グッチーの日本寸評

「わが日本を少しでもいい国、住みたい国にしたい」との思いから日本の政治、経済、世相を自由気ままに評論する。

芥川賞受賞作を読む

2011年02月21日 | 日記
今般の芥川賞受賞作「苦役列車」を読破した。
本作品は日雇い労働で生計を立てる若者の日常生活や数少ない友人との交流を綴ったものだが昨今騒がれているワーキングプアの実態が垣間見れて興味深く読むことができた。
この小説は著者の実生活をほぼそのまま書き写したものだそうだがあの生活の中でよくあれだけの文才を涵養できたものだ。
情景描写、心理描写が素晴らしい。
私淑する無頼派作家の作品を読むだけでとても修得できるとは思えないがやっぱり天性によるものか・・・。
それに社会の底辺で生活しながらさほど社会全体を妬むことなくしぶとく生きるあのバイタリティも好感できる。
「不幸社会の最小化」は菅内閣の旗印でもあるがなかなかうまく進んでいない中でたくましくも飄々と生きる若者にある種の爽快さを感じたものだ。
「最小不幸社会」の実現に向けて政治家・役所も頑張ってもらいたいし若者も夢を失わずよりよい明日を創って欲しい。