----これってジブリ の新作だよね。
監督の米林宏昌って初めて聞く名だけど…。
「そうだね。彼はジブリ最年少、37歳の監督。
『崖の上のポニョ』でフジモトの部屋から金の水魚に乗って
地上にやってくる一連のシーンを描き、
宮崎駿をうならせたらしい。
その宮崎駿は、今回、脚本と設定を担当。
それを基に、キャラクターを設定し、絵コンテを完成させたのだとか…」
----で、単刀直入に聞くけど、映画はどうだった?
「まずオープニング。
ここを観た瞬間、ぼくは『耳をすませば』を思い出した。
それって、あながち間違った連想でもなかったみたい。
米林監督がジブリに入ろうと思ったきっかけは
その『耳をすませば』なんだって。
さて、映画の方はメアリー・ノートンが
1952年にイギリスで出版した『床下の小人たち』に基づいている。
ぼくはさとうさとるやいぬいとみこなど、
小人をモチーフにした小説は昔から好きだったけど、
これに関しては読んでいなかったから、逆に楽しみにしていたんだ。
小人が人間の少年に見られてしまうという設定だというしね。
――小人の娘・アリエッティはお父さん、お母さんとのふたり暮らし。
荒れた庭からオリーブやシソの葉を取ってきてお茶を楽しんだりしている。
そんなある日、アリエッティはお父さんと“狩り”ならぬ“借り”へ」
----えっ、それってどういうこと?
「たとえば、ティッシュだとか角砂糖だとか、
ほんのちょっとだけ生活に必要なものを人間から借りてくるんだ。
このシーンが、最初のハイライト。
彼ら小人は特に魔法が使えるわけではない。
ロープやガムテープを器用に使って、
昇ったり降りたりしながら、冒険の旅に出るんだ。
ところが、その姿を、病気療養のためにこの地に来ていた
12歳の少年・翔に見られてしまう。
そこで翔が行なった、ある行為が彼ら家族を追い詰めていく…
こういうお話だね」
----あらら、翔って悪い人ニャの?
「う~ん。ここがジブリらしい、
一筋縄ではいかないところ。
翔自身は、とくに悪い人でも何でもない。
しかし、彼がよかれと思ってしたことが
結果的にはおせっかいとなっていく。
というように、この映画には、
これまでのファンタジーの枠には収まりきれない
いくつもの現代的なテーマが含まれている。
そのひとつがタイトルにも使われている
“借りぐらし”」
---モノを買わずに借りちゃう…。
でも返さないんだから、
結局もらっちゃうんじゃニャい?
「しっ(笑)。
実は宮崎駿と高畠勲が、
この企画を立てたのは40年以上も前。
ところが、今の方が人に受け入れられる。
なぜなら今の時代の方が深刻だから…と、
こういうことらしい。
これは偶然にも先日、友人から聞いた話だけど、
学者の中には、すでに貨幣に頼らない経済の仕組みを
本気で研究している人たちもいるのだとか」
----?
「マイケル・ムーアじゃないけど、
資本主義はもう行き詰っているということ。
確かに、これだけの格差社会になると、
根本的なところで大変革を起こさないと
これから先、世界は難しいかもしれない」
---ふうむ。ギリシャのように経済が破綻した国もあるしね。
ところで絵の方は?
「これは、花やグリーンに興味がある人なら大満足。
一つひとつの植物が愛を持って描かれているのがよく分かる。
庭も手入れが行きとどいてなく、適度に荒れている。
そう、自然ままが残っているんだね。
で、その中を、小人たちが動き回るわけだから、
ふだんとは違う低い目線での風景が目の前に広がる。
まあ、これは『ミクロキッズ』『バグズ・ライフ』など、
これまでにもないではなかったけど、やはり絵の丁寧さが違う」
----ということは大満足?
「いやあ。そうともいかないんだな、これが。
理由は声のキャスティング。
あまりにも聞きなれた<声>が多すぎて、
どうしてもその俳優の顔がちらついてしまう。
こちらはもう少し、無名な人にしてほしかったな。
勝手な言い分かもだけど…」
(byえいwithフォーン)
フォーンの一言「『ポニョ』よりも前売がスゴイらしいニャ」
※ぼくはポニョの方が好きだ度
こちらのお花屋さんもよろしく。
噂のtwitterを始めてみました。
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監督の米林宏昌って初めて聞く名だけど…。
「そうだね。彼はジブリ最年少、37歳の監督。
『崖の上のポニョ』でフジモトの部屋から金の水魚に乗って
地上にやってくる一連のシーンを描き、
宮崎駿をうならせたらしい。
その宮崎駿は、今回、脚本と設定を担当。
それを基に、キャラクターを設定し、絵コンテを完成させたのだとか…」
----で、単刀直入に聞くけど、映画はどうだった?
