ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『ララピポ』

2008-11-17 17:18:58 | 新作映画
----『ララピポ』?
それってニャによ。
「『a lot of people』。
この言葉を本家本元、
西洋の人が早口で言うと、
そう聞こえるらしい。
『日本にはたくさん、人がいる----。』と、
感心する外国人。
映画の中では、最後の方で使われていたな」

----じゃあ、これは群像劇ってワケ?
「そうだね。
登場人物それぞれがビミョーに重なりあっているところは、
『陰日向に咲く』とも構成が似ているかも。
しかも、あの映画に少し被るのが
ここで描かれるのは、
今の日本のもはや大多数となっている人々、
いわゆる“負け組”。
これってあまり好きな言葉じゃないけどね」

----じゃあ、そうとうにクラ~い映画になりそうだね。
「う~ん。
ところが、その描き方はきわめてポップ。
というのも監督が中島哲也の弟子と目される宮野雅之。
最初は中島にオファーがあったらいいけど、
『今の自分にはこんなディープでパンクな原作を監督する勇気はありません』と、
脚本に回ったらしい。
その宮野監督いわく
『中島さんが登場人物をクールに突き放して観察するのに対して、
僕はウェットに入り込んでしまう』とのこと。
原作は『イン・ザ・プール』『サウスバンド』の奥田英朗。
そちらではフリーライター杉山博<映画では対人恐怖症の高学歴>(皆川猿時)と
裏DVD女優・玉木小百合<映画ではロリータファッション、デブ専>(村上知子)の話がメイン。
ところが中島脚本では
風俗専門のスカウトマンの栗野健治(成宮寛貴)のエピソードが縦軸で
そこにとことん堕ちていく元OLトモコ(中村ゆり)との
ラブストーリーがクローズアップされている」

----これまた濃いキャラばかり。
堕ちていく元OLときくと、
また『嫌われ松子の一生』のような感じをイメージしてしまうけど…。
「あそこまでのイメージ奔流じゃないけどね。
あっ、あとゴミ屋敷に住む淫乱な主婦(濱田マリ)。
このエピソードはかなり痛い。
女を捨てたと言っても過言ではない
濱田マリの汚しメイク&体当たり演技も背筋がゾッとするくらい凄みがあったな。
そして最後の一人が
スーパーヒーローを夢想し、
妄想の中で主婦?(インリン・オブ・ジョイトイ)と戦う
カラオケBOX店員(吉村崇)。
ちなみに彼が主演しているスピンオフ作品『戦え!キャプテンボニータ』が
チャンネルNECOでオンエアとか…。
あっ、あと音楽もオモシロかったね。
70年代後半のディスコ風」

----ところで緑色の
キミョーなキャラクターが使われているけど…。
「あっ、それはムニャムニャ」


       (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「ニャニがムニャムニャニャのニャ!」ご不満

※ポップだけど内容はヘビーだ度

人気blogランキングもよろしく

☆「CINEMA INDEX」☆「ラムの大通り」タイトル索引
(他のタイトルはこちらをクリック→)index orange
猫ニュー 


最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
きつかった。 (Ageha)
2009-02-08 17:46:21
かなりなまめかしい、ダークな世界を
これだけポップにしてしまうのはすごいとして
それでも、笑えなかったです。
意外と根っこにある悩みは重たい。

そのくせ、
エロ全開というかなんというか・・・。
1800円払って見るもんじゃないな~と
(ポイントでタダ見だったので怒りまでは
いかなかったけどかなり抵抗がありました)

公開初日、ミニシアターにしては珍しく
制服の高校生がわらわら入ってたんですけど
あの子らはコレみてどう思ったんだろうと、
オバちゃんとしては心配してしまいました。
返信する
■Agehaさん (えい)
2009-02-09 21:47:19
こんばんは。

確かに笑えないです。
ていくあ、よくこんな題材を映画にしたなって感じ。
濱田マリのエピソードなんて正視できない。
作っていて落ち込まないのかな、
それとも自分は、その世界とは関係ないと思っているのか、
ポップにするというのも考えものですよね。

エロもそれこそ
その人の境遇によってエロエロあるななんて、
悲しいことを考えてしまいました。

返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。