(英題:my way)
----おおっ。これは珍しく、観てすぐのお話だね。
「うん。公開がもう目目前(1月14日)に迫っているからね。
宣伝の時間も短いし、
少しお手伝いしたくなって…。
とにかくタフな映画。
これは、ヒットしてほしいなあ」
----タフって?
「全篇、すべてが見せ場の連続。
しかもテンポよく
最初から最後まで一気呵成に見せるんだ。
これだけの演出をするには
監督に人並み外れたタフな精神力がないと務まらない」
----チラシとかには
「日本・ソ連・ドイツ3つの軍服を着ることになった数奇な運命」って
書いてあるよね。
オダギリジョーとチャン・ドンゴンのふたりがクレジットされているけど、
主人公はどっちなの?
「ふたりともだね。
物語は1928年、日本占領下の朝鮮から始まる。
憲兵隊司令官を祖父に持つ辰雄(オダギリジョー)は、
使用人の息子ジュンシク(チャン・ドンゴン)と出会う。
走ることが好きな彼らは、互いにライバルとして成長していくものの、
オリンピック選考会である事件が起こり、
その騒ぎの首謀者の一人として、
ジュンシクは日本軍に強制徴用されて戦場へ送られる。
ノモンハンでソ連軍相手に戦いの日々を送るジュンシク。
そこへ、冷酷な軍人と化した辰雄が情感として現れる。
辰雄はジュンシクに特攻を命じるが…。
と、ここまでにしておこう。
いま、こうして振り返ってみると、
あまりにも辰雄が非情な人間すぎて、
この映画が迎えるラストは、
どう考えてもありえない気もするんだけど、
観ている間は、その疑いを抱く暇がない。
それほど、各戦争シーンが凄まじい」
----確か、ツイッターでは
“リアルさは『プライベート・ライアン』に比肩し、
狂気は『プラトーン』を凌駕する”みたいなこと言ってなかった?
「うん。その気持ちは今も変わらない。
プレスを見たところ
ソ連式戦車の製作を『プライベート・ライアン』のスタッフに依頼したとかで、
まんざら、的外れの見解でもなかったようだ。
監督は、多分にあの映画を意識しているね。
ところで、さっきタフと言ったけど、
ノモンハン事件、独ソ戦、そしてノルマンディー上陸作戦と、
一つの映画で、第二次世界大戦のキーとなる戦いを
こんなにも描き込んだ作品なんて、あまりぼくの記憶にはない。
辰雄、ジュンシクのふたりは、
その戦いの中を、日本、ソ連、ドイツの軍服を着て戦いぬく」
----なぜ、そんなことに?
「そこがこの映画のテーマでもあるんだけど、
“生きて故郷に帰るため”。
彼らは、この3つの戦いの中で、
戦争の狂気、
戦争が人をいかに変えてゆくかを身を持って知ることとなる。
といっても、辰雄は自らが狂気そのものだけどね。
昔のフォーク、ピート・シガーの『腰まで泥まみれ』の隊長。
しかし、それは日本に限らず、ソ連にもいるし、
温和だったジュンシクの仲間も、
立場が変わったとたん、自分もそうなってしまう。
つまり、監督は
どの国がいいとか、どの国が悪いとかではなく、
国家によって引き裂かれ運命を狂わされてしまう個人を描いている」
----監督って誰だっけ?
「『シュリ』『ブラザーフッド』のカン・ジェギュ。
過去のこの2作品も描いているところは同じ。
ほんとうに彼はブレのない監督だね。
そうそう、この物語、
アメリカ国立公文書館に保管されていた一枚の写真が元になっているとかで、
そこに、
日の丸をつけて走った韓国の国民的英雄ソン・ギジョンのエピソード、
あるいは幻の東京オリンピックといった歴史的事実を加味して
映画として膨らませている」
----オダギリジョーはどうだった?
「もう、これは驚くしかない。
よくここまでの悪役を演じきったものだ。
何かがのり移ったとしか思えない。
あっ、あとファン・ビンビン。
今年は彼女の年といってもいいくらい
日本に多数、出演作がやってきたけど、
これはその中でも異色。
何せ、『フルメタル・ジャケット』だもの」
----ニャ、ニャんだ、それ?
(byえいwithフォーン)
フォーンの一言「息つく暇もないらしいのニャ」
※145分があっという間だ度
こちらのお花屋さんもよろしく。
こちらは噂のtwitter。
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----おおっ。これは珍しく、観てすぐのお話だね。
「うん。公開がもう目目前(1月14日)に迫っているからね。
宣伝の時間も短いし、
少しお手伝いしたくなって…。
とにかくタフな映画。
これは、ヒットしてほしいなあ」
----タフって?
「全篇、すべてが見せ場の連続。
しかもテンポよく
最初から最後まで一気呵成に見せるんだ。
これだけの演出をするには
監督に人並み外れたタフな精神力がないと務まらない」
----チラシとかには
「日本・ソ連・ドイツ3つの軍服を着ることになった数奇な運命」って
書いてあるよね。
オダギリジョーとチャン・ドンゴンのふたりがクレジットされているけど、
主人公はどっちなの?
「ふたりともだね。
物語は1928年、日本占領下の朝鮮から始まる。
憲兵隊司令官を祖父に持つ辰雄(オダギリジョー)は、
使用人の息子ジュンシク(チャン・ドンゴン)と出会う。
走ることが好きな彼らは、互いにライバルとして成長していくものの、
オリンピック選考会である事件が起こり、
その騒ぎの首謀者の一人として、
ジュンシクは日本軍に強制徴用されて戦場へ送られる。
ノモンハンでソ連軍相手に戦いの日々を送るジュンシク。
そこへ、冷酷な軍人と化した辰雄が情感として現れる。
辰雄はジュンシクに特攻を命じるが…。
と、ここまでにしておこう。
いま、こうして振り返ってみると、
あまりにも辰雄が非情な人間すぎて、
この映画が迎えるラストは、
どう考えてもありえない気もするんだけど、
観ている間は、その疑いを抱く暇がない。
それほど、各戦争シーンが凄まじい」
----確か、ツイッターでは
“リアルさは『プライベート・ライアン』に比肩し、
狂気は『プラトーン』を凌駕する”みたいなこと言ってなかった?
「うん。その気持ちは今も変わらない。
プレスを見たところ
ソ連式戦車の製作を『プライベート・ライアン』のスタッフに依頼したとかで、
まんざら、的外れの見解でもなかったようだ。
監督は、多分にあの映画を意識しているね。
ところで、さっきタフと言ったけど、
ノモンハン事件、独ソ戦、そしてノルマンディー上陸作戦と、
一つの映画で、第二次世界大戦のキーとなる戦いを
こんなにも描き込んだ作品なんて、あまりぼくの記憶にはない。
辰雄、ジュンシクのふたりは、
その戦いの中を、日本、ソ連、ドイツの軍服を着て戦いぬく」
----なぜ、そんなことに?
「そこがこの映画のテーマでもあるんだけど、
“生きて故郷に帰るため”。
彼らは、この3つの戦いの中で、
戦争の狂気、
戦争が人をいかに変えてゆくかを身を持って知ることとなる。
といっても、辰雄は自らが狂気そのものだけどね。
昔のフォーク、ピート・シガーの『腰まで泥まみれ』の隊長。
しかし、それは日本に限らず、ソ連にもいるし、
温和だったジュンシクの仲間も、
立場が変わったとたん、自分もそうなってしまう。
つまり、監督は
どの国がいいとか、どの国が悪いとかではなく、
国家によって引き裂かれ運命を狂わされてしまう個人を描いている」
----監督って誰だっけ?
「『シュリ』『ブラザーフッド』のカン・ジェギュ。
過去のこの2作品も描いているところは同じ。
ほんとうに彼はブレのない監督だね。
そうそう、この物語、
アメリカ国立公文書館に保管されていた一枚の写真が元になっているとかで、
そこに、
日の丸をつけて走った韓国の国民的英雄ソン・ギジョンのエピソード、
あるいは幻の東京オリンピックといった歴史的事実を加味して
映画として膨らませている」
----オダギリジョーはどうだった?
「もう、これは驚くしかない。
よくここまでの悪役を演じきったものだ。
何かがのり移ったとしか思えない。
あっ、あとファン・ビンビン。
今年は彼女の年といってもいいくらい
日本に多数、出演作がやってきたけど、
これはその中でも異色。
何せ、『フルメタル・ジャケット』だもの」
----ニャ、ニャんだ、それ?
(byえいwithフォーン)
フォーンの一言「息つく暇もないらしいのニャ」
※145分があっという間だ度
こちらのお花屋さんもよろしく。
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戦闘シーンが本当に爆発させているだけに、ひたすらにげてばっかり?と思ってしまうほど。でもそれこそがリアルなのでしょうね。
監督の熱い思いが伝わってきました。
早いですね、ご覧になったの…。
このリアルは、映画内リアルってヤツでしょうね。
実際には、あれでふたりとも生き残るなんて
確率的にはありえない。
でも、逆に言えば、
だからこそ、それを生き延びた二人の
“命”の意味が出てくる。
おっしゃるとおり、“熱い”映画だと思います。
あれほど凝り固まっていた辰雄の改心?は意外なくらいでしたけど、ドイツのソ連侵攻でみたソ連将校に自分をダブらせるところなどは説得力がありました。
でもこの監督の映画って本当に好きですわ。
ブレがないのもそうですが、泣かすところで一気に泣かせてくれる演出の巧さ。
この巧さを求めるなら、また6年待つのも悪くはないかも?です。
確かに、辰雄の改心はあっけなかったですね。
もう少し粘りがあってもよかったような…。
所詮、お坊ちゃんということを強調したかったのかな?
一作ごとにスケールアップしていて、
しかも、その「大作」であることに
負けてはいない。
大味になるどころか、
映画の興奮をスクリーンに引きだしている。
韓国のデビッド・リーンになるやもしれない、
そんな嬉しい予感を抱かせる逸材ですね。