「まずオープニング。
ここを観た瞬間、ぼくは『耳をすませば』を思い出した。
それって、あながち間違った連想でもなかったみたい。
米林監督がジブリに入ろうと思ったきっかけは
その『耳をすませば』なんだって。
さて、映画の方はメアリー・ノートンが
1952年にイギリスで出版した『床下の小人たち』に基づいている。
ぼくはさとうさとるやいぬいとみこなど、
小人をモチーフにした小説は昔から好きだったけど、
これに関しては読んでいなかったから、逆に楽しみにしていたんだ。
小人が人間の少年に見られてしまうという設定だというしね。
――小人の娘・アリエッティはお父さん、お母さんとのふたり暮らし。
荒れた庭からオリーブやシソの葉を取ってきてお茶を楽しんだりしている。
そんなある日、アリエッティはお父さんと“狩り”ならぬ“借り”へ」
----えっ、それってどういうこと?
「たとえば、ティッシュだとか角砂糖だとか、
ほんのちょっとだけ生活に必要なものを人間から借りてくるんだ。
このシーンが、最初のハイライト。
彼ら小人は特に魔法が使えるわけではない。
ロープやガムテープを器用に使って、
昇ったり降りたりしながら、冒険の旅に出るんだ。
ところが、その姿を、病気療養のためにこの地に来ていた
12歳の少年・翔に見られてしまう。
そこで翔が行なった、ある行為が彼ら家族を追い詰めていく…
こういうお話だね」
----あらら、翔って悪い人ニャの?
「う~ん。ここがジブリらしい、
一筋縄ではいかないところ。
翔自身は、とくに悪い人でも何でもない。
しかし、彼がよかれと思ってしたことが
結果的にはおせっかいとなっていく。
というように、この映画には、
これまでのファンタジーの枠には収まりきれない
いくつもの現代的なテーマが含まれている。
そのひとつがタイトルにも使われている
“借りぐらし”」
---モノを買わずに借りちゃう…。
でも返さないんだから、
結局もらっちゃうんじゃニャい?
「しっ(笑)。
実は宮崎駿と高畠勲が、
この企画を立てたのは40年以上も前。
ところが、今の方が人に受け入れられる。
なぜなら今の時代の方が深刻だから…と、
こういうことらしい。
これは偶然にも先日、友人から聞いた話だけど、
学者の中には、すでに貨幣に頼らない経済の仕組みを
本気で研究している人たちもいるのだとか」
----?
「マイケル・ムーアじゃないけど、
資本主義はもう行き詰っているということ。
確かに、これだけの格差社会になると、
根本的なところで大変革を起こさないと
これから先、世界は難しいかもしれない」
---ふうむ。ギリシャのように経済が破綻した国もあるしね。
ところで絵の方は?
「これは、花やグリーンに興味がある人なら大満足。
一つひとつの植物が愛を持って描かれているのがよく分かる。
庭も手入れが行きとどいてなく、適度に荒れている。
そう、自然ままが残っているんだね。
で、その中を、小人たちが動き回るわけだから、
ふだんとは違う低い目線での風景が目の前に広がる。
まあ、これは『ミクロキッズ』『バグズ・ライフ』など、
これまでにもないではなかったけど、やはり絵の丁寧さが違う」
----ということは大満足?
「いやあ。そうともいかないんだな、これが。
理由は声のキャスティング。
あまりにも聞きなれた<声>が多すぎて、
どうしてもその俳優の顔がちらついてしまう。
こちらはもう少し、無名な人にしてほしかったな。
勝手な言い分かもだけど…」
(byえいwithフォーン)
フォーンの一言「『ポニョ』よりも前売がスゴイらしいニャ」
※ぼくはポニョの方が好きだ度
こちらのお花屋さんもよろしく。
噂のtwitterを始めてみました。
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例えるならジブリなどはNHKの自然ドキュメンタリー的描写。しかし京アニはもしかしたら戦中戦後の邦画に登場するような背景の扱いかも、という気がしまして。
つまり自然描写をシーンの主役にした事がないんです。どんなに美しくても叙情的でも、あくまで人物たちの心情表現としての背景でしかない。
映画では、いくら美しいからといって、自然の描写に登場人物の芝居を“食わせる”なんてことがないように、京アニの背景描写は単なる背景。むしろ映画的なんだと気づいてハッとしたんです。
私はたぶんビデオ鑑賞になるであろうこの作品も、いっそ宮崎色から完全脱却してほしいのですが、やはりジブリ最大の悲劇である近藤善文さんを失った事が今も尾を引いているという感じですね。できれば次回作は新監督のカラーで染めて欲しいものです。
ところで魔法なしってのは違いますが、『銀曜日のおとぎばなし』『小さなメモル』のような温かい話だと嬉しいな。さとうさとる氏の『コロボックル』も今こそリメイクしてもいいかも。
>ジブリ最大の悲劇である近藤善文さんを失った事
ほんとうにそうですよね。
あの映画は、青春とファンタジーが
絶妙なコンビネーションを見せた作品だと思います。
そうか、京都アニメーションっていうのは、
いま注目株なんですね。
何かの記事を書くとき目にしたことはありますが…。
そういえば、先日の東京新聞の記事。
アニメーターの月収が45000円というのには衝撃を受けました。
そんな状態だとは思ってもいませんでした。
エンドクレジットを見る目が変わりそうです。
「コロボックル」のリメイク…。
あれ、映画化されていたんですか?
知りませんでした(汗)。
親友がさとうさとる氏の熱狂的なファンで、さんざんレクチャーされまして。
宮崎風アニメが時代遅れと言うわけではないんですが、今の深夜帯アニメを観ていると、すでにジブリが日本の(あるいは世界の)最高峰ではない、と思えるだけのさらなる可能性を多々観る事ができるのです。
もちろん、素晴らしい作品ばかりではないのは、映画の世界と同じですが、貧しくも魂と生命を削りながらがんばる無数のアニメーター達によって、たしかに裾野はひろがり、そのぶん頂上はどんどんせり上がっている事も確かです。
微力ですが、そうした彼らの命懸けのがんばりを少しでも“アニメを知らないオトナたち”に伝えられたら、と思います。
なるほど、テレビ放映だったんですね。
ありがとうございます。
さて、
ぼくも「宮崎アニメだけがアニメじゃない」と、
声を大にして言いたいです。
いま、もっとも気になっているのが
原恵一監督『カラフル』。
あの細田監督も大絶賛とか。
首を長くして待っています。
あのニーヤという名の無愛想なデブネコもそんなメタファーの一つなんでしょうね。
新人の監督さんだからどこか構えてた所もありましたけど、思った以上に好感な部分が多くて、その新人監督さんを起用したジブリ作品の中では個人的に猫の恩返し以来のアタリでございました。
小人の視点や借りをするシーンなどもホント冒険といった感じがあって、アリエッティ同様楽しく観れたんですよねぇ♪昔と違い、ちょっと裕福になった現代社会を批判的に捉えてるような所がアリエッティパパらの態度から感じ取れもしたのですが、それでもあんまり説教くさく無かったから許容範囲内でしたw
※それと全然関係ないですが、えいさん今年ポケモン観ました?^^;
「魔女宅」を思えば、しごくあたりまえなのでしょうが、
ジブリはほんとうに猫がいい感じで出てきますね。
ぼくも「耳をすませば」は大好き。あのときの猫たちもよかったニャあ。
「猫の恩返し」か…。なんだか懐かしいですね。今回の映画は「トトロ」に近い感じもしました。そう、肩の力の抜けぐあいみたいなのが…。
「ポケモン」観てますよ。オールスターでしたね。でも、どこかで観た感が強かったです。
犬派の勢力の強い中、うれしい事です。
それはさて置き、本作はあまり期待していなかったので、出来の良さはうれしい誤算でした。
個人的には今世紀に入ってからのジブリ映画では一番好きです。
でも、ハルさんの声はちょっと困りました。
志田未来や神木くんはそうでもなかったのですが、ハルさんはどうしても本人の顔が浮かんでしまって・・・
主人公の志田未来や神木隆之介なんかはわりあいしっくり来てて良かったんですが、お母さんの大竹しのぶとお手伝いさんの樹木希林はちょっと…でしたね。
こういうタレントの声優起用が面白い化学反応を起こす場合もあるのは確かですが、個人的にはちゃんとした声優を起用して欲しいです~。
そんな話題作りをしなくても、ジブリ作品ならちゃんとメディアで取り上げてくれるのにねww