今年もこの奇跡のバランスは健在。
鏑川源流近くといっても脇の道を辿れば上信越道碓氷軽井沢インターを経由して軽井
沢に抜けられる。夫婦岩と呼ばれる直径3mと2mもある二つの球体。
地元新聞の書評でこの本を読む機会があった。過去1年半のあいだ司馬氏の「街道を
ゆく」各巻の電子本を読むことに集中していたので、BOOKを読むのは久しぶり。
これが素晴らしい内容だった。経済学の門外漢には頻繁に出てくる用語に戸惑いなが
ら読むもあらすじは理解できた。日銀と政府の対立は宿命的なもの。片や景気浮揚の
ためには緩和は絶対であり、片や財政規律のために適度な緊縮は絶対と主張し、日銀
の独立性を訴える。そんな対立の歴史をバブル崩壊のあたりから現在までを要領よく
まとめてある。
その間なら私も新聞テレビを通じて経済政策の変遷は知っていたはずだが、殆ど忘れ
ている。関係した政府高官や日銀総裁以下の主脳部とのやり取りが生き生きと描かれ
ている。2013年に始まった異次元の緩和政策、いわゆるアベノミクスが政策とし
実行される経過もよく理解できた。そして前首相が誇らしく言うように経済は短期的
には上向きになった。
しかし、
国が次世代から借金をしていることになる。著者はいう。
もとより通貨の信認は、国の稼ぐ力とそれに裏打ちされた財政の持続性によって支え
られる。万が一にもそこが揺るがないように、「借りた金は必ず返す」という明快な
信念が揺らいではならない。
過去1年間、次世代からの借金はコロナ渦で更に天文学的に増えた。「借りた金は必
ず返す」ことができるのだろうか? 子の世代は何とか逃げ切れるだろうが、孫の世
代以降の苦労が目に見えるようだ。
ここに出てくる大蔵官僚や日銀首脳部は志高い官僚や公務員だと思っていたのに。
昨日の経産省現役キャリア官僚二人の家賃支援給付金詐欺のニュースを見て唖然とした。
中央官庁の官僚は神のごとくあれとは言わないが、このモラルのなさはどういうこと。
公文書改ざんを指示した高級官僚はさすがに国税庁長官の職を退いているようだが、こ
の二人の犯した犯罪は救いようがない。
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