻し、将来を嘱望される若い芸術家であった。
小柄であったが、顔の彫が深く、日本人離れしたルックスをした、いかにも芸術家と言った雰囲気を濃厚に漂わせていた。
そんな雰囲気が悪がきの、癇に障ったらしく、ワイワイ、ガヤガヤと騒ぎたて、授業にならない日が続いていた。
そんなある日、先生がピアノを弾く友人を伴って、「今日は生演奏をするから、生の楽器の音がどんなものか聴いてみて」と急遽、音楽の時間が、演奏会の時間になった。
その時の演奏曲目の一つに、ドルドラの「思い出(スーベニール)」と言う曲があった。
バイオリンが奏でる、甘美な調べに陶然となった。
さすがの、悪がきどもも、この時ばかりは、神妙に聴いていた。
そして、演奏が終ると、何と彼らが一斉に拍手しているではないか!
小生も、彼らに負けないように大きな拍手を送ったのは勿論である。
これが、生の演奏に接した初めての体験であり、生で聴く楽器の音色の素晴らしさにすっかり、虜になってしまった。
そんなことがあったので、その後の授業は少しは、まじめに受けるのかな、と見ていたところ、何のことはない、それは、あの時だけのことで、相変わらず、学級崩壊のような授業が、その後も続いたのである。
まったく、どうしょうもない悪がき同級生であったが、今も、ドルドラの「思い出」を聴くと、その当時を懐かしく思い出す。(以前、クラス会で久しぶりに悪がきどもが集まったが、言うまでもなく、みんなまじめなおじさんたちだった。)
<今日の1枚>
ヨゼフ・スーク/珠玉のヴァイオリン名曲集から、
ドルドラ 思い出 OP134