ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『ワン・デイ 23年のラブストーリー』

2012-05-31 00:16:42 | 新作映画
(原題:One Day)



「この映画、
原作がそうなっているってことだろうけど、
その発想がまずユニーク」

----「23年。23回の7月15日。」という、あれ?
「そう。
23年前の7月15日、
主人公ふたりの出会いから現在までを、
毎年、その一日(ワン・デイ)に絞って描いていくんだ」

----へぇ~っ。
パラパラ漫画みたいな感じだね。
「それは…(汗)。
髪型や服装などのファッション、
そして街の風景など、
観ている分には楽しいけど、
作る方は、かなり神経使ったと思うよ。
物語自体は、エマ(アン・ハサウェイ)とデクスター(ジム・スタージェス)、
ふたりの微妙な関係を追う、
ほんとうに、ただそれだけのことなんだけど、
でも、この“それだけのこと”がオモシロくって、
世界中のカップルそれぞれの“ワン・デイ”を基に映画を作ることだって
不可能じゃないという気になってくる」

----でも、それには
ある程度のドラマがなくっちゃ…。
「う~ん。
ある程度はね…。
彼らの場合、23年前に同じベッドで一夜を過ごすものの、
男と女の関係にまでは至らず、
そこから“友情”という形で、
ふたりの関係が続いていく。
一緒に旅行に行ったり、恋の悩みを相談したり、大ゲンカしたり。
しかし、実を言うとエマの心にはずっとデクスターが住んでいた。
ところが、このデクスターは自由奔放で恋多き男。
TVで音楽バラエティのMCをやるなど、その仕事も華やか。




一方のエマは作家になることを夢見ているものの、
現実はメキシコ料理店で働く毎日。
しかし、
デクスターは次第に時代から取り残され、
ついには番組を下されてしまう。
一方、エマは自分の書いた児童書が出版されるまでに成功を収める。
と、仕事の面だけを書いたけど、
それぞれの恋、そして結婚と、
お互いの私生活の推移も描かれる」

----ニャるほどね。
でも、ここからは聞かない方がよさそう。
結局、この手の映画って、
最後は結ばれるか悲劇で終るかのどっちかだし…。
「そうだね。
でも、ひとつだけ。
ある結末を迎えた後に、
この映画は、一日だけ動きを見せる。
それは、最初に出会った1988年7月15日の翌16日。
さあ、そこで何があったのか!?…
しかし、これはほんとうに切ない映画だったなあ。
こういうのを観ると、
結婚というのはほんとうに<運命>が導くんだなと
思わずにはいられないね」

----ところで、この映画を作った人って?



『17歳の肖像』のロネ・シェルフィグ。
今回も、パリとロンドンの両方が
巧く使い分けられているよ」



                    (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「この映画を観たら、家に帰って奥さんの腕を握りしめたくなるらしいのニャ」ぼくも観たい
※そういう話も確かにある度…

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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
セイムタイム・ネクストイヤー (悠雅)
2012-06-24 19:05:40
以前、舞台で『セイムタイム・ネクストイヤー』というお芝居を観たんですが(映画もあるそうですが)、
それも、毎年同じ日に2人が会うという、ちょっと変わったラブストーリーだったので、
このお話の設定を聞いた時、真っ先にあのお芝居とおんなじだ、と思ったのでした。
もちろん、毎年同じ1日、というだけで、描き方も2人の関係も違うんですが、
主人公たちが結婚することなく年齢を重ね、時代やファッションやそれぞれの立場が変わってゆき…
というのが面白さの1つでもありました。

こんな映画観たら、思い出さなくてもいいものを思い出してしまいますわ(笑)
返信する
こんばんは (ノラネコ)
2012-07-02 23:17:02
結構賛否分かれている様ですね。
断片に過ぎないという人もいれば、断片だから良いのだという人もいるみたいで。
私は、この物語全体がデクスターの追想で締められた瞬間、何ともいえない感慨に包まれました。
自分に重ねられる人ほど楽しめる構造の映画ナノかも知れませんね。
返信する
■悠雅さん (えい)
2012-07-03 22:44:41
こんばんは。
そのお芝居は知らないのですが、
あとで、聞いたところによると
これとはかなり違うようですね。

ぼくも時代の変遷がとてもオモシロかったです。
自分も若い方じゃないし、
あ~、いろんな時代があったなと、
しみじみ。
返信する
■ノラネコさん (えい)
2012-07-03 23:05:21
こんばんは。
そう、この映画を否定する意見をよく見かけます。
ぼくは、この一日の切り取り方が
恣意的すぎるきらいもないとはいえ、
やはりオモシロかったです。
なにも内容な年もあるし…。
こうして、人は年輪を重ねてゆくんだな…と、
少し寂しい風が胸を吹き抜けた感じでした。
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