(原題:Precious)
----あらら。日本映画のお話かと思ったら、
まさか『プレシャス』とは?
これって、アメリカで大旋風を巻き起こした映画だよね。
体型にコンプレックスを持つ16歳の少女の悲惨なお話でしょ。
文字も読めず、母親に虐げられ、
しかも実の父親の子どもを2回も身ごもっている…。
「うん。それだけで気が滅入りそうで、
後回しにしていたんだけど、
なるほど、こういう描き方もあったのかって…」
----どういうこと?。
「うん。『アメリ』じゃないけど、
主人公プレシャスの空想の世界が次々と
ファンタスティックに展開するんだ。
その現れ方も、文字通り
壁が崩れて、その向こうに…という象徴的な形であったりもするんだ。
そこでは、自分がヒロイン。
スターであったり、好きな男の人に愛されていたり…」
----でも、それってかえってつらそう。
「本来ならばそう。
でも、そこが映画のマジックかな。
それがずっと続いていればいいと思わせるだけの吸引力がある。
原作ものだから、テーマについてはあれこれ言わないけど、
ただ、この映画を観たら、
いま、日本で起こっている幼児虐待が頭をよぎらざるを得ない。
もしかしたら、そのほとんどが、
この映画でも言われているように男に諸悪の根源があるのでは?と…」
----どういうこと?
「彼女の母親メアリーは、プレシャスの父親、
つまり自分の夫の愛が離れていくのを恐れて、
夫の行動を見て見ぬふりをしてしまう。
あげくは、娘の存在自体を疎ましく思い
こうなったのもお前が悪いと、逆恨みするんだね」
----ヒドい母親。それを演じているのが
例のアカデミー助演女優賞を取ったモニークってわけだね。
「そう。すさまじいモンスター。
生活保護費をもらうことが一番楽と、働くことはせず、
家の中でテレビばかりを観て暮らしている。
その中には、美しい母子関係を描いた映画もあるものだから、
一緒に観ているプレシャスはさらにつらい。
もちろん家の中は荒れ放題。
そんな彼女を恐れて
メアリーの老婆も口を挟みはしない」
----でもプレシャスは、フリースクールでともだちをえて、
先生にも恵まれて、自分の幸せを見つけて行くんだよね。
そんな彼女に“新たな過酷な運命”?
「う~ん。ぼくも何かなと思ったけど、
これは言わない方がいいだろうね。
ただ、この映画の時代背景を考えるとすぐに分かる答ではあるんだけど…」
----監督は?
「リー・ダニエルズ。
こちらは製作でのクレジットだけど
あの『チョコレート』を手掛けている。
そう聞けば、この映画が生まれた背景も自然に納得だよ」
(byえいwithフォーン)
フォーンの一言「許せない話なのニャ」
※“プレシャス”とは愛しい、尊いの意味だ度
お母さんへのプレゼント。母の日にはお花屋さんもよろしく。
噂のtwitterを始めてみました。
「ラムの大通り」のツイッター
人気blogランキングもよろしく
☆「CINEMA INDEX」☆「ラムの大通り」タイトル索引
(他のタイトルはこちらをクリック→)
----あらら。日本映画のお話かと思ったら、
まさか『プレシャス』とは?
これって、アメリカで大旋風を巻き起こした映画だよね。
体型にコンプレックスを持つ16歳の少女の悲惨なお話でしょ。
文字も読めず、母親に虐げられ、
しかも実の父親の子どもを2回も身ごもっている…。
「うん。それだけで気が滅入りそうで、
後回しにしていたんだけど、
なるほど、こういう描き方もあったのかって…」
----どういうこと?。
「うん。『アメリ』じゃないけど、
主人公プレシャスの空想の世界が次々と
ファンタスティックに展開するんだ。
その現れ方も、文字通り
壁が崩れて、その向こうに…という象徴的な形であったりもするんだ。
そこでは、自分がヒロイン。
スターであったり、好きな男の人に愛されていたり…」
----でも、それってかえってつらそう。
「本来ならばそう。
でも、そこが映画のマジックかな。
それがずっと続いていればいいと思わせるだけの吸引力がある。
原作ものだから、テーマについてはあれこれ言わないけど、
ただ、この映画を観たら、
いま、日本で起こっている幼児虐待が頭をよぎらざるを得ない。
もしかしたら、そのほとんどが、
この映画でも言われているように男に諸悪の根源があるのでは?と…」
----どういうこと?
「彼女の母親メアリーは、プレシャスの父親、
つまり自分の夫の愛が離れていくのを恐れて、
夫の行動を見て見ぬふりをしてしまう。
あげくは、娘の存在自体を疎ましく思い
こうなったのもお前が悪いと、逆恨みするんだね」
----ヒドい母親。それを演じているのが
例のアカデミー助演女優賞を取ったモニークってわけだね。
「そう。すさまじいモンスター。
生活保護費をもらうことが一番楽と、働くことはせず、
家の中でテレビばかりを観て暮らしている。
その中には、美しい母子関係を描いた映画もあるものだから、
一緒に観ているプレシャスはさらにつらい。
もちろん家の中は荒れ放題。
そんな彼女を恐れて
メアリーの老婆も口を挟みはしない」
----でもプレシャスは、フリースクールでともだちをえて、
先生にも恵まれて、自分の幸せを見つけて行くんだよね。
そんな彼女に“新たな過酷な運命”?
「う~ん。ぼくも何かなと思ったけど、
これは言わない方がいいだろうね。
ただ、この映画の時代背景を考えるとすぐに分かる答ではあるんだけど…」
----監督は?
「リー・ダニエルズ。
こちらは製作でのクレジットだけど
あの『チョコレート』を手掛けている。
そう聞けば、この映画が生まれた背景も自然に納得だよ」
(byえいwithフォーン)
フォーンの一言「許せない話なのニャ」
※“プレシャス”とは愛しい、尊いの意味だ度
お母さんへのプレゼント。母の日にはお花屋さんもよろしく。
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不幸の連続をそれほど情に流されないのはけっこう抑制が効いているかもとおもうきょうこのごろです。
個人的な注目ポイントはマライア・キャリーとポーラ・パットンが演じる役の対比ですね。
対するポーラ・パットンは、
きれいに決めてましたね。
こちらもやっぱりご覧になってましたね!
かなり期待していたけど、やっぱり良かったです。
モニークの告白で、初めて母親を知る事が出来たプレシャス。
暗くて重い内容なのにいつも前向きな姿と、意外な選曲も良かったな~♪
観る前は、それこそ社会性の強い思い映画だろうと
すこし構えていたのですが、
ヒロインの心理などで
映像の遊びを入れて、
薄めていたのが自分にはあっていたようです。
モニークの告白もすさまじかったですね。
静かな映画なんですが、それでネガティヴではないパワフルさ。
これがこの映画のいいところなんでしょうね。
なるほどそうですね。
いわゆる「負のパワー」ではなく
「正のパワー」。
だから、うっとなることがない。
プレシャスが外で友だちを作っていく、
その姿に心がいやされました。
ぼくも、あの夢想シーンがなかったら、ちょっと耐えられなかったかも。
母親の独白。
そのリアリティを補強したという意味でも、
効果的だったと思います。
でも抑圧された黒人女性っていうモチーフ、実は20世紀初頭の「カラーパープル」の時代から根本的には変わってないんですよね。
この映画も20年前が舞台ですけど、最貧層の生活はデータでみる限りあまり変わってないです。
ですから、映画の最後もハッピーエンドには見えなかった。
希望半分、不安半分という感じでした。
そうか『カラーパープル』。
あの映画はオスカーに数多くノミネートされ、
結局は無冠に終わり、物議をかもしだしましたね。
いま、急にあの映画が公開された頃が甦り、
胸がきゅっとなりました。
映画の内容よりも、映画の取り囲む環境に、
急に思いが行ってしまいました。