ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『トゥヤーの結婚』

2007-12-10 07:23:52 | 新作映画
(英題:Tuya′s Marriage)

----トゥヤーって、人の名前だよね。
こういうときは決まって女性だと思うんだけど…。
「うん。これはまれに見るタフなヒロイン。
映画史に名を残すこと間違いないね」

----どういう女性ニャの?
「トゥヤーの夫バータルは、
かつては相撲大会でも向うところ敵なしの強い男。
しかしダイナマイト事故で下半身が麻痺。
トゥヤーは、夫に代わって放牧をし、
10km以上離れたところまでラクダで水を汲みに行く。
家の前には井戸がないんだね。
ところがそのトゥヤーも腰をやられ、
夫の姉は彼女に離婚を勧める。
トゥヤーは生活のため離婚を受け入れるけど、
再婚の条件を一つだけ出す。
それは新しい夫がバータルと一緒に住み、
彼を養ってくれること」

----スゴいニャあ。それじゃあ、なかなか相手が見つからないでしょ。
「そうなんだね。美人で働き者のトゥヤーの元には、
次々と求婚者が現れるけど、
なかなかこれを飲む人はいない。
このトゥヤーを演じたユー・ナンは、ほんとうに魅力的。
はっきりいってダサめのジャケットを着ているんだけど、
その前ボタンをビシッと締めて馬上の人になると、
これが凛々しいのなんのって。
ウォシャウスキー兄弟なんかは、彼女を『アジア最高の女優』と賞賛。
彼らの最新作『スピード・レーサー』にも出演しているらしい」

----へぇ~っ。それは楽しみだね。
「もちろん、この映画を監督したワン・チュアンアンの力量に負うところも多いと思うけどね。
赤や緑や水色といった鮮やかな原色のスカーフが
くすんで荒れた大地と対比。
一種、摩訶不思議な映像を生み出しているんだ。
脚本はこのワン・チュアンアンと『活きる』の名脚本家ルー・ウェイ。
こっちのコンビネーションもよく、
『家族は誰も死なせない』とか
『女を抱きたかったら、その気にさせることね』といった
カッコいいセリフが続出」

----さっき荒れた大地って言った?
モンゴルって、緑の草原に覆われていると思ったけど…。
「いや、これが温暖化でどんどん減っている。
しかも保護のため当局が柵で囲ったりして国有化。
彼らは牧畜ができなくなっているんだ。
こんことは先ほど公開された『白い馬の季節』ではそれがテーマとなっているくらいだよ」

----ここにも温暖化か………。


(byえいwithフォーン)

フォーンの一言「これを心して観なくてはだニャあ」ぱっちり


※魅力的なヒロインだ度
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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
不思議な魅力 (april_foop)
2008-01-19 09:58:32
不思議な魅力のある映画でしたね。
主演の力はもちろん、ロケーションの力によるところも大きいのでしょうか。
モンゴルの生活ってまったくイメージがわかないのですが、
こういう現実もあるのか、と驚きました。
返信する
■april_foopさん (えい)
2008-01-20 11:18:55
こんにちは。

この映画はオモシロかったです。
ヒロインの魅力が、
それまで素朴な、しかもドキュメンタリー・タッチで描かれることの多かった
モンゴルの風景の中で、生き生きと息づいていました。
あの涙の意味も、いろいろ考えさせられました。
返信する

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