ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『ウォーター・ホース』

2007-12-15 15:10:13 | 新作映画
(原題:The Water Horse)

-----“水道のホース”?そんなの映画になるの?
「いやいや。
これはあの有名なネス湖の怪物の写真をモチーフにした映画。
顔が馬そっくりに作ってある。」

-----あ~。あの写真なら知っているよ。
湖から恐竜が長い首を出しているヤツでしょ。
「うん。この映画では、
あの写真自体は偽物だけど、
その“生きもの”は確かに存在した------と、
そういう仮説で作られている。
原作は『ベイブ』でも知られるディック・キング・スミス。
そして監督が『炎のメモリアル』のジェイ・ラッセルだ。
物語は、この伝説の“生きもの”の卵を発見した少年アンガスを軸に語られる。
ときは第二次世界大戦中。
アンガスの父親は実は戦死しているんだけど、
母親はそれを彼に告げないでいる。
父の帰りを待つこのアンガスは、
ある日、湖で拾った卵を孵化させ、
クルーソーと名付けて秘密裏に育て始める。
このあたりは『ドラえもん・のび太の恐竜』とそっくり。
大人の目から隠しているところは『E.T.』かな。
ちょっとありふれた展開に、正直欠伸が出たんだけど、
大きくなりすぎて湖に帰してからが俄然、オモシロくなる」

------どういう風に展開するの?
「アンガスたちの家族は、その家の主ではないんだね。
ところが、主の友人の許可を得たということで
ハミルトン(デヴィッド・モリッシー)率いる軍がそこに駐在。
ドイツ軍の潜水艦が侵入してくる可能性もあると、
湖を見張っている。
そしてもう一人、この家の手伝いに謎めいた男ルイス(ベン・チャップリン)が現れる。
非常時でありながら、なぜか軍務に就いていない彼だが、
実は彼は名誉の負傷ですでに退役しているという設定。
このハミルトンとルイスの対比によって反戦のメッセージが、
そしてクルーソーとの友情、彼を守ることによって
父親の不在を乗り越えていく少年の成長が描かれているところが
この映画の大きな特徴だね。
もちろん、アンガスを乗せて水中を駆るクルーソーの勇姿は最大の見モノ」

------見せ場はたっぷりというワケだニャ?
「うん。楽しく湖で遊ぶ時間、そしてクライマックスの生きるための脱出----。
しかし、この水の特撮はもう驚くしかないね。
こういう大掛かりな部分だけでなく、
まだクルーソーが生まれて間もない頃、
水の中でピチャピチャ。
それが周囲を濡らしたり、アンガスの体にかかったり。
実際はクルーソー、ウォーター・ホースはCGのはずなのに、
この水を介した人間との細かい共演はもう魔術としか思えない」

----ということは、かなりの高得点?
「うん。シナリオもよく練れているし、
クルーソーと犬のコミカルなチェイス、
そしてダイナミックなアクション、
さらにはサスペンスに反戦メッセージ、友情と少年の成長。
これは自信を持っておススメできる作品だね」


         (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「これはよさそうだニャ」ぱっちり


※少し『フリー・ウィリー』を思い出した度

※こちらもよかったら…『映画 ドラえもん・のび太の恐竜2006』

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4 コメント

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こんばんは (ノラネコ)
2008-02-07 00:24:05
面白かったですが、ちょっと「E.T」を引きずりすぎている様にも思いました。
特に少年の設定がエリオットそっくりだったので、観ながら「E.T」を思わせるシーンが出るたびに、あの名作が頭をよぎってしまいました。
「E.T」を知らない今の子供たちの方が素直に楽しめるかもしれませんね。
返信する
■ノラネコさん (えい)
2008-02-08 10:09:09
こんにちは。

『E.T.』については不覚にも気づかなかったですが、
言われてみると、なるほどですね。

それにしてもCGの進歩には驚きました。
返信する
ET (kazupon)
2008-02-19 12:50:41
えいさん

確かに「ET」「のび太の恐竜」なんかで
さんざん使われたプロットだとは思いましたけど、
微妙にとっても地味な映画になってて、そこが
気に入りました。後で「マイ・ドック・スキップ」
と同じ監督だと知ってなるほどなぁと^^
あの映画なんだか好きだったのでこの映画も
気に入ったの自分で納得です。^^
返信する
■kazuponさん (えい)
2008-02-20 17:17:28
こんにちは。

この映画、実はぼくは『E.T.』はまったく気づかなかったんです。
ひねくれ者のぼくは、
「これに感動しないヤツは人間じゃない」とまで
言われた、
あの『E.T.』に、当時あえて逆らっていたからかも(汗)。

『マイ・ドッグ・スキップ』はぼくも好きです。
あれは、感情過多ではない
珍しい動物映画でした。


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