----しっかし、暑いニャあ。
こんなときは頭の中を空っぽにするしかニャいなあ。
「よしよし。
それにはこれ。
ほら」
----ニャんだよ。
その『R100』って。
18歳未満禁止のR18なら聞いたことあるけど…。
「おおっ。
いいところ突いてきたね。
ぼくなんか、このRはルートとか、
あるいは角度とかを言っているのか…なんて、
まったく見当違いのこと考えていたもの」
----もう、映画のことに携わっていながら
ニャさけない。
で、どんなお話だったの?
「ゴメンゴメン。
この映画、
ほら、あの松本人志監督の新作。
観る前までは、とんと分らない。
しかも、また今回も
『公開時のお楽しみとさせて頂きたく』と、
3つのポイントの紹介を控えるようとの“お願い”が配布されている」
----そこって重要なところ?
「う~ん。
ぼくにとっては、あんまり。
そういう意味じゃ、逆に喋りやすいかな。
物語は、またまたシンプル。
主人公は都内有名家具店に勤務する片山貴文(大森南朋)。
一見、カタブツに見える彼だが、
実はある秘密があった。
なんと謎のクラブに入会してしまったのだ。
以降、さまざまなタイプの美女たちがボンテージ姿で
片山の日常に突然現れては、
彼をこれまでに体験したことのない世界へといざなっていく。
そう、このクラブの特徴は
“いつやってくるか分からない緊張感”。
だが、彼女らが職場や家庭にまで現れるようになったことから
生活に支障をきたすようになる。
耐えきれなくなった片山はプレイの中止を求めるが…」
----う~ん。
それほど複雑でもないニャあ。
奇抜ではあるけど…。
「プロット自体はね。
しかし、この映画のオモシロさは
そのようなストーリー部分ではなく、
この世界を構築している世界観にある。
ぼくは、この物語の背景は昭和30年代と思って観ていたんだけど、
もしかしたら、パラレルワールドでのできごとなのかもしれない。
というのも、
彼の着ているコート、息子のセーターといったファッション、
そして彼らの住む家、
あるいは電話ボックスなど、
全編に渡ってノスタルジー色ぷんぷん。
これが思った以上に徹底していて、
上原謙や佐分利信が主人公の映画を観ている気分に。
でも、そこまでやるんだったら、
なぜ、あそこに高層ビルがあるの?とか、
あるいは、
あの時代、まだ一般車にドアミラーは付いてなかったでしょ?
と、そういうところが目についてしまう」
----ニャるほど。
第一、上原謙や佐分利信は
ボンテージの女性に責められる映画には出ないよ(笑)。
で、その美女たちは誰がやっているの?
「大地真央、寺島しのぶ、片桐はいり、
富永愛、佐藤江梨子、渡辺直美…」
----また、バッラバラだニャあ。
でも、みんな大物ばかり。
「そこが今回の売りのひとつだね。
男優の方も
渡部篤郎、松尾スズキ、前田吟らが出演。
また、警官役で松本人志自身が…。
そして彼の妻役でYOU。
さて、ここがぼくのポイント。
物語の奇抜さと
落ち付いた昭和の風景のアンバランスさを楽しんでいるうちはよかったんだけど、
後半、彼ら彼女らが姿を消して、
次のステップに移ってからが転調、ギアチェンジ。
なんというかバラエティのノリになっちゃうんだ。
これを最後まで描く力量不足の失速と見るのか、
いや、普通の映画で終らせてたまるかという
彼の映画界への殴りこみと見るか、
そこは人によって違うだろうね。
ともあれ、異色作ではあるよ」
(byえいwithフォーン)
フォーンの一言「『大日本人』も『しんぼる』もそうだったニャ」
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