----偶然にも松尾スズキ離婚発表の日に観たんだよね。
キャッチコピーの
「目醒めたら、『そこ』にいた。」って、どういうこと?
「うん。これはね内田有紀演じる28歳のライター佐倉明日香が、
ある日目醒めると、白い部屋で拘束されていたというところから
話が始まっていくんだ。
そこは通称“クワイエットルーム”と呼ばれる、
女子だけの閉鎖病棟内にある保護室。
明日香はアルコールと睡眠薬の過剰摂取により、
自宅で昏睡状態となっているところを
同棲相手の焼畑鉄雄(宮藤官九郎)に発見され、
ここに運び込まれたわけだ。
明日香は自分は自殺しようとしたわけではないと説明するものの、
担当医と焼畑双方の同意がもらえず
退院したくても退院できない。
かくして逃げるに逃げられない状況に陥った明日香の
めくるめく絶望の14日間が始まる……と、こういう話だね」
----そういえば、最近韓国にも
そういう病院の患者を描いたお話がニャかった?
「『サイボーグでも大丈夫』だね。
残念ながらあれはぼくには合わなかったな。
病院とその患者をあまりにもファンタジーよりに描きすぎ。
ちょっとシラケてしまう。
この映画には、
入院患者の方が外にいる人たちよりも心が美しく純粋などという、
古めかしい描写は一切ない。
りょう演じるナース・江口の設定を
“ステンレスの心を持つ冷酷な女性”とするなど、
『カッコーの巣の上で』を思わせるシーンくらいはあるけどね」。
---あっ、『カッコーの巣の上で』か。
あの映画は、この手の作品を語るときには外せないよね。
「そうなんだ。『カッコーの巣の上で』が与えた影響は大きく、
<病院=管理VS.患者=自由>の図式が
いつの間にかでき上がったような気もする」
---他の患者はどうニャの?
「摂食障害、過食症、拒食症-------
“食”に関する患者が多かったな。
同じ“食べない”でもいろんなケースがあるんだね。
まあ、それはさておき、
この映画の何よりの素晴らしさは、
役者の個性を知りつくし、
それを生かしたキャスティングだろうね。
元AV女優、過食症の患者・西野を演じる大竹しのぶは圧巻。
金にうるさいところは少し『魂萌え!』の 加藤治子 とダブルかに見えたけど、
もっと悪魔的。
『黒い家』を彷彿させるモンスターぶり」
---『17歳のカルテ』のアンジェリーナ・ジョリーみたいなもの?
「(笑)。そうも言えるかな。
それと、さすがに笑わせ方が巧い。
鉄雄の子分、その名もコモノを演じる妻夫木聡も
ここまでバカに徹したのは初めてじゃないかな。
あと、徳井優の使い方も
ここで教えるわけにはいかないけど爆笑もの。
そんな中でぼくのオススメはナース山岸を演じた平岩紙。
こういう人、確かにいるよなという
あまりにも自然な表情を見せてくれる」
---役者の演技以外の見どころは?
「構成の妙かな。
最初のうち、時制が不思議な飛び方をして、
それぞれのシーンが
どのように繋がっているのか分からなくなる。
一体、原作ではどういう風に描かれているんだろう。
ちょっと読んで確かめてみたくなったな」
---ふうん。ニャるほどね。
原作を読みたくさせる映画か。
それって、
やはり映画化に成功したってことのような気がするニャあ。
「そうだね。
実はこの映画、
クライマックスに向けて怒濤の展開を見せる。
そこで明かされる真実、
その衝撃は重量級。
甘く見ていると火傷する、そういう映画だねこれは」
(byえいwithフォーン)
フォーンの一言「これも一つの才能だニャあ」
※舞台の人が監督した理想的姿だ度
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☆「CINEMA INDEX」☆「ラムの大通り」タイトル索引
(他のタイトルはこちらをクリック→)
キャッチコピーの
「目醒めたら、『そこ』にいた。」って、どういうこと?
「うん。これはね内田有紀演じる28歳のライター佐倉明日香が、
ある日目醒めると、白い部屋で拘束されていたというところから
話が始まっていくんだ。
そこは通称“クワイエットルーム”と呼ばれる、
女子だけの閉鎖病棟内にある保護室。
明日香はアルコールと睡眠薬の過剰摂取により、
自宅で昏睡状態となっているところを
同棲相手の焼畑鉄雄(宮藤官九郎)に発見され、
ここに運び込まれたわけだ。
明日香は自分は自殺しようとしたわけではないと説明するものの、
担当医と焼畑双方の同意がもらえず
退院したくても退院できない。
かくして逃げるに逃げられない状況に陥った明日香の
めくるめく絶望の14日間が始まる……と、こういう話だね」
----そういえば、最近韓国にも
そういう病院の患者を描いたお話がニャかった?
「『サイボーグでも大丈夫』だね。
残念ながらあれはぼくには合わなかったな。
病院とその患者をあまりにもファンタジーよりに描きすぎ。
ちょっとシラケてしまう。
この映画には、
入院患者の方が外にいる人たちよりも心が美しく純粋などという、
古めかしい描写は一切ない。
りょう演じるナース・江口の設定を
“ステンレスの心を持つ冷酷な女性”とするなど、
『カッコーの巣の上で』を思わせるシーンくらいはあるけどね」。
---あっ、『カッコーの巣の上で』か。
あの映画は、この手の作品を語るときには外せないよね。
「そうなんだ。『カッコーの巣の上で』が与えた影響は大きく、
<病院=管理VS.患者=自由>の図式が
いつの間にかでき上がったような気もする」
---他の患者はどうニャの?
「摂食障害、過食症、拒食症-------
“食”に関する患者が多かったな。
同じ“食べない”でもいろんなケースがあるんだね。
まあ、それはさておき、
この映画の何よりの素晴らしさは、
役者の個性を知りつくし、
それを生かしたキャスティングだろうね。
元AV女優、過食症の患者・西野を演じる大竹しのぶは圧巻。
金にうるさいところは少し『魂萌え!』の 加藤治子 とダブルかに見えたけど、
もっと悪魔的。
『黒い家』を彷彿させるモンスターぶり」
---『17歳のカルテ』のアンジェリーナ・ジョリーみたいなもの?
「(笑)。そうも言えるかな。
それと、さすがに笑わせ方が巧い。
鉄雄の子分、その名もコモノを演じる妻夫木聡も
ここまでバカに徹したのは初めてじゃないかな。
あと、徳井優の使い方も
ここで教えるわけにはいかないけど爆笑もの。
そんな中でぼくのオススメはナース山岸を演じた平岩紙。
こういう人、確かにいるよなという
あまりにも自然な表情を見せてくれる」
---役者の演技以外の見どころは?
「構成の妙かな。
最初のうち、時制が不思議な飛び方をして、
それぞれのシーンが
どのように繋がっているのか分からなくなる。
一体、原作ではどういう風に描かれているんだろう。
ちょっと読んで確かめてみたくなったな」
---ふうん。ニャるほどね。
原作を読みたくさせる映画か。
それって、
やはり映画化に成功したってことのような気がするニャあ。
「そうだね。
実はこの映画、
クライマックスに向けて怒濤の展開を見せる。
そこで明かされる真実、
その衝撃は重量級。
甘く見ていると火傷する、そういう映画だねこれは」
(byえいwithフォーン)
フォーンの一言「これも一つの才能だニャあ」
※舞台の人が監督した理想的姿だ度
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キャスティングが見事でした。
全部、自分でキャスティングかな…
と調べてみたのですが、
キャスティングディレクターが別にいました。
でも、松尾スズキの意見がだいぶ入っていそうですよね。
キャストの誰もがはまり役で、見応えのある作品でした(^^)
大竹しのぶ、まさに狂気の演技でしたね。
ぼくもこの映画は傑作だと思います。
誰かが「松尾スズキの遺作…」みたいな
言い回しをしていましたが、
そう言いたくなる気持ちも分かります。
クライマックスは息を飲んで観ていました。
大竹さん、黒い家のあの怖さが戻ってきてましたね。
いや~ホラーより怖かったです^^
大人計画のお芝居はにわかファンなのですが、
ドロっとした毒気がありながら、エンタメに
なってるあの感じがちゃんと映画にもいいように
作用してて、作家さんが映画監督する中では
かなり優秀な部類に入られてるのではないかと
思いました。意外と舞台はよくても映画はイマイチって演出家の方もいますもんね。
これは思わぬ拾いものでした。
役者の個性を知りつくした芝居畑の人が、
自分の書いた(頭に描いた)世界を
彼らを使って映画化する。
クドカンも妻夫木も
そしてもちろん大竹しのぶも
みんな役を楽しんでいるのが
ひしひしと伝わってきました。
クドカンがいきなりドアップで登場してびっくり(笑)
前半は大声で大爆笑の嵐でしたが、後半は風刺もまじえつつぐっとブッラッキーでしたね。思いテーマをよくもここまで笑い飛ばしてくれたものだと思います。
脚本の出来が良くて、ラストにもさわやかに笑いで占めるピジティブさが好感持てます。
>妻夫木聡も
ここまでバカに徹したのは初めてじゃないかな
(≧∇≦)ノ彡☆ははっ
私も、思わずコチカメかい!みたいな眉に大受けしました。役名もコモノでちょい役なのに良くひきうけましたよね~
最後に明かされる意外な真実というのは
原作がそうなっているからなのでしょうが、
その展開は
『パーフェクトストレンジャー』よりも上(笑)。
ぼくは、この作品が
映画ならではの時間軸を往来する表現法だったことに
引かれました。
原作ではどのような語り口なんだろう?
特に冒頭、導入部分の処理に興味あります。
前半は話が進まないなーと思っていただけに後半の加速がみごとでした。
キャストたちが楽しそうに演じてたのが印象的です。
プレスの松尾スズキインタビューに奥さんの話もチラっと出ていたのがなんともいえず…。
はい。これはあたりだと思います。
お時間が許せば、ぜひ。
今度チェックしてみよう。