折々の記

日常生活の中でのさりげない出来事、情景などを写真と五・七・五ないしは五・七・五・七・七で綴るブログ。

ジャズとの出会い

2006-07-18 | 音楽
できすぎた話だが、本当の話


また、また、「偶然」のなせる業

音楽との出会いに「偶然」が多いと言うことを、これまで何回となく書いてきたが、ジャズとの出会いも、全くの「偶然」がきっかけである。

今を遡ること40年も前のことである。
新入社員として配属されてきたH君の車で、ゴルフ場に向かっていた時、カーステレオから、やさしげなピアノと、切々と訴えるサックスの旋律が流れていた。

思わず、「何と言う曲」と聞くと、キースジャレットというジャズピアニストが弾いている、「マイ・ソング」という曲です、いい曲でしょう、もし、ジャズを聴くのなら、CDを紹介しますよ、ということで、「サムシン・エルス」、「サキソフォン・コロッサス」、「ザ・シーン・チエンジズ」の3枚を推薦してもらった。

「サムシン・エルス」の「枯葉」が絶品ですから、最初に聴いてみてください、とのことであった。これが、マイルス・デイビスを知るきっかけであった。

「枯葉」を聴いた時の驚きは、フルトヴェングラーの「運命」を聴いた時に匹敵するものであった。

トランペットから、次々に紡ぎだされる、心が洗われるような清冽な旋律、ぴったり寄り添うように、静かな歌を奏でるピアノ、鳥肌が立った。

H君に紹介されなければ、この素晴らしい曲にめぐり合えなかっただろうと思うと
H君に「ありがとう」と心から感謝する次第である。

次に、もう一つの「偶然」の話をしなければならない。

ある日、ゴルフの帰りに仲間数人が我が家に立ち寄った。その一人に、某大手生保のS氏がいた。K大在学中ジャズピアノを弾いていたという彼が、我が家のCDラックを眺めて、ジャズを聴くならいいレコードを教えますよ、と言って、ジョン・コルトレーンの「バラード」を紹介してくれた。

絶対「しびれる」筈ですと、「太鼓判」を押していたが、全くそのとおりで、一聴して、深々と鳴るサックスと、それが奏でる優美なリリシズムに、すっかり魅入られてしまった。

ジャズの巨人マイルス・デイビス、ジョン・コルトレーンとの出会いのきっかけが、片方がゴルフに行く途中、もう一方がゴルフの帰り、とは余りにもできすぎている話であるが、本当の話なのである。


<今日の1枚>

サムシン・エルスから「枯葉」

マイルス・デイビス(tp)、キャノンボール・アダレイ(as)
ハンク・ジョーンズ(p)、 サム・ジョーンズ(b)、 アート・ブレイキー(ds)