ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『真夜中の五分前』

2014-11-06 12:21:50 | 新作映画
----『真夜中の5分前』…。
これ、どこの映画ニャの?
「うん。
ちょっと分りにくいかな。
原作は本田孝好
監督が行定勲
そして主演が三浦春馬
れっきとした日本映画なんだけどね」

----でも共演者には
リウ・シーシーとかチャン・シャオチュアンといった
中国名の人が並んでいるよね。
「そうだね。
この映画は、舞台を上海に置き換えて作ってあるんだ。
三浦春馬演じる主人公、良は
時計店で働く日本人青年。
ある日、プールで泳いでいた彼の元に、
ひとりの美しい女性ルオランが現れる。
妹ルーメイへのプレゼントを探していた彼女に、
良は自分の時計を渡す。
その時計は、ある理由から5分遅れた時間設定になっていた…」

----うわあ。ミステリーっぽいニャあ。
「まあ。そうだね。
“双子”という要素はミステリーに転化しやすい
自分が今逢っているのが姉なのか妹なのか、
まだ付き合いが浅い段階では
すぐには見わけがつかないからね。
この映画でも、
カフェで良が会っていたルオランが
トイレから戻ってくるとルーメイに代っている。
しかし、良はそれに気づかない…というシーンが。
それがルーメイがスクリーンに登場した最初なんだ」

----ふむふむ。
どんな事件が起こるのかニャ。
「あっ、
その前に設定をもう少し。
良の付き合う姉ルオランは清楚で質素。
一方のルーメイは妖艶で奔放。
モデルの仕事をしていて、
映画プロデューサーの彼(チャン・シャオチュアン)と暮している。
だが、ほんとうにふたりの性格は
そうくっきりと線で引いたように分けられるのか?
彼女ら自身にも
自分たちの本質は見極めがついていないように見える。
そんな中、映画は、
ふたりの子ども時代の
洋服の取り換えっこによるガラス窓割り事件、
あるいはブランコからの転落事故などを織り込みながら、
観る者をさらなる混乱へと導いていく。
そしてついに起こった、その事件。
それは、二人のうちのひとりが生き残った
外国での海難事故。
戻ってきたのはルーメイ。
だが、ほんとうにそうなのか?
ルオランが彼女になりすましているのではないのか?」

----ふむふむ。
巧く作ってある。
あれっ、このルオラン、ルーメイは
双子の俳優が演じているの?
「やはり、そうきたか。
実は一人二役なんだけど、
これがとてもそうは見えない。
喧騒の上海を舞台にしながら、
どちらかと言うと
台湾映画を観ているかのような静謐な空気感の中、
行定勲監督特有の蒼く透明な時間が流れていく。
詩情が溢れんばかりのその中で、
一人二役というトリッキーな映像を同居させる
この技術にぼくは驚いてしまった」

----ふ~む。
「この映画の不思議なところは、
戻ってきたのがどっちでもかまわないじゃないか、
一瞬、そう思わせるところだね。

それだけ、この双子はどちらにも代り得ることができる」

----でも、結末はきちんとあるんでしょ?
「もちろん。
不条理映画ではなく、
あくまでもミステリーだからね。
そこにこのタイトルの持つ意味が立ち上がってくる。
マジカルな時間に
自分も引きずり込まれてしまいそうな映画だけど、
そこはしっかり見極めてほしいな」




フォーンの一言「三浦春馬にピッタリの映画なのニャ」身を乗り出す

※これは行定勲監督ならではの世界だ度

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