(原題:The King's Speech)
※ちょっと辛辣な表現もあります。
期待されている方はごめんなさい。
----この『英国王のスピーチ』って
いまスゴく騒がれているよね。
どんなお話ニャの?
「そうだね。
ゴールデン・グローブ賞に至っては最多7部門ノミネートだしね。
で、物語はというと、これが意外に説明が簡単なんだ。
現イギリス女王エリザベス2世の父、ジョージ6世。
彼は、実は吃音症を抱えていた。
いつも内気で人前に出ることは苦手なそのジョージ6世が、
オーストラリア人言語聴覚士の助けを借りて障がいを克服。
第2次世界大戦開戦にあたって
国民を勇気づけ心をひとつにする見事なスピーチを披露する――」
----へぇ~っ。
確かにシンプルだけど、
これは聞いただけで感動的。
えいも泣いたでしょ?
「いやあ。それがそうでもなかったんだな。
前半はまだオモシロかったんだ。
英国の王家。
つまりトップ中のトップにいるジョージ5世が
妻のエリザベスが見つけてきた
スピーチ矯正の専門家ライオネルの元へお忍びで通う。
ライオネルはオーストラリア人。
それもあってか、
普通ではとても言えないようなことを平気で言ってのける。
王太子を愛称で呼び、
プライベートについての無遠慮な質問をぶつけ、
結果、ジョージを怒らせてしまう。
このふたりの関係がスリリングかつ、笑いを誘う」
----ニャるほどね。
でもそれじゃあ、
その治療は続かないんじゃニャいの?
「そのはずだよね。
しかし、事態は思わぬ方向に流れていくんだ。
王である父ジョージ5世が亡くなり、
長男のエドワード8世が即位。
しかし、エドワード8世はかねてより
アメリカ人で離婚歴のあるウォリス・シンプソンと交際をしていた。
王位か恋かの選択を迫られた彼は恋を選び、
そのため、ジョージは望まぬ座についてしまう。
そして、大切な王位継承評議会のスピーチで大失敗をしてしまうんだ」
----うわあ。それは大変だ。
それで彼は再びライオネルを訪ねる――
と、こういうわけだね。
「そういうこと。
さて、問題なのはここから。
ジョージは戴冠式のスピーチを無事に済ませる。
そこをクライマックスにすればよかったんだけど、
この映画は、
ヒトラーの率いるナチスドイツとの開戦直前、
国民の心をひとつにするためにジョージ6世が行った
<戦争スピーチ>にそれを持ってくるんだ。
どうもこれが、ぼくにはあわなかった。
こんなところで、この映画を引き合いに出していいのかどうか、
『ボビー』のクライマックスでのスピーチのようには、
ぼくの心を揺さぶらなかったんだ」
----う~ん。でも、それは個人的な体質の問題で、
映画自体の問題じゃニャいよね…。
「確かに、だからこの映画は語りにくかった。
演技陣は、みな素晴らしかっただけに、
ほんとうに申し訳ないって感じ。
ジョージを演じるコリン・ファースはもちろんのこと、
その兄エドワード8世役のガイ・ピアースにしろ、
ライオネル役のジェフリー・ラッシュにしろ代りの役者が思いつかない。
そんな中、意表を突いたのがエリザベス役のヘレナ・ボナム・カーター。
いつものエキセントリック・イメージをうまく役に活かしている。
王家にありながら市井の中に入り込んでいくという大胆さは、
なるほど、彼女ならやりかねない――と、そう思わせるんだ」
----ニャるほど。
でも、ハリポタやティム・バートン映画での彼女しか知らない人にとっては、
この役そのものが、驚きニャのかもね。
(byえいwithフォーン)
フォーンの一言「でも、話題になりそうだニャ」
※日本ではこういう映画作るのは難しい度
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☆「CINEMA INDEX」☆「ラムの大通り」タイトル索引
(他のタイトルはこちらをクリック→)
お花屋さんもよろしく。
※画像はイギリス・オフィ
シャル(Gallery)より。
※ちょっと辛辣な表現もあります。
期待されている方はごめんなさい。
----この『英国王のスピーチ』って
いまスゴく騒がれているよね。
どんなお話ニャの?
「そうだね。
ゴールデン・グローブ賞に至っては最多7部門ノミネートだしね。
で、物語はというと、これが意外に説明が簡単なんだ。
現イギリス女王エリザベス2世の父、ジョージ6世。
彼は、実は吃音症を抱えていた。
いつも内気で人前に出ることは苦手なそのジョージ6世が、
オーストラリア人言語聴覚士の助けを借りて障がいを克服。
第2次世界大戦開戦にあたって
国民を勇気づけ心をひとつにする見事なスピーチを披露する――」
----へぇ~っ。
確かにシンプルだけど、
これは聞いただけで感動的。
えいも泣いたでしょ?
「いやあ。それがそうでもなかったんだな。
前半はまだオモシロかったんだ。
英国の王家。
つまりトップ中のトップにいるジョージ5世が
妻のエリザベスが見つけてきた
スピーチ矯正の専門家ライオネルの元へお忍びで通う。
ライオネルはオーストラリア人。
それもあってか、
普通ではとても言えないようなことを平気で言ってのける。
王太子を愛称で呼び、
プライベートについての無遠慮な質問をぶつけ、
結果、ジョージを怒らせてしまう。
このふたりの関係がスリリングかつ、笑いを誘う」
----ニャるほどね。
でもそれじゃあ、
その治療は続かないんじゃニャいの?
「そのはずだよね。
しかし、事態は思わぬ方向に流れていくんだ。
王である父ジョージ5世が亡くなり、
長男のエドワード8世が即位。
しかし、エドワード8世はかねてより
アメリカ人で離婚歴のあるウォリス・シンプソンと交際をしていた。
王位か恋かの選択を迫られた彼は恋を選び、
そのため、ジョージは望まぬ座についてしまう。
そして、大切な王位継承評議会のスピーチで大失敗をしてしまうんだ」
----うわあ。それは大変だ。
それで彼は再びライオネルを訪ねる――
と、こういうわけだね。
「そういうこと。
さて、問題なのはここから。
ジョージは戴冠式のスピーチを無事に済ませる。
そこをクライマックスにすればよかったんだけど、
この映画は、
ヒトラーの率いるナチスドイツとの開戦直前、
国民の心をひとつにするためにジョージ6世が行った
<戦争スピーチ>にそれを持ってくるんだ。
どうもこれが、ぼくにはあわなかった。
こんなところで、この映画を引き合いに出していいのかどうか、
『ボビー』のクライマックスでのスピーチのようには、
ぼくの心を揺さぶらなかったんだ」
----う~ん。でも、それは個人的な体質の問題で、
映画自体の問題じゃニャいよね…。
「確かに、だからこの映画は語りにくかった。
演技陣は、みな素晴らしかっただけに、
ほんとうに申し訳ないって感じ。
ジョージを演じるコリン・ファースはもちろんのこと、
その兄エドワード8世役のガイ・ピアースにしろ、
ライオネル役のジェフリー・ラッシュにしろ代りの役者が思いつかない。
そんな中、意表を突いたのがエリザベス役のヘレナ・ボナム・カーター。
いつものエキセントリック・イメージをうまく役に活かしている。
王家にありながら市井の中に入り込んでいくという大胆さは、
なるほど、彼女ならやりかねない――と、そう思わせるんだ」
----ニャるほど。
でも、ハリポタやティム・バートン映画での彼女しか知らない人にとっては、
この役そのものが、驚きニャのかもね。
(byえいwithフォーン)
フォーンの一言「でも、話題になりそうだニャ」
※日本ではこういう映画作るのは難しい度
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☆「CINEMA INDEX」☆「ラムの大通り」タイトル索引
(他のタイトルはこちらをクリック→)
お花屋さんもよろしく。
※画像はイギリス・オフィ
シャル(Gallery)より。
映画は、本来、自分の思想信条とは別に、
映画そのものを楽しむべきだとは思うのですが、
ちょっと開戦スピーチだけは…。
甘いですかねぇ~っ。
なるほど、ラストのスピーチでこの作品の評価がいろいろ変化するんですね。後半部分で微妙に雰囲気が変わるので、おかしいなとは思いました。でも僕は、あの威厳ある開戦スピーチの中に、《ワルツ》や《ファック》のイメージがあることに、この作品の可笑しさを感じてしまいました。顔の見えないラジオ時代が懐かしいです。
お返事が遅くなってごめんなさい。
>過去の悲しみごと、自分の人生を受け入れる準備
素敵な言葉ですね。
ミッシーさんのレビューは、
いつも言葉が厳選されていて刺戟的です。
最近、あまりにも感性に流されすぎている自分としては反省しきり。
でも、それが自分の観方でもあるし、
ある意味、仕方がないのかも…。
あっ。ボビー。
未来に希望と理想を語れる政治家、
日本には彼のような人が
今こそ必要ですよね。
戴冠式の練習でのライオネルとのやり取りで、戦うべきは自分の影(過去)なのだと気づき、
彼はやっとゼロ地点に立ったような気がします。(スタート時点ではなく)
過去の悲しみごと、自分の人生を受け入れる準備ができたというのでしょうか。
でも、ジョージが真の英国王となるためには、そこからもう一つ殻を破らなければならない。
そのためにラストのスピーチがあったのでは…?、というような気がします。
とはいえ、スピーチに関しては私も『ボビー』の方が胸が震えます。
久しぶりにえいさんの記事を読んで、クライマックスシーンを思い出して涙が出そうになりました。
なるほど。
チャーチルとふたりで、
この難局を乗り切っていく―ー。
それはオモシロい。
そちらの方が観てみたくなります。
う~ん。
この映画、クライマックスに限らず、
全体的にノレませんでした。
観方によるとは思いますが、
どうもお行儀が良すぎる感じで。
そう、おっしゃるとおり、
緩急のなさが合わなかったのかも。
2時間近くかかっているわけですし、
まあ悪くはないかな、と思うのですが、
個人的にはチャーチルと二人三脚で
第二次世界大戦を乗り切っていく過程も描いてほしかったと思いますね。
こちらはこちらでまた感動的な場面がたっぷりありましたから、
多くの人に知ってもらいたいと思いましたし。
私はクライマックスはこれで良いと思いました。
戴冠式はいわば形式で、言葉も決まっているけど、開戦の演説は自分の言葉で国民に語りかける訳で、あそこで彼は初めて本当の王になったのかなと。
個人的にはきれいにまとまり過ぎてて物語の緩急が無いのが唯一の不満点かなあ。
この映画、観ているとき
あまりノレなかったんです。
すべて、思ったようにというか、
これまでいろんな映画が描いてきたとおりに進んでいくので…。
そこが『ソーシャル・ネットワーク』との違い。
明日のアカデミー賞授賞式、
どちらに輝くか、
そういう意味では興味深いです。
本当にイメージっておかしなもの。
この映画で吃音障害に対する自分自身のイメージを覆したジョージ6世を見て、ふとそんなことを思いました。
ヘレナ・ボナム=カーターは
『ヴァージン・フライト』が印象に残っています。
その風貌と、またティム・バートン映画に多く出るようになったからとで、
怪優イメージがついちゃっていますが、
彼女の実力は、やはりかなりなものですよね。
同感していただけてうれしいです。
どうも、この映画にはノレなくて、
その後、観た『トゥルーグリット』『ブラック・スワン』『ザ・ファイター』などのほうが
圧倒的にオモシロかったです。
でも、お行儀いい映画なので、
アカデミー賞には近いのじゃないでしょうか?
私はコスプレだのキワモノみたいな役よりも、こういう正統派の彼女をもっと観たいですね(笑)
作品自体は、「まんま」だったように感じました。
崩せない。 というか崩しようがない。
そういう意味では『ソーシャル・・』の方が私は断然面白いです。
>ジョージは戴冠式のスピーチを無事に済ませる。そこをクライマックスにすればよかったんだけど
そうですねー!
凄く面白く見たし、主演男優性はコリンファースで良いと思うのだけれど、ラストシーンの山場が、あれ・・なんで、作品賞には、ちょっと微妙なのかなあ・・とか、思ってしまいました。
この映画、アカデミー賞の本命のような予感がします。
個人的には『トゥルー・グリット』とかのほうが好きですが、
まあ、無理でしょうね。
そう、ひねりのない映画は、
あまり(個人的には)オモシロみがないです。
お上品すぎるという感じでした。
ちょっと賞レースで騒がれすぎなかんじもしますね。
私も思ったよりひねりなく、普通な印象でした。
確かにコリン・ファースは最高にいい演技をみせてくれて、最優秀男優賞もいける~とは思いますけど、作品的には普通だったかも。
普通といえば、ヘレナが普通の人でなかなか良かったです♪