ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

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『抱擁のかけら』

2010-02-06 15:23:06 | 新作映画
(原題:Los abrazos rotos)


----これって、今日から始まった映画だよね。
ペドロ・アルモドバル監督ペネロペ・クルスの黄金コンビ!
「そう。始まった映画について話すときの通例で、
ストーリーはほとんど省略しちゃうけど、
ざっと、こういう流れ。
主人公は執筆業で生計を立てている盲目の男ハリー・ケイン(ルイス・オマール)。
実は、彼にはもうひとつの名前があった。
それは映画監督時代に名乗っていた本名のマテオ・ブランコ。
なぜ、彼がその名前を捨てたか。
その裏に隠された切なくも激しい愛が
ミステリーの要素を交えつつ語られるというもの」

----ニャるほど。そこにペネロペ・クルスが絡むんだニャ。
「うん。ペネロペが演じるのは、
マテオが一生を賭けて愛した女レナ。
だが、その彼女はもういない。
そのわけとは?
それは彼が視力を失った理由とも重なり合ってくる。
と、いま話しては見たものの、
こういう全体像が見えてくるのは、かなり後。
まず冒頭からして、この映画がどういう映画か
皆目見当がつかない。
と言うのも、自分が盲目であることから
家までやさしく送ってくれた女性を
この主人公の男は、なんとベッドおインに誘い込んじゃう」

----それはまた、毒のある映画だニャあ。
「でしょう。
よく、この映画は、往年のハリウッドのミステリー、
ヒッチコックなどにも譬えられるけど、
それをそのままなぞったわけではないところが、
やはりアルモドバル流。
この後、ヒロイン、レナの若いころもちらり出てくるけど、
それもあっさりと描かれ、彼女に感情移入するまでにはいかない。
物語は、その後、レナと、彼女を女優に起用するマテオの、
レナのパトロンの目を盗んでの熱愛へと進んでいく。
この設定に、共感できるかどうかが、
まずこの映画に入り込めるかどうかの第一関門かなあ」

----おやおや。なんとなくノッてないニャあ。
どうりで、2か月近く、話さなかったわけだ。
でも、評判は高いようだけど…。
「そうだね。
実を言うと、この映画は、
ある“損なわれた映画”の“回復”の物語でもあるんだ。
そこに“失われた愛”の“回復”が重ねあわせられていく。
ペネロペも、オードリー・ヘップバーンマリリン・モンローを意識させる、
いわば往年のハリウッド女優の雰囲気をあでやかに振りまくし、
また、劇中にロベルト・ロッセリーニ監督『イタリア旅行』を挿みこんだり、
自らの出世作『神経衰弱ぎりぎりの女たち』を再現(?)してみせたりと、
映画ファン感涙のシーンが随所にちりばめられているんだ。
ただ、ぼくはあのオープニング・エピソードから
全く違う映画を想像していたため、
どうもノリきれなかった。
そんなところかなあ」


フォーンの一言「でも、あいかわらず色はポップだニャあ」
ぱっちり


※だれが観てもアルモドバルの映画と分かる度


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Unknown (maru♪)
2010-02-12 02:13:51
こんばんわ!

アルモドバル映画だなという気がしました。
彼の作品では『オール・アバウト・マイ・マザー』と『ボルベール(帰郷)』が好きです。
そこまでは至らずという気はしました。

どちらもペネロペ出てるんですよね。
この映画のペネロペの美しさは凄かったです。
■maru♪さん (えい)
2010-02-14 21:10:58
こんばんは。

ぼくはアルモドバルだと
『オール・アバウト・マイ・マザー』。
あと『ライブ・フレッシュ』。
あの作品もペネロペ・クルスが出ていて、
大胆に脱いでました。
冒頭、
妊娠した娼婦が市バスの中で男の子を出産する……という
意表の突き方は、この作品と似ている気がしました。
Unknown (Cartouche)
2010-02-15 21:19:24
『ボルベール』よりも初期の要素が入っているような、アルモドバルらしさにあふれた素敵な作品でした。
あ~ふたりが見てたのはロベルト・ロッセリーニ監督の『イタリア旅行』だったのですね。
TBさせてください。
■Cartoucheさん (えい)
2010-02-15 23:48:23
こんばんは。
ぼくは初期のアルモドバルというと、
『グロリアの憂鬱 セックスとドラッグと殺人』くらいしか観たことがないのですが、
つかみのエピソードのショッキングさは『ライブ・フレッシュ』を思い出しました。
きれいにまとまった作品よりも、
凸凹感のある作品の方が、
この監督には、あっている気がします。

お久しぶりです (ミッシー)
2010-02-17 20:34:10
キャッチコピーに惹かれ、アルモドバル映画が好きなので、
「これは観なければ!」
…と、かなり鼻息荒くしてるんですが、ちょっと不安もあります。

えいさんの記事を見て、不安が的中しそうな予感です…
観てきたらコメントします。

ちなみにアルモドバル作品は、オールアバウトマイマザーからボルベールまでしか観てません。

中でも好きなのは、オールアバウト…です。
最近のドロドロした感じも、それはそれで好きです。
■ミッシーさん (えい)
2010-02-17 23:21:41
こんばんは。
ツイッターのフォローしてくれた人の中に、
ミッシーさんのお名前が…。
冗談じゃなく、小躍りしてしまいました。
今後ともよろしくお願いします。

アルモドバルからは少し外れますが、
ぼくはミッシーさんには
いま公開中の『フローズン・リバー』をおススメします。
あとは、この春公開の『息もできない』。
ぜひ、ご感想を伺いたいです。
期待以上 (ミッシー)
2010-04-05 00:56:00
期待値を下げてたせいか、期待以上でおもしろかったです!

ペネロペは美しすぎる容姿に反して、内面が男らしくて良かったですね。

監督に最初に惚れるエピソードが描かれてないから、キッカケは役のためで、それから本気になったのかなぁ?
という気がしてます。
■ミッシーさん (えい)
2010-04-08 00:07:26
そうそう。
期待値を下げて臨むと、
いい方向に転がるもの。

この作品は
前評判がよすぎたことが、
ぼくには裏目に出た気がします。

ペネロペ、ほんと、
オードリーのようであり、
マリリンのようであり…でした。

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