ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『アメリカを売った男』

2008-02-06 21:40:09 | 新作映画
(原題:Breach)


「いやあ。この映画はオモシロかった。
こう言っては失礼かもだけど、
ほんと拾い物」

-----えっ?ということは
観る前はあまり期待していなかったってコト?
「そうだね。
ぼくの苦手な 『グッド・シェパード』タイプの映画かと…。
あちらはCIA、こちらはFBI。
その内幕を
渋く押さえた演出で描いているのではと、
そう思ったわけだ」

-----でも、違ってたってことだね。
「うん。ジョニー・デップの『フェイク』ほどの
シャープさと緻密さには欠けるけど、
なかなかサスペンスフルな作品に仕上がっていたよ」

-----『フェイク』が出てくるということは
囮捜査官ものニャの?
「いや、そうじゃなくてこれは、
20年以上に渡って
FBIのみならずCIA、ホワイトハウス、
国防総省、国家安全保障局の極秘文書を
大量にKGBに売り続けていたFBI捜査官ロバート・ハンセンが
逮捕されるまでの2ヶ月間を描いたもの。
彼の裏切りはアメリカを標的としたテロや
次々と発覚した不祥事に大きく関わっていると言われている」

-----20年以上ということは、
ソ連、ロシア両方ということだね。
「いいところに気づいたね。
この映画は、冷戦後、本格的なスパイ映画が
作りにくくなっている中にあって、
久しぶりに緊迫に富んだスパイ映画となっている。
しかも、オモシロいのは、
それだけの事件を起こした人物だけあって、
この映画の主人公は
自分の身に危険が差し迫っていることにも当然気づき始める。
『ついに自分も終わりか?』という恐怖と焦り。
最初は傲慢だったハンセンのその変化をクリス・クーパーが熱演」

----あれっ?ライアン・フィリップは?
「彼は、FBI訓練捜査官オニール役。
新しく創設された情報保護部で
ハンセンの下に就くことを求められる。
最初は、彼をマークせよと言われるものの、
その理由は明かされない。
仕事に燃える野心家のオニールは、
この任務を不服とするが…」

----ニャるほど。その葛藤もオモシロいわけだ。
「そう。妻には自分の仕事の内容は明かせない。
ところがハンセンは彼の家族にまで接近してくる。
ハンセンの勘も当然鋭く、
今回の辞令を疑い、
オニールを怪しんでいるわけだ」

----いやあ、事実は小説より奇なりだニャ。
「そういうこと。
監督は『ニュースの天才』の監督ビリー・レイ。
やはり“偽装”を描いたこの映画で彼は、
アナキン・スカイウォーカーのイメージが付きすぎそうになった
ヘイデン・クリステンセンから新生面を引き出している。
さて、簡単に他のキャストにも触れておこう。
オニールに指示を出す上司にローラ・リニー。
彼女とともにこの事件を暴くチームを組むブリザック役にデニス・ヘイスバート。
彼は『24 TWENTY FOUR』の大統領役でおなじみ。
そうそう、この映画、ラストのセリフと
それを口にするクリス・クーパーの演技もお見逃しなく」


        (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「おっ。これはいいかもだニャ」おっ、これは


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9 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
■migさん (えい)
2008-03-14 10:09:17
こんにちは。

ぼくはライアン・フィリップがひ弱なところが好きでした。
こんな男が立ち向かえるわけない…
だから、どうするんだろう-----という感じかな。
そういう意味では、これまでの「VS.もの」とは
少し趣が違っていた気がします。
■となひょうさん (えい)
2008-03-14 10:06:30
こんにちは。

『フィースト』は、微妙な映画でした。
エイリアン襲来閉じ込めものは、
最近、多いですね。
エイリアンじゃないけど
『ミスト』はなかなか怖いですよ。
Unknown (mig)
2008-03-13 21:31:33
あ、いまいちというのはいいすぎました☆5にしてるのに(笑)
普通だったかな
すみません細かいことで追記しちゃいました
いまいちでした、、、 (mig)
2008-03-13 21:29:52
えいさんは楽しまれたんですね~、
わたしはあまりノレなかったです。
ライアンくんは若造すぎる感じがしちゃって
クリスクーパーの相手には弱すぎるような、、、、
映画だから仕方ないかな??
秀作でした (となひょう)
2008-03-13 20:35:55
こんにちは。
どうにかアップできたので、お邪魔します。
『ラスト・コーション』人気に追いやられて、シャンテシネでは一番小さいスクリーン3での上映でしたが。公開初のレディース・デイ・ナイトは、9割ほどの客入りでした。
私は、コレとても好きな作品です。
かなり地味で渋いけど、素晴らしいと思います。
ラストシーンが忘れられません。画としても印象的でし、クリス・クーパーの憔悴しきった表情も強烈に残りました。ラストシーンが忘れられない作品って、いいですね。

ところで、『フィースト』って例のヤツ・・・
「それでいいのか、マット」「大丈夫か、ベン」って予告も笑えるんですけど。何か見せ過ぎなんじゃないの?と疑っています。予告編映像が全てみたいな作品になりそうですが、個人的にはシアターN渋谷のこだわったラインナップは見ているだけで楽しいです。
■亜蘭真 主美士さん (えい)
2008-02-13 10:21:19
こんにちは。

確かに、『フィースト』はここで…?という映画ですね。
もう、亜蘭真 主美士さんがご紹介してくれたみたいな感じなので、
この映画についてのレビューは止めようかな。
印象としてはグロの方が強かったですね。

そうか、やはり海外ディスクでしたか。
自分は語学力がダメなので、
無理ですね。

ホラー以外もご意見お待ちしています。
エログロ (亜蘭真 主美士)
2008-02-11 23:11:58
ブリ-チのスレで、こんなB級の話が・・・いいのか?
「フィ-スト」って、荒野の場末の飲み屋にショットガン男が入ってきて、なぜか2階が売春宿で、そこへ突然得体の知れない(偽エイリアンみたいな)、凄い牙だらけの大口が襲ってきて、ばっきゅ---ん!ドッキュ~~~ン!!血まみれ大会になる、ベンアフレックとか、ウエス・クレヴンが製作に絡んでるヤツですよね。
低予算なのがバレバレですよね。って、こんな風に書くと、アップしずらいかもしれないので・・・。
ちなみにホラ-だと、頭をそんなに使わなくてみれるからです。それから、次世代のHD-DVDとかブル-レイとかだと、国内の機器で、海外盤がみれたりします。で、なかには、「つぐない」(もうじき公開)
とか、日本語に対応しているのもあります。ので、未公開(path finderとかsnow cakeとかはおすすめ)になりそうな作品を寄ってえらんでいるのですが、公開されるのが多いのが事実です。
ただ、善い作品は、劇場でみるにかぎります。
で、ホラ-に限らず気が向いたらカキコします。
■亜蘭真 主美士さん (えい)
2008-02-11 15:32:36
おおっ。
ホラー以外でのご登場。
大歓迎です!

この映画、けっこう楽しめたんですよね。
エレベーターでの、表情、そしてセリフも決まっていました。
『フレンチ・コネクション』、
実は『2』の方が好きなんですよね。

ところでモンスター・パニック映画の
『フィースト』はご覧になっていますか?
まだアップしていないのですが、
どうしようか迷い中です。
 (亜蘭真 主美士)
2008-02-11 00:23:24
ラストのエレヴェ-タ-が開いたときのライアンの表情もよかったですね。その後で、あの演技ですもの!
必見です。あのシ-ン、フレンチコネクションのラストに通じるものがありました。
囮(捜査)も口(を、開)がないと化けちゃうんだけど・・・。
あの高速の入り口の渋滞、他の車からクラクションがなっていなかったのは、不思議でした。と、つまらないことを、またか書いてしまった!!

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