----この映画って阪本順治監督の新作だよね。
彼って男たちの世界を描いているイメージが強いけど、
これは桐野夏生のベストセラー。
出演者の顔ぶれからすると
女性映画のようだけど…。
「うん。今は亡き映画評論家の淀川長治氏は
かつて阪本順治にこう言ったことがある。
『君は溝口健二監督のように女性映画を撮った方がいい』と。
言葉は正確ではないけど、確かそんな内容だったと記憶している。
それを裏付けるかのように、
阪本順治は後に名作『顔』を撮って、
周囲を驚かせた。
でも、その後は少し低迷していた気がする。
個人的には『KT』は好きだったけど、
そのまた後がね」
----『亡国のイージス』のこと?
「うん。阪本監督自身、
『自分を大きく見せようとしたニ作品の後、
久しぶりに“殻”に閉じこもってみようと思った』と語っている。
この『魂萌え!』で描かれるのは、
突然、夫に先立たれた妻・敏子の話。
葬儀の日。見知らぬ女性からの電話で、
長く隠されていた夫の秘密が明らかになる。
また、8年ぶりに現れた長男は、強引に遺産相続と同居を迫る。
いたたまれなくなった彼女はカプセルホテルにプチ家出。
一瞬にして、これまでの世界と<風景>が変わってしまう。
<女>は母や妻という役を演じていても、それはその時だけの姿。
その段階・役割が終わると、
次のステップに踏み出すべく
ひとりの<個>に戻る。
受動と能動の違いこそあれ、
アルモドバルの『オール・アバウト・マイ・マザー』に似た感覚を味わったね。
さて、ある種の自由を手にした彼女を周囲が放っておくわけもなく、
やがては言い寄る男も出てくる。
そんな中、敏子が選択した人生とは…?」
----へぇ~っ。その敏子はだれがやってるの?
「風吹ジュン。
若い世代の女性からも支持の高い彼女だけど、
ぼくらの世代だと、彼女は『蘇る金狼』。
松田優作相手の衝撃的セックスが
今も頭から離れない。
おそらく阪本順治もそれが頭にあったんじゃないかな。
<良妻賢母>の奥に潜む<女>を
風雪ジュンの中から見事に引き出していた」
----亡くなったご主人の役は寺尾聡だよね。
その不倫相手はだれなの?
「大女優・三田佳子だ。
いわゆる自分が日陰の身でありながら、
それをまったく引け目に感じることなく
正妻と真っ正面から対決する。
このときの、ちょっとイッちゃってる三田佳子の<目>は見モノ。
早くも来年度の助演女優賞に名乗りを上げたって感じだ」
----チラシによると、
ヴィットリオ・デ・シーカの『ひまわり』が
出てくるみたいだけど?
「あの映画は当時は大メロドラマだと思ったけど、
高い人気を誇っているよね。
映画『手紙』にも使われた『言葉にできない』でだったかな?
オフコースも10日間武道館コンサートでバックに流していたし…。
この『ひまわり』というのは、
戦場から帰らぬ夫(マルチェロ・マストロヤンニ)を追って
ロシアに渡ったヒロイン(ソフィア・ローレン)の物語。
彼女はそこで夫が現地の女性(リュドミラ・サヴェーリエワ)と
結婚生活を送り、子供までいることを知ってしまうわけだ。
さて、このイタリア映画の使われ方も要注目だ。
あまりにも<映画>に直結している引用だけに
原作にもあるのかどうか、気になるところだね」
----なんだか、観たくなってきたな。
「『ひまわり』は列車のシーンが印象的だけど、
この『魂萌え!』も電車の中でのヒロインの姿が記憶に残る。
予告編の最後にも出てくるこのシーンでは、
風雪ジュンの内的葛藤、その変化が表情に現れる。
そして呟く、ある<一言>がスゴいんだ。
さすがに予告ではそこまで入れてないけどね」
----ずるいや。そう言われると余計に観たくなるよ(笑)。
(byえいwithフォーン)
※女の対決スゴい度
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(他のタイトルはこちらをクリック→)
彼って男たちの世界を描いているイメージが強いけど、
これは桐野夏生のベストセラー。
出演者の顔ぶれからすると
女性映画のようだけど…。
「うん。今は亡き映画評論家の淀川長治氏は
かつて阪本順治にこう言ったことがある。
『君は溝口健二監督のように女性映画を撮った方がいい』と。
言葉は正確ではないけど、確かそんな内容だったと記憶している。
それを裏付けるかのように、
阪本順治は後に名作『顔』を撮って、
周囲を驚かせた。
でも、その後は少し低迷していた気がする。
個人的には『KT』は好きだったけど、
そのまた後がね」
----『亡国のイージス』のこと?
「うん。阪本監督自身、
『自分を大きく見せようとしたニ作品の後、
久しぶりに“殻”に閉じこもってみようと思った』と語っている。
この『魂萌え!』で描かれるのは、
突然、夫に先立たれた妻・敏子の話。
葬儀の日。見知らぬ女性からの電話で、
長く隠されていた夫の秘密が明らかになる。
また、8年ぶりに現れた長男は、強引に遺産相続と同居を迫る。
いたたまれなくなった彼女はカプセルホテルにプチ家出。
一瞬にして、これまでの世界と<風景>が変わってしまう。
<女>は母や妻という役を演じていても、それはその時だけの姿。
その段階・役割が終わると、
次のステップに踏み出すべく
ひとりの<個>に戻る。
受動と能動の違いこそあれ、
アルモドバルの『オール・アバウト・マイ・マザー』に似た感覚を味わったね。
さて、ある種の自由を手にした彼女を周囲が放っておくわけもなく、
やがては言い寄る男も出てくる。
そんな中、敏子が選択した人生とは…?」
----へぇ~っ。その敏子はだれがやってるの?
「風吹ジュン。
若い世代の女性からも支持の高い彼女だけど、
ぼくらの世代だと、彼女は『蘇る金狼』。
松田優作相手の衝撃的セックスが
今も頭から離れない。
おそらく阪本順治もそれが頭にあったんじゃないかな。
<良妻賢母>の奥に潜む<女>を
風雪ジュンの中から見事に引き出していた」
----亡くなったご主人の役は寺尾聡だよね。
その不倫相手はだれなの?
「大女優・三田佳子だ。
いわゆる自分が日陰の身でありながら、
それをまったく引け目に感じることなく
正妻と真っ正面から対決する。
このときの、ちょっとイッちゃってる三田佳子の<目>は見モノ。
早くも来年度の助演女優賞に名乗りを上げたって感じだ」
----チラシによると、
ヴィットリオ・デ・シーカの『ひまわり』が
出てくるみたいだけど?
「あの映画は当時は大メロドラマだと思ったけど、
高い人気を誇っているよね。
映画『手紙』にも使われた『言葉にできない』でだったかな?
オフコースも10日間武道館コンサートでバックに流していたし…。
この『ひまわり』というのは、
戦場から帰らぬ夫(マルチェロ・マストロヤンニ)を追って
ロシアに渡ったヒロイン(ソフィア・ローレン)の物語。
彼女はそこで夫が現地の女性(リュドミラ・サヴェーリエワ)と
結婚生活を送り、子供までいることを知ってしまうわけだ。
さて、このイタリア映画の使われ方も要注目だ。
あまりにも<映画>に直結している引用だけに
原作にもあるのかどうか、気になるところだね」
----なんだか、観たくなってきたな。
「『ひまわり』は列車のシーンが印象的だけど、
この『魂萌え!』も電車の中でのヒロインの姿が記憶に残る。
予告編の最後にも出てくるこのシーンでは、
風雪ジュンの内的葛藤、その変化が表情に現れる。
そして呟く、ある<一言>がスゴいんだ。
さすがに予告ではそこまで入れてないけどね」
----ずるいや。そう言われると余計に観たくなるよ(笑)。
(byえいwithフォーン)
※女の対決スゴい度
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歳を重ねても相変わらずキュートで、林隆三の気持ちもわからないでもなかったデス(笑)。
風吹ジュンの若い頃を知っている者としては、
年齢を重ねても、
これだけチャーミングな彼女の姿を見せられると
胸にグッとくるモノがあります。
個人的には、なぎら健壱の演技が
とても楽しめました。
くやしいだろうな。ああいうとき。
その気持ちがよく分かります(笑)。
女友達のメンバーが歌い始めたときに
思わず、風吹ジュンの歌思い出し・・・
もしかしてら口パクかしら?っと耳を澄ましてしまいました^^;
今陽子に由紀さおりに藤田弓子でしょ?
このメンバーに加わってコーラスって大丈夫だったのかしらっと
思わず考えてしまったのでした。(笑)
チャーミングさでは・・・一番だったのですが。
おおっ。
風吹ジュンのアイドル時代をご存知とは…!?
ぼくは、ピンキーが歌っているのが懐かしかったです。
さあ、ピンキーで分かる人、
どれくらいいるんだろう?
風吹ジュンで印象的だったのは「無能の人」。
あのすっとぼけた奥さん役がよかったです。
この作品でも一部ひきずってるところがあります。
実際小説を読んだ身にとっては
ちょっと若すぎかなぁと思いましたが
見ているうちに違和感がなくなってくるのが不思議でした。
風吹ジュンは
いい感じで年を重ねてきましたね。
彼女がピンキーたちと同年代という設定は、
少し無理があると思ったのですが、
やはり小説のイメージとは違ったんですね。
でも、こういうかわいい59歳があってもいいですよね